松ヶ崎八幡神社(まつがさきはちまんじんじゃ)

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ページ番号1003560  更新日 2022年12月14日

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対象(名称)
  • 松ヶ崎八幡神社本殿(まつがさきはちまんじんじゃほんでん)
  • 松ヶ崎八幡神社拝殿・幣殿及び本殿覆屋(まつがさきはちまんじんじゃはいでん・へいでんおよびほんでんおおいや)
所在地
秋田県由利本荘市松ヶ崎字宮ノ腰102番地
構造・形式
  • 本殿
    木造平屋建、板葺、建築面積11平方メートル
  • 拝殿・幣殿及び本殿覆屋
    木造平屋建、瓦葺、建築面積71平方メートル
建築年代
  • 本殿
    江戸時代後期
  • 拝殿・幣殿
    明治31年

松ヶ崎八幡神社の概要

写真:松ヶ崎八幡神社の鳥居

松ヶ崎八幡神社は、亀田藩(2万石)の中心部、藩主岩城氏が陣屋を構えた「亀田」を通り、日本海に流れる衣川の下流右岸、標高約25メートルの「亀井山」に位置しています。松ヶ崎八幡神社の歴史的経緯については、貞享3年(1686)2月、当時の八幡社祠官木田伝次郎貞通が記した『八幡社由緒』に詳しく記載されており、その概要は次のとおりです。

松ヶ崎八幡神社は、山城国男山正八幡(現 石清水八幡宮 国史跡)の末流にあたる。養和年中(1181~1182)、石清水の社務次男の本宮貞継が八幡御本躰一面頭に懸けて、陸奥国岩城平の城山(現 福島県いわき市)に勧請した。その後源頼朝が鎌倉政権確立にあたり、文治2年(1186)岩城平の飯野山に社殿を再建し(現 いわき市飯野八幡宮 国重要文化財)、新たに社領として88町歩寄進したと伝え、代々国司の崇敬を受けていたとされる。
元和5年(1619)、岩城忠次郎貞隆が大坂の陣の功により、信濃国高井郡川中島に1万石を領するにあたり(川中島藩)、同高井郡小菅山に八幡宮の分霊を勧請し、岩城家代々の氏神とした。さらに元和9年(1623)岩城貞隆の子吉隆15歳の時、出羽国由利郡に国替えを命じられ(亀田藩2万石)、小菅山八幡の御神体を保護して岩城亀田(現 秋田県由利本荘市岩城)に入部し、寛永元年(1624)松ヶ崎亀井山に勧請して岩城家の崇敬社とした。

写真:松ヶ崎八幡神社社殿

以上が、松ヶ崎八幡神社の由緒です。なお、社殿については、その後の寛永13年(1636)に亀井山へ建立されることとなり、祠官は、亀井山に勧請した際木田氏が任命されていますが、その後現宮司である松尾氏が受け継ぎ、文書等も引き継いで今日に及んでいます。
当神社は藩政期岩城氏より社領30石を賜り、亀田藩の総社として、八幡宮・天満宮のほか総社宮に領内75社の分霊を祀っています。そして明治6年(1873)に、国家神道における神社改正において郷社に列せられ、昭和58年(1983)には二級社に指定されました。また、藩政期を通じて、亀田藩の総社として岩城氏の庇護を受けていたことから奉納物も多く、16世紀末から17世紀初頭に福井県産の笏谷石で製作された狛犬一対(県指定有形文化財)や江戸時代中期から後期にかけて奉納された大絵馬(武術絵馬)16面(市指定有形文化財)など、重要な歴史資料が多く残っています。
さらに、歳旦祭(1月1日)や祈年祭(3月20日)、例大祭(7月第一日曜)などの諸行事も年間を通じて行われており、中でも例大祭では、松ヶ崎に伝承されてきた伊勢流大神楽に属する「松ヶ崎八幡神社神楽」が幣殿で奉納され、神輿巡幸が行われるなど、祭礼時は多くの参拝客で賑わっています。なお、当神社は飯野八幡宮(福島県いわき市)の分霊を祀っていることから、飯野八幡宮とは「親子神社」として交流を深めており、平成23年には福島第一原発事故の影響で執り行うことができなかった伝統行事「御田植祭」を、飯野八幡宮に代わって松ヶ崎八幡神社が行った経緯があります。

建造物配置状況

松ヶ崎八幡神社は、小高い標高約25メートルの亀井山山頂に位置しており、山麓から一筋の石段が社殿まで続いています。そして一ノ鳥居を過ぎると、左手に神輿と大絵馬を保存する神輿殿があり、手水舎、狛犬を過ぎて石段を登り切ると、二ノ鳥居が見えてきます。さらに進むと一対の灯籠、二対の狛犬が社殿前に造立されており、地元氏子の信仰の深さを感じ取れるでしょう。一ノ鳥居から山頂の社殿までは約120メートルです。境内には鳥海山を祀る大物忌神の碑も建立されており、松ヶ崎地区一帯が、藩政期鳥海山信仰の盛んな地であったことを裏付けています。

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