旧大倉沢報徳館(きゅうおおくらざわほうとくかん)

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ページ番号1003564  更新日 2022年12月14日

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名称

旧大倉沢報徳館(きゅうおおくらざわほうとくかん)

所在地

秋田県由利本荘市大倉沢字大沢16番2

構造・形式

木造平屋建、寄棟造、桟瓦葺
登録対象建築面積:212平方メートル

建築年代

昭和5(1930)年頃

写真:旧大倉沢報徳館

旧大倉沢報徳館の概要

旧大倉沢報徳館は、秋田県由利本荘市大内地域、国道105号沿いの大倉沢字大沢地内に所在します。本建造物は、大日本報徳社(注)(本社:静岡県掛川市)の支社のひとつとして、大正元年(1912)に由利郡岩谷村大倉沢の正木七蔵が設立した「大倉沢報徳社」の社屋として建築されたものです。

注:二宮尊徳の唱えた報徳運動に応じ、疲弊する農村の救済を目的として幕末から大正にかけて全国で結社された組織

同社は、大正12年(1923)に大日本報徳社より入社許可を受けており、秋田県内では明治41年に入社許可を受けた北秋田郡鷹巣町の鷹巣社に次いで2件目の支社でした。また、同社には「報徳文庫」として大日本報徳社発行の機関誌『報徳の友』等が保管されており、最も古いものは大正11 年4 月号(第239 号)です。
平成24年に大倉沢報徳社は解散しましたが、本建造物は大倉沢町内会館「大倉沢報徳館」として現在も利用されています。

建造物の概要

写真:旧大倉沢報徳館の窓と室内

 

主屋は木造平屋建、礎石建の建築で、外観は南京下見板張り、硝子窓、窓上端はモルタル搔落しです。建物外壁は茶系色塗装とする一方、玄関ポーチ、正面外壁腰部、硝子窓の庇及び窓枠は明緑灰色ペンキ塗装とし、窓枠框下部及び外壁腰部の庇は明青灰色ペンキ塗装として、正面を意識したモダンな雰囲気を醸し出しています。主屋平面は、玄関奥の廊下を矩折れに延ばし、西側は8畳の応接室、東側は倉庫、12畳の小会議所、廊下北側に42畳の大広間を配する構造です。建物内部については、廊下天井高が3.122メートル、壁は全て漆喰塗とし、桁行方向の竿縁天井となっています。
また、建物内部の工事記録では昭和21年(1946)に東口を新築し、その後は水屋等の改修が見られるものの、平成15年に当時の外観・内観はそのままに修復が行われ、外壁の再塗装及び内部の柱・天井・建具は漆塗風に塗装されています。
このように、本建造物は基礎部、外観、内観等、建築当時のまま大切にされてきた非常に貴重な建築物です。和洋折衷様式のモダンな外観と、硝子戸を多用する等の採光を意識した造りであり、社屋でありながら地域の施設として開放的な利用を窺える建造物でもあります。二宮尊徳の唱えた報徳運動の東北における運動展開を考えるうえでも、非常に貴重な建造物だといえます。

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このページに関するお問い合わせ

教育委員会生涯学習課
由利本荘市西目町沼田字弁天前40番地61 西目総合支所内
電話:0184-32-1332 ファクス:0184-33-2202
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。