令和6年度 教育方針

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ページ番号1009573  更新日 2024年2月16日

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教育方針(令和6年第1回由利本荘市議会定例会)

令和6年第1回由利本荘市議会定例会(2月16日開催)より

教育長写真

 それでは、令和6年度の教育方針について、述べさせていただきます。

 教育委員会では、本市まちづくりの基本理念に基づき「共生」「自立」「躍動」の3つの視点を基底に据え、本市教育の基本方針である「ふるさと愛に満ち、創造性あふれるひとづくり」を目指し、さまざまな教育施策を展開しているところであります。

 今、社会は少子高齢化や多様化、デジタル化技術の進歩などにより大きく変わろうとしています。

 こうした中で、市の将来を担う子どもたちが社会の急速な変化に対応していくためには、従来の仕組みや枠組みを超えた新たな取組が必要であり、学校教育はもちろんのこと、社会教育においても、「新たな学びの姿」を具現化していくことが、これからの教育の大きなテーマであると考えております。

 子どもたちの未来と本市の将来を見据えながら、人口減少や社会の急速な変化から生じる課題などに対し、市として一体的に取り組み、持続的な発展へと繋げるため、市が持つ「コミュニティ・スクール」を核としたさまざまな取組や、特色ある教育資源などを最大限に活かし、本市にふさわしい教育行政の推進に努めるとともに、「芸術文化活動やスポーツ振興」におきましても、市長部局と連携しながら教育施策を展開し、本市の「まちづくり」「ここに生きる喜びづくり」に結びつけてまいります。

 さらには、引き続き、市長と教育委員による「総合教育会議」を開催し、教育の現状と課題について協議するとともに、教育の進むべき方向性を共有しながら、『教育の振興に関する施策の大綱』の最終年度としてふさわしい、よりよい教育行政の推進に努め、これからの教育に対応し得る、新たな大綱の策定に取り組んでまいります。

 それでは、具体的な施策について、述べさせていただきます。

 はじめに教育環境の整備についてでありますが、子どもたちが学びやすい環境づくりを基本に、現在は老朽化した校舎改築を優先して進めておりますが、既存施設の維持補修につきましても、子どもたちの安全を第一に考えながら、「安心・安全な」教育環境の維持に努めてまいります。

 また、引き続き体育館を中心とした照明のLED化を計画的に進め、「環境にやさしい」よりよい教育環境を整えてまいります。

 学校改築につきましては、引き続き新山小学校の建設工事を進めてまいります。

 令和4年9月にⅠ期工事として「普通教室棟」が完成し、子どもたちは新しい校舎での学習をスタートしております。

 現在はⅡ期工事として、新たに「管理・特別教室棟」を建築中であり、令和6年秋の完成に向け、工事を着実に進めてまいります。

 子どもたちが毎日生活する、校地内での工事となるため、引き続き安全面を最優先に考え、不便なく、明るく楽しい学校生活を送ることができるよう、最大限配慮しながら進めてまいります。子どもたちには、日々建築が進む状況を間近に見ながら、完成を楽しみにしてもらいたいと思います。

 また、移転・改築を進めてきた矢島小学校が、令和6年春には県内初の「小・中・高一体型校舎」としてスタートいたします。創立150周年の節目の年でもあり、将来を担う子どもたちにとって記念すべき、ふさわしい幕開けとなるよう、学校や地域と連携しながら、特色ある学校づくりに取り組んでまいります。

 本荘地域の学校再編につきましては、『第二次学校環境適正化基本計画』に基づき、「1中学校区1小学校」の基本方針のもと、令和8年4月の「鶴舞小学校」と「本荘東小学校」それぞれの統合小学校開校を目標に、引き続き、本荘地域の適正な学校環境の構築に努めてまいります。

 学校再編を進めるにあたり、令和3年度より大学教授などの学識者や関係組織、学校運営協議会の代表などで構成する「本荘地域学校再編委員会」と、より詳細な議論を行う場として、二つの統合小学校それぞれに「開校準備委員会」を設置し、現在は校歌・校章について協議を進めているところであります。

 令和6年度は、さらに「専門部会」を開催しながら、通学方法をはじめとした、開校に向けた具体的な協議を進めるとともに、閉校となる学校の跡地利用についても、地域の意見を伺いながら検討してまいります。

 さらに、令和6年度はいよいよ本荘東小学校の建設工事に着手いたします。令和4年から行ってきた実施設計も終盤を迎え、間もなく新しい学校の姿が具現化されようとしております。今後も引き続き、令和8年春の開校に向け、ハード、ソフトの両面において、計画的に事業を進めてまいります。

