令和4年度 市・県民税の主な税制改正について

令和4年度から適用・改正される市民税・県民税（住民税）に関する主な税制改正をお知らせします。

項目一覧

1. 住宅借入金等特別控除（上乗せ措置）の期限延長等
2. 子育て支援に係る助成事業の非課税措置
3. セルフメディケーション税制に係る対象範囲の見直しと期限延長
4. 特定配当等及び特定株式譲渡所得金額に係る申告手続きの簡素化
5. 短期勤続者に係る退職所得課税の見直し

1．住宅借入金等特別控除（上乗せ措置）の期限延長等

（1） 消費税10％適用後の上乗せ措置について、契約期間と入居期限が1年延長されました。

（2） （1）に限り、面積要件が緩和されました。ただし、適用するためには所得要件があります。

• 面積要件：40平方メートル以上50平方メートル未満。（これまでは50平方メートル以上でした。）
• 所得要件：合計所得金額が1,000万円を超える年は適用できません。

2．子育て支援に係る助成事業の非課税措置

次のような、子育て世帯に対する国や自治体からの助成については非課税対象とされました。

1. ベビーシッター利用料への助成
2. 認可外保育施設等の利用料への助成
3. 一時預かり、病児保育、放課後児童健全育成事業に関する施設利用への助成

そのほか、妊娠中の者への子育て相談等への助成や、一体として行われる助成も対象。
（生活援助、家事支援、保育施設等の副食費、交通費など）

3．セルフメディケーション税制に係る対象範囲の見直しと期限延長

次の見直しを行った上で適用期限が5年延長され、令和8年12月31日まで購入分が対象となります。

1. 対象となるスイッチOCT薬から効果が薄いものを除外
2. スイッチOCT以外でも効果があると考えられるものを追加（3薬効程度）

4．特定配当等及び特定株式譲渡所得金額に係る申告手続きの簡素化

個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の全部について申告不要制度を利用する場合、確定申告書の提出のみで手続きが完了するように、確定申告書における個人住民税に係る附記事項が追加されました。

5．短期勤続者に係る退職所得課税の見直し

令和4年1月1日以降に退職手当の支払いを受ける場合、新たに「（2）短期退職手当等」の区分が設けられました。退職所得の金額は次の通りになります。

（1）【一般退職手当等】勤続年数5年を超える法人役員等以外の者に対するもの

（収入金額－退職所得控除）× 2分の1

（2）【短期退職手当等】勤続年数5年以下の法人役員等以外の者に対するもの

• 「収入金額－退職所得控除」が300万円以下の場合、（収入金額－退職所得控除）× 2分の1
• 「収入金額－退職所得控除」が300万円を超える場合、（収入金額－退職所得控除－300万円）＋ 300万円 × 2分の1

（3）【特定役員退職手当等】勤続年数5年以下の法人役員等に対するもの

（収入金額－退職所得控除）

　退職所得控除：勤続年数20年までは1年につき40万円（最低80万円）。20年を超えたら1年につき70万円。