令和8年度 教育方針
教育方針(令和8年第1回由利本荘市議会定例会)
令和8年第1回由利本荘市議会定例会(2月16日開催)より

それでは、令和8年度の教育方針について、述べさせていただきます。
教育委員会では、本市まちづくりの基本理念に基づき、「共生」「躍動」「自立」の三つの視点を根幹に据え、本市教育の基本方針である「ふるさと愛に満ち、創造性あふれるひとづくり」の実現を目指し、教育施策を推進してまいりました。
近年、社会は少子高齢化の進行や価値観の多様化に加え、デジタル技術の急速な進歩やAIの普及などにより、大きな転換期を迎えております。
こうした変化に的確に対応し、本市の将来を担う子どもたちが、激動する社会を主体的に生き抜く力を培うとともに、ふるさとに誇りと愛着を持てるひとづくりを目指すべく、本市総合計画と整合性のある一体的な施策の推進に向けて、新たな「教育の振興に関する施策の大綱」を取りまとめたところであります。
令和8年度は、この新たな教育大綱のもと、学校教育と社会教育が密接に連携しながら、「本市が目指す姿」の具現化に向けた教育施策を、着実かつ計画的に展開してまいります。
進取の気性を育む教育として、主体的な学びの力を育むとともに、ふるさと愛の醸成として、地域全体で子どもたちを育む「コミュニティ・スクール」を核とした取組や、特色ある教育資源を最大限に活かした本市独自の教育施策の推進に努めてまいります。
また、芸術文化活動やスポーツ振興につきましても、市長部局と連携を図りながら事業を展開し、「まちづくり」や「ここに生きる喜びづくり」に繋げてまいります。
さらに、市長と教育委員による「総合教育会議」を通じて、新たな教育大綱に基づく施策の進捗や課題を共有し、必要な検証と改善を重ねながら、実効性の高い教育施策の推進に取り組んでまいります。
それでは、具体的な施策について、述べさせていただきます。
はじめに教育環境の整備につきましては、老朽化した校舎の改築や統合小学校の建設工事を優先的に進めているところでありますが、既存施設の維持・補修についても、子どもたちが学びやすい環境づくりを基本とし、「安心・安全な」教育環境の維持に努めてまいります。
具体的には、照明のLED化について、体育館に引き続き校舎照明の交換も計画的に進め、「環境にやさしい」、よりよい教育環境の整備に取り組んでまいります。
学校敷地内の遊具につきましても、子どもたちの運動能力の向上、協調性の育成、そして安全な遊び場の提供を目的に、点検と修繕を計画的に進めてまいります。
学校建設につきましては、大詰めを迎えた新山小学校及び本荘東小学校の建設事業を並行して進めてまいります。
はじめに、新山小学校についてでありますが、現在は4期工事として、旧校舎の解体や外構工事を進めており、本年秋には、足掛け5年に及ぶ全ての工事が完成いたします。
懸案であった一定の駐車スペースを確保し、かつロータリーを整備して利便性を向上させながら、PTAなど各種行事への対応や、登下校時における渋滞の緩和を図ってまいります。
次に、本荘東小学校についてでありますが、校舎及び体育館が完成し、3月の引越を経て、いよいよ4月に新たな学校が開校いたします。なお、現在行っている外構とグラウンド整備工事については、学校運営への影響を最小限に抑えながら、5月末の完成を目指し、着実に工事を進めてまいります。
統合前の各学校の校風を受け継ぎ、未来に向かって新たな歴史を歩み出すにふさわしい学校となるよう、周辺地域にも十分配慮しつつ、安全第一で工事を進めてまいります。
本荘地域の学校再編につきましては、令和8年4月の鶴舞小学校及び本荘東小学校、2つの統合小学校の開校をもって完了となります。
この2つの統合小学校が将来を担う子どもたちにとって記念すべき、かつふさわしい門出となるよう、開校に向け遺漏のないよう準備を進めてまいります。
また、時代の変化に対応した「新たな学びの姿」が求められており、小中学校のあるべき特質を共有しながら、今後の学校環境のあり方についても検討を進めてまいります。