 次に学校教育につきましては、「人間性豊かで進取の気性に富む、たくましい子どもの育成」を目標に掲げ、子ども一人一人に寄り添い、支え、つなぎながら、市内約4,400名の児童生徒の「確かな学力」「思いやりのある豊かな心」「健やかな体」の育成に努めてまいります。

 日々変化しているこれからの時代を生きていく子どもたちには、「自らの人生を自らの力で切り開き、一人一人の可能性をさらに伸ばすことができる支援策」が必要です。令和6年度も、これまで取り組んでいる「ICTを活用した教育」を、重点施策としてさらに進めてまいります。

 そして、児童生徒が自己調整しながら学習を進める「個別最適な学び」と、多様な他者と協働しながら、その他者を価値のある存在として尊重し、持続可能な社会の創り手となるための「協働的な学び」の一体的な充実を図るとともに、「学習の見通しをもち、他者と関わりながら、自ら課題を見つけ、考えを深めていく子ども」の育成を目指し、「主体的・対話的で深い学びの実現」に向けた「授業改善」を一層推進してまいります。

 特に、児童生徒一人一台のタブレット端末の活用については、引き続き、教職員向け研修会などで活用に向けた演習や情報共有を行い、具体的な取組の提案を進めているところであります。今後もタブレット端末のさまざまな授業での活用、持ち帰りによる家庭での活用を通し、「学びの充実や学びの継続」について研究を進め、各教科の「学習のねらい」を達成できるよう、より一層効果的な実践を積み重ねてまいります。

 併せて、ICT教育の推進につきましては、県立大学や産学共同研究センターとの「産学官連携」による「由利本荘市独自の教育モデル」として、「ゆりほんICT子どもの学びアップデートプラン」を段階的に進めているところでありますが、令和6年度は、さらに運用面での充実を図ってまいります。

 具体的には、県立大学生のICT支援員としての市内各小・中学校への派遣をはじめ、県立大学やベンチャー企業と連携した「プログラミング講座」や「3Dプリンター創作講座」、タイピング技術の向上支援のための「タイピング競技会」、「学校ホームページを利用した学校行事や学習成果の発信」、「デジタル作品展示」などを実施し、児童生徒や教員のICTのさらなるスキルアップを図り、「情報を処理・活用・発信する力」を育んでまいります。

 また、文部科学省が後援する「学校情報化優良校」の認定については、令和5年度は自己評価、意識向上の年としてまいりましたので、令和6年度は1校でも多くの学校が認定を受けられるよう、ICT教育環境の整備と教職員の活用技術の向上を図ってまいります。

 さらに、令和6年度も引き続き、「全小・中学校コミュニティ・スクールのまち」として、学校、保護者、地域、行政等の連携を強め、各地域の特色を踏まえながら、「地域力を活かした学校づくり」と「学校力を活かした地域づくり」を推進してまいります。

 そして、地域のよさに気付き、地域の課題に目を向け、地域の未来を考える、創造性に富み、感性豊かな子どもを育むため、ふるさとの歴史や文化、自然、産業等について体験的に学ぶ場を重視するとともに、自らの学びに自信と誇りをもち、積極的に発信する活動を奨励するなど、「ふるさと教育」と「キャリア教育」の一層の充実を図ってまいります。

 生徒指導につきましては、各校において、多様性を認め、寄り添い合う、温かい人間関係に支えられた学校生活を送ることができるよう、「居場所づくり、絆づくり」に努めます。

 学校生活アンケート等により児童生徒の実態把握に努め、「組織によるいじめ問題への対応」や、「不登校の未然防止及び早期解消」に力を注ぐとともに、関係機関との一層の連携強化を進め、思いやりの心や自己肯定感の醸成を図りながら、児童生徒の自己実現に向けた支援に取り組んでまいります。

 小・中学校の就学や進学等に際しても、相談活動を充実させ、切れ目ない支援の引き継ぎが円滑にできるように、引き続き就学支援員と学校間連携コーディネーターを配置するとともに、児童生徒の実態や実情を十分に考慮したうえで、学校生活サポートを適切に配置し、支援の充実に努めてまいります。

 教職員の「働き方改革」につきましては、出退勤時間の見える化を図るため、市内各校に「二次元コードリーダー」を設置して時間外勤務の改善に努めるとともに、「プリペイド携帯電話」を導入して、休日夜間の保護者からの連絡を管理職に一元化する取組を行いました。今後も勤務の在り方を多角的に見直し、時間外勤務の改善や、学級担任の負担軽減を図ってまいります。

 部活動の地域移行に向けた取組につきましては、県が示した推進計画を基に、令和5年度に設置した「部活動地域移行推進協議会」の協議のもと、「部活動地域移行支援コーディネーター」が中心となって、関係機関・団体との協議や調査等を進め、「生徒にとって望ましい地域スポーツ及び文化活動の在り方」について検討してまいります。また、現在配置している「中学校部活動指導員」につきましても、引き続き配置し、改革の着実な推進に向けて取り組んでまいります。

