所信表明(令和3年第2回由利本荘市議会臨時会)

ページ番号1005282  更新日 2022年12月14日

印刷大きな文字で印刷

令和3年第2回市議会臨時会(令和3年4月27日開催)より

写真:所信表明

本日、令和3年度第2回由利本荘市議会臨時会の開会に当たり、市長としての初の市議会となりますので、市政運営にあたっての所信を述べせていただきたいと思います。

まずもって、この機会をいただきましたことに対し、正副議長をはじめ、議員の皆様に厚く御礼を申し上げるとともに、市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。

私は、4月4日に執行されました市長選挙におきまして、市民の皆様から厳粛なる信託を賜り、第3代目の由利本荘市長に就任させていただきました。この上なく光栄でありますとともに、その職責の重さに身の引き締まる思いであります。

私は、かねてより、贅沢な生活はできなくとも、不安がなく笑顔で日々生活できる暮らしを守るのが行政、政治の最大の役割であるとの思いから、「市民生活がいちばん」を政治信条に務めてまいりました。

昨年の12月までは市議会議員として、3期足掛け12年にわたり、その立場で地方自治の一端を担ってまいりましたが、その間、議会総務常任委員長や、教育民生常任委員長も務めさせていただきましたし、小・中、高校のPTA会長の経験から、市政運営に違和感を感じはじめ、その違和感は日に日に大きなものになってきました。

感じていたことは、発信力の不足や諸課題に取り組む積極性の不足に加え、8地域の均衡ある発展を掲げつつ、その進捗が感じられず、結果、市民の間には閉塞感が広がり、そして市政が見えていないことでした。

私は、そうした閉塞感を払拭し「市民生活がいちばん」を基本として、政策等の全責任は市長にある、を前面に打ち出し、職員にはどんどんチャレンジしていただきたいと考えておりますし、住民自治組織を中心とした、各界や団体等とのコミュニケーションを重視し、市長の顔がみえる運営に努め、5つの「オープン」を柱に、市と市民が持っている英知を結集して、市のポテンシャルを最大限引き出すことで、由利本荘市の未来を切り拓いていく覚悟であります。

その真に開かれた市政を目指す、キーワードの5つのオープンとは、

1つめは「市民にオープン」であります。
市民ファーストを念頭にアナログ・デジタルを問わず市の情報発信を徹底して行うことにより、市政を身近に感じてもらえることを目指します。

2つめは「役所をオープン」です。
市民に開かれた役所の推進を目指すとともに、市職員との緊張感を保ちつつも信頼関係の醸成を第一義に進めます。

3つめは「行財政をオープン」です。
行財政運営については、「行政はスリムに、市民は豊かに」を基本に、市民目線を大事にした運営に努めます。

4つめは「改革をオープン」です。
改革には市民の参画を促し、市民とともに作る由利本荘市を目指し、将来を展望した改革を進めます。

5つめは「未来にオープン」です。
人材発掘と育成を重点に市民の持っているポテンシャルを引き出し、未来への投資の観点から政策を進めます。

そして、これら5つのオープンを基本とし、未来に向かって展開する6つの施策を掲げます。

その6つについて述べる前に、まずは取り組むべきことは、市民生活を脅かしている、コロナ対策であります。

飲食、観光、宿泊、そして、その関連業が大きな打撃を受けているのは、言うまでもありませんが、1年以上にも及ぶ状況から、あらゆる業種に影響が出ており、市民生活にも多大な影響を及ぼしています。

これまでもさまざまな支援策を打ち出してきておりますが、市民の皆様が、本当に必要としている支援なのか、それで十分なのかを検証しながら、追加の対策についても積極的に打ち出してまいります。

また経済的な影響だけではなく、外出機会が減り、人とのふれあいがなくなってしまったことによるメンタルへの影響も心配されます。市民に寄り添った、心のケアにつながる支援を検討してまいります。

そして、いよいよ開始されたワクチン接種ですが、万全の体制でスムーズに行えるよう準備を整え、スピードを重視しながらも確実に進めてまいります。本市においても、5月6日から接種が開始されますが、できるだけ早く、希望する市民全員に接種が完了するよう全力で取り組んでまいります。

そしてやがてくるアフターコロナへの対策も急務であります。
アフターコロナは、IT化への変革といって良いほど、IT化が進み、生活は一変することが予想されます。リモートでの仕事や会議が進むでしょうし、お金のやり取りをしないキャッシュレスなどもその代表です。

その対応に行政も積極的に取り組む必要がありますが、その対応に追われる商工業者や何よりも市民の皆様、特に高齢者の皆様にとってIT化が進むことは、大変住みづらい世の中と感じてしまう方が出てくる懸念もあります。
市が駆け込み寺となる思いと、関係団体との連携を強化して不安のない生活への対応をしてまいります。

また、感染対策を行いながら経済を回すことも大事であり、その対策へも積極的に取り組み、地域に活力を取り戻してまいりたいと思います。

さて、未来に向かって展開する6つの「施策」ですが、

1つめは、地元産業の振興で地域経済の活性化と若者の定着、担い手の育成支援に努めることです。
具体的には、既存の電子デバイス関連企業をはじめ、新産業分野へ挑戦する企業への支援や、地元企業と医療福祉施設、学校施設、商業施設が一体となったエリア構想を未来のまちづくりのモデル事業と位置づけ、市民の声を取り入れながら連携して実施してまいります。