閉校となる学校の維持管理につきましては、関係者や地域の皆様と連絡調整を図りながら、適切に対応してまいります。
中でも小友小学校につきましては、地域振興や雇用の創出の観点も踏まえ、公募による民間等への貸付を行う方向であり、関係部署と連携しながら進めてまいります。
次に学校教育につきましては、「人間性豊かで進取の気性に富む、たくましい子どもの育成」を目標に掲げ、子ども一人ひとりに寄り添い、支え、つなぎながら、市内約4,000名の児童生徒の「確かな学力」「思いやりのある豊かな心」「健やかな体」の育成に努めてまいります。
日々、目まぐるしく変化を続けるこれからの時代を生きていく子どもたちには、「自らの人生を自らの力で切り開く力の育成」と「一人ひとりの可能性をさらに伸ばすことができる支援策」が必要であると考えております。令和8年度も、重点施策として「ICTを活用した教育」を推進するとともに、多様性を尊重し、自分とは異なる文化や価値観を受け入れ、グローバル社会で活躍できる人材の育成を目指し、英語教育の充実を図ってまいります。
ICTを活用した教育は、「主体的・対話的で深い学びの実現」に向けた「授業改善」につながるものと捉えております。児童生徒が自己調整しながら学習を進める「個別最適な学び」と、多様な他者と協働しながら、その他者を価値のある存在として尊重し、持続可能な社会の創り手となるための「協働的な学び」の一体的な充実が図られるとともに、学習の見通しをもち、他者と関わりながら、自ら課題を見つけ、考えを深めていく子どもの育成を目指してまいります。
令和7年度はタブレット端末の更新を行うとともに、GIGAスクール構想第2期に向けた適切な整備を進め、学校現場の意見を取り入れながら効果的に活用できるソフトを導入いたしました。令和8年度は、「学びの充実や学びの継続」について新たに研究を進め、各教科の「学習のねらい」が達成されるよう、引き続き実効性のある実践を積み重ねてまいります。そのために、教職員向け研修会などにおいて、活用に向けた演習や情報共有を行い、効果的かつ具体的な取組の提案をより一層進めてまいります。
併せて、ICT教育の推進につきましては、県立大学や産学共同研究センターとの「産学官連携」による「由利本荘市独自の教育モデル」として令和4年度から取り組んできた、「ゆりほんICT子供の学びアップデートプラン」が全国においても高い評価を受けたところでありますが、令和8年度は、さらなる発展に努めてまいります。
具体的には、県立大学生のICT支援員としての市内各小中学校への派遣をはじめ、県立大学やベンチャー企業と連携した「プログラミング講座」、タイピング技術向上を目指した「タイピング競技会」、「学校ホームページを利用した学校行事や学習成果の発信」、「デジタル作品展示」などを引き続き実施し、これらの事業を通して児童生徒や教員のICT活用能力をさらにスキルアップさせ、「情報を処理・活用・発信する力」を育んでまいります。
また、文部科学省が後援する「学校情報化優良校」の認定につきましては、認定を受けている鳥海小学校が、県事業「ICTを活用した授業力向上事業」で培った成果を市内の小中学校と広く共有し、令和8年度には、より多くの学校が認定基準を満たせるよう、引き続きICT教育環境の整備と教職員の活用力向上に取り組んでまいります。
英語教育につきましては、「聞く力」、「話す力」を中心にコミュニケーション能力の育成を図り、ALTを活用しながら、授業及び授業以外の時間にも英語に触れたり、話したりする機会を意図的に設定してまいります。令和7年度には、授業以外の場でも児童生徒が英語に親しみ、自ら進んで英語を用いてコミュニケーションを楽しむ姿勢を育むことを目的として、各校の特色を生かした「English Day」を年間通じて実施いたしました。令和8年度も各校の創意工夫のもと、継続して取組の充実を図ってまいります。
