本荘城下の総鎮守「八幡神社」
本荘八幡神社は、慶長12年(1607)、本城満茂(みつしげ)が城下町を建設するに伴い、赤宇津大野原(現由利本荘市松ヶ崎)から本城城の鬼門(北東)にあたる現在地に遷宮したもので、元和9年(1623)に入部した六郷氏も氏神として崇拝し、本荘の総鎮守として崇敬されてきました。藩主らが奉納した大絵馬からも、崇敬社として大切にされてきたことを知ることができます。現在毎年9月に行われる祭典は、旧城下の足軽町や町人町の多くの氏子町内が参加し、山車や大名行列などが巡行する地域最大の祭りです。
江戸時代、神社前の東西に走る通りは、「八幡町」と呼ばれていました。城下絵図によると、境内は木々に囲まれ、参道や二基の鳥居、参道両脇には堂舎が配置されるなど、現在と同じような景観が描かれています。また境内には別当寺とみられる「八幡寺」や「ゴマ(護摩)堂」などの堂舎も描かれており、神仏習合の時代の神社のあり方がわかります。
境内社の句(く)須(す)志(し)神社前には、16世紀に北国船で越前国(福井県)から運ばれてきた笏(しゃく)谷(だに)石製の狛犬(市指定有形文化財)が鎮座するほか、境内入口には、明治27年(1894)8月25日に発生した大洪水による3m余りの浸水被害を伝える石製の標柱が建立されており、自然災害伝承碑として注目されています。
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