また、若者の地元定着対策として、インターンシップの導入促進を行うなど、関係機関と連携して実施し、市内産業の雇用の促進や、起業する若者への物心両面での徹底した支援や、農商工そして観光各分野の連携で、ブランド力の向上と、ビジネス拡大への挑戦の促進、食育と地産地消を一体的に推進し、地域の農業振興に努めるとともに、地域産品の売り込みには、企業訪問・商談会を実施し、商品定番化や新規取引先の開拓など、首都圏への販路拡大をすすめます。
スマート農業の展開は、調査・研究から、いよいよ実践へと移行してまいります。

2つめは、市民生活に密着した課題解決を自治組織と協同で行ってまいります。
具体的には、自治組織と市の役割分担を明確にし、意思疎通ができる体制と協同で地域課題解決に向かう体制を構築します。

また、生活に密着した足腰の強い自治組織の形成や地域や会員数等を勘案し、すべて一律ではない支援策を立案してまいります。

3つめは、未来を切り拓く子どもを、地域社会全体で健やかに育てることです。
具体的には、生まれ育った子どもたちが健やかに育ち、地域を担うことができる環境をつくり、次代を担う子どもたちのために豊かな心と学力の備わる教育を推進します。

さらに、子育て世帯の経済的負担軽減を推進するため、これまでの乳幼児から中学生までの医療費助成に加え、新たに高校生年齢を対象とするとともに、乳幼児の任意予防接種についても、助成の拡充を図ります。

そして、チルドレンファーストを基本方針に、地域社会全体で子育て家庭を支援することや、子どもの遊び場や親子交流の場のさらなる充実を図ります。

また、保育士の確保へ向けた取り組みをさらに推進することと、教育関連施設など教育環境の整備を推進するとともに「生きる力」となる知力や道徳、そして健康のバランスのとれた教育を推進します。

4つめは、市民一人ひとりが心身の健康を保ち、援助が必要な人が必要な支援を受けられるよう医療と介護の連携を強化します。
それには、在宅医療・介護を一体的に提供できる体制を構築し、安心して暮らせる地域づくりを目指し、ライフステージに合わせた医療・福祉・介護を充実します。
各世代に合わせた疾病の予防、早期発見に関する効果的な対策を講じるとともに、市民が健康で安心して暮らせるよう医療体制の機能維持、充実に必要な支援を行います。

そして、人と人とがさまざまな立場、ライフステージを超えて、人々の多様なあり方を相互に認め合え助け合える「共生社会」の実現を目指します。

5つめは、行財政改革を徹底し、効率的行財政運営を行います。
具体的な施策として、市民サービスの維持・向上とのバランスを取り推進し、行政の縦割りの弊害を分析し、課題によっては部局を超えた施策実施の迅速化を図るとともに、財政の健全化に努めてまいります。

また、公共部門の民営化や業務のAI化、DXには、民間の知恵を取り入れた導入を検討し、そして積極的なふるさと納税の展開や、更なるクラウドファンディングの導入など、新たな財源の確保に向けた取り組みをすすめます。

6つめは、アナログの媒体も大事にしつつIT技術を最大限に駆使し、市の魅力を全世界に発信します。

情報の発信は移住・定住の推進にも繋がると考えており、加えてSNSの活用は、市民とのコミュニケーションツールとして大きな役割を果たすものと考えています。

シティプロモーションの展開により、市の魅力向上を図るとともに、ニーズに応じた支援策を講じることで、転入者の増加と定住の促進を図ります。また、鳥海山ろくの魅力発信を強化し、交流人口の増加を地域の活性化に結びつけます。

以上、私の市政運営について 「真に開かれた市政を目指す5つのオープン」と、未来に向かって展開する「6つの施策」について述べさせていただきました。

これらを達成させるためには、今後、所管する部署や関係団体などと調整を図りながら、可能な限り早期に着手し、速やかな目標の達成と実現に向けて全力で取り組んでまいります。

本日は、市長就任から12日目となりました。
その間、多くの皆様より叱咤激励をいただき、皆様の期待が、大きいことを痛感しています。

初登庁後の本庁での訓示を行うとともに、7つの総合支所も回り、職員へ挨拶をしました。話したことは先ほど述べた取り組みたいことに加えて、「市民の声をよく聞いて欲しい」ということです。

予算の伴うことについては、すぐには叶わないことが多いかもしれませんが、まずは、話を聞くことにより、何か解決の糸口を見つけられることがあるはずですし、積極的に部署を超えて取り組むことも大切なことだと思っています。

そして私も、市民の声と同じように、職員の皆さんの声を聴いてまいります。
職員の皆さんが日々思っていることと、私の思いを述べ合うことで、由利本荘市の未来への方向性や新たな政策が生まれるものと考えています。

また、そのためには議会の皆様との連携も不可欠であります。
私も昨年までは市議会議員として皆様とともに由利本荘市の発展のため汗を流し、お互いが信頼し合い、本音で腹を割って話しあってまいりました。

よく、「行政と議会は車の両輪だ」と言われますが、希望も込めて申し上げさせていただければ、私と議員の皆さんとであれば、まさに理想的な両輪を築くことができると確信しています。

そして、市民の皆様とも、がっちりとスクラムを組み、みなで作り上げる由利本荘市の発展を目指し、ふるさとをもっと好きになり、誰もが自信と誇りを持って活躍できる、希望溢れる、優しい由利本荘市を創ってまいります。

結びに、市民の皆様・議員の皆様におかれましては、市政運営への特段のご理解と、ご支援を賜りますよう心からお願い申し上げ、市長就任にあたりましての所信表明とさせていただきます。

このページに関するお問い合わせ

総務部秘書課
由利本荘市尾崎17番地(本庁舎2階)
電話:0184-24-6203 ファクス:0184-23-2270
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。