次に、令和8年度も引き続き、「全小・中学校コミュニティ・スクールのまち」として、学校、保護者、地域、行政等の連携を強め、各地域の特色を踏まえながら、「地域とともにある学校づくり」と「学校を核とした地域づくり」を推進し、地域と一体感のある教育環境づくりを実践してまいります。
具体的には、地域のよさに気付き、地域の課題に目を向け、地域の未来を考えることのできる、創造性に富み、感性豊かな子どもを育むため、ふるさとの歴史や文化、自然、産業等について体験的に学んだり、積極的に発信したりする場を設定するなど、地域社会との関わりを重視した「ふるさと教育」と「キャリア教育」の一層の充実を図ってまいります。
生徒指導につきましては、児童生徒が、多様性を認め、温かい人間関係に支えられた学校生活を送ることができるよう、一人ひとりの人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、各校における児童生徒の「居場所づくり、絆づくり」に努めます。
また、学校生活アンケート等により児童生徒の実態把握に努め、「いじめ問題への組織的対応」や、「不登校の未然防止及び早期の適切な支援」に力を注ぐとともに、関係機関との連携をさらに強化し、児童生徒の安全・安心な学校生活の実現に向けた支援に取り組んでまいります。
さらに、特別支援教育の充実に向けて、小・中学校の就学や進学等に際して、各校を訪問して保護者や教職員との相談活動を担当する就学支援員と学校間連携コーディネーターを配置し、切れ目なく、円滑に支援の引き継ぎができるようにするとともに、児童生徒の実態や実情を十分に考慮した上で、学校生活サポートを配置し、自立に向けた支援の充実に努めてまいります。
教職員の「働き方改革」につきましては、各校に「二次元コードリーダー」を設置して出退勤時間の見える化を図るとともに、「プリペイド携帯電話」を導入して、休日夜間の保護者からの連絡を管理職に一元化する取組を行っております。今後も、各校における校務分掌の見直し、時間外勤務の改善や、学級担任の負担軽減を図ってまいります。
部活動の地域移行に向けた取組につきましては、令和5年度に設置した「地域移行推進協議会」を「部活動地域移行支援コーディネーター」の計画の下で十分に機能させ、関係機関・団体との協議や調査を進めてまいりました。令和7年度には、サッカーとソフトボール競技において地域クラブが立ち上がり、活動を開始しております。また、「由利本荘市部活動地域移行推進計画」を策定しており、地域や各種目の実情に合わせた地域移行を段階的かつ弾力的に進めるとともに、引き続き「中学校部活動指導員」を配置し、部活動の地域展開の着実な推進に向けて、取り組んでまいります。
認定こども園や保育園と小学校の円滑な接続につきましては、園と小学校の連携や協働を一層充実させることを目的とした「架け橋プログラム」を計画的に推進するとともに、園と小学校、双方の視点を踏まえた専門的な助言を行う「架け橋期コーディネーター」を配置し、確かな児童理解にもとづく職員間の連携体制を強化してまいります。こうした取り組みにより、教育と保育における必要な支援が切れ目なく展開される仕組みを整え、本市の未来を担う子どもたちが安心して学びと成長を重ねていけるよう、接続期における支援の充実を図ってまいります。
現在、学校現場では、特別な支援を要する児童生徒や不登校傾向にある児童生徒の増加のほか、学校が抱える課題が複雑化・多様化してきております。そこで、開設4年目となる「由利本荘市教育支援センター」による支援拡充を図り、児童生徒や保護者、学校職員のニーズに応じた多面的・包括的な支援を柔軟に行ってまいります。
学校給食につきましては、施設の老朽化や児童生徒数の減少に応じた効率的な運営を図るため、北部学校給食センターや共同調理場への集約を進めてまいります。
小学校においては、国の制度に加え、保護者負担分を市が担うことにより、「完全無償化」を実施してまいります。
また、中学校においては、物価高騰に伴う給食費の値上がり分を市が負担し、従来の徴収額を据え置くことで、引き続き保護者の負担軽減に努めてまいります。
次に、生涯学習・社会教育の推進につきましては、令和8年度から新たに策定された「第5次生涯学習社会教育中期計画」に基づき、誰もが「学び」をとおして実感する「ウェルビーイングの向上」を目指し、「学びを支える体制の整備」や「学びを広げる機会の充実」を図ってまいります。
「学びを支える体制の整備」につきましては、公民館や図書館、資料館などの社会教育施設について、地域の特色を活かしながらも、市全体で一様な事業を展開し、多くの市民の皆さまが独自に学習できる場の創出に努めてまいります。
また、「学びを広げる機会の充実」として、「まちづくり宅配講座」をはじめ、教育、雇用、観光、環境、健康、防災などの社会課題にも対応した各種講座の充実に努めるとともに、生涯学習奨励員の活動充実を図り、学びの担い手となるボランティア人材の育成にも努め、身近な場所でも生涯学習が持続できるよう支援してまいります。
「コミュニティ・スクール」に対応した「地域学校協働活動」については、地域と学校との連携を深め、地域の人材を積極的に活用し、子どもたちの育成と地域づくりに努めるとともに、放課後の子どもたちの安心・安全な居場所づくりを行う「放課後子ども教室」、子どもたちの基礎学力の定着や学ぶ喜びを醸成する学習支援となる「地域未来塾」を継続してまいります。
次に、読書活動の推進につきましては、中央図書館を核に、各地域図書館・公民館図書室が、図書館システムネットワークを活用して、市民のニーズと地域の課題解決にふさわしい資料を選定し提供してまいります。併せて、図書館遠隔地や病院、福祉施設の方々に図書を届ける、移動市役所と連携した「移動図書館・移動文庫」の他、マイナンバーカードを活用した図書の貸出など、多様な取組を導入しながら、すべての年代を対象として市民サービスのさらなる向上に努めてまいります。
平成30年より「佐藤憲一教育支援基金」を活用して取り組んでいる「図書館を使った調べる学習コンクール」につきましては、市内各学校や各種団体などの協力をいただきながら引き続き実施し、図書館の資料を活用した市民の学習意欲の向上に努めてまいります。
また、学校図書館と図書館の連携につきましては、児童・生徒のリクエストに応じた図書館の資料の貸し出しや授業の補助、学校図書館の環境整備など、学校との日常的な協力や支援等により、児童・生徒の読書の意欲向上に努めてまいります。さらに、35回目を迎える「高橋宏幸賞感想文・感想画コンクール」を継続し、子どもたちの読書意欲の向上と想像力を育み、感性豊かな子どもの育成に努めてまいります。
次に、文化財保護につきましては、国史跡「鳥海山」の魅力発信をはじめ、本市が将来に亘り遺すべき歴史・文化・自然遺産の新たな指定や登録を視野に入れた調査を進め、国の重要文化財「土田家住宅」をはじめとする指定・登録の建造物や歴史資料、工芸品等の市内の貴重な文化財の管理・修繕・調査を継続するとともに、「加田喜沼湿原」をはじめとする市指定天然記念物の保存管理に努めてまいります。
民俗芸能を中心とする無形民俗文化財につきましては、民俗芸能伝承館「まいーれ」を核として、充実した芸能公開を進めるとともに、本市の“たから”として、後世に継承できるよう民俗芸能団体の保存伝承活動の支援を継続して実施し、本市の民俗芸能の魅力発信に努めてまいります。
市内各地の資料館などにつきましては、郷土を「学ぶ」「体験する」ための拠点として親しまれる施設を目指し、引き続き専門家の指導を受けながら貴重な収蔵資料の保存管理に努めるとともに、その貴重な資料を企画展等で広く公開してまいります。
以上、市長部局とも連携を図りながら、さまざまな施策を展開し、生涯にわたって学び成長する喜びを実感できる、さまざまな機会を提供するとともに、新たな活動の場を創出しながら、創造性あふれるひとづくり、まちづくりに繋げてまいります。
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