 また、現在、学校現場では特別な支援を要する児童生徒や不登校傾向にある児童生徒の増加のほか、学校が抱える課題が多様化してきております。そこで、令和5年度に開設いたしました「由利本荘市教育支援センター」における支援の一層の充実を図り、児童生徒や保護者、学校職員のニーズに応じた多面的・包括的な支援を柔軟に行ってまいります。

 次に、生涯学習・社会教育の推進につきましては、令和2年度に策定した『第4次生涯学習推進・社会教育中期計画』が最終年度となるに当たり、「市政や地域課題を学習する場の提供」や「自発的で自主的な学習活動への支援」、「デジタル化など社会の変化に対応した学習」など、この5年間での施策の検証や評価等を踏まえた次期計画を策定いたします。

 「宅配講座」や各種講座等については、市ホームページ等での積極的な情報発信に引き続き努めるとともに、生涯学習奨励員等との連携による「学習の場」を開設し、学習成果を地域で活かす取組や、地域を越えて関係機関と連携・協力し、多様な個性に対応する環境を整備し、誰でも自分に合った学びを選択できるような取組を進めてまいります。

 また、令和5年度は六郷氏、岩城氏、打越氏の由利本荘市入部400年を記念して、三氏に関連する企画展や、本荘城下・石脇地区への「まちあるき説明板」の設置、それを活用したまちあるき体験講座など、多様な事業を実施いたしました。令和6年度は、「401年目」の新たなスタートの年ととらえ、あらためてふるさとの自然や歴史、文化を見つめ、「学び・楽しむ」機会を通じて、少子化、高齢化などの地域課題、環境・エネルギー等の現代におけるさまざまな問題への関心や意識を高めるための学習内容の一層の充実を図り、郷土愛の醸成に取り組んでまいります。

 さらに、地域全体で学校を支え、子どもたちの学びや成長を支えていくため、地域住民や団体と学校が連携・協働し、学校行事など教育活動を支援する「協働活動」や、放課後の子どもたちの安心・安全な居場所づくりを行う「放課後子ども教室」、子どもたちの基礎学力の定着や学ぶ喜びを醸成する学習支援の場「地域未来塾」などの「地域学校協働活動」を進め、コミュニティ・スクールの大きな柱として取り組んでまいります。

 「二十歳を祝う会」につきましては、引き続き対象者の代表で構成する「実行委員会」を組織し、実行委員会が主体となって企画し、令和7年1月12日の開催に向けて準備を進めてまいります。

 次に、読書活動の推進につきましては、中央図書館を核に、各地域図書館・公民館図書室が、図書館システムネットワークを活用して、市民のニーズと地域の課題解決にふさわしい資料を選定し提供してまいります。併せて、図書館に足を運ぶことが難しい、病院や福祉施設などの方々に図書を届ける「移動図書館・移動文庫」の継続や、令和5年度から実施しておりますマイナンバーカードを活用した図書の貸出など、多様な取組を導入しながら、すべての年代を対象として市民サービスのさらなる向上に努めてまいります。

 「図書館を使った調べる学習コンクール」につきましては、平成30年より「佐藤憲一顕彰教育支援基金」を活用して取り組んでいるものであり、市内各学校や各種団体などの協力をいただきながら令和6年度も実施し、図書館の資料を活用した市民の学習意欲の向上に努めてまいります。

 また、学校図書館との連携につきましては、授業の補助や、児童・生徒のリクエストなど、学校の要望に応じた図書館の資料の貸し出しや学校図書館の環境整備など、学校との日常的な連携や支援等により、児童・生徒の読書の意欲向上に努めてまいります。

 特に、令和6年に工事が完了する新山小学校、矢島小学校両校の学校図書館の整備につきましては、新しい学校図書館の運用全般に関して、計画から実行まで学校司書と密に連携を図りながら取り組んでまいります。

 さらに、「高橋宏幸賞感想文・感想画コンクール」につきましても、引き続き開催し、子どもたちの読書意欲の向上と想像力を育み、感性豊かな子どもの育成に努めてまいります。

 次に、文化財保護につきましては、国史跡「鳥海山」の魅力発信、国の重要文化財「土田家住宅」をはじめとする指定・登録の建造物や歴史資料等の文化財の管理・修繕・調査などを行いながら保存・活用に努めるとともに、将来にわたり遺すべき歴史・文化・自然遺産の新たな指定や登録を視野に入れた調査を進めてまいります。

 無形民俗文化財につきましても、民俗芸能伝承館「まいーれ」を中心に民俗芸能の公開や、保存伝承活動の支援を行いながら、ふるさと愛の醸成や地域活性化につながるよう、小・中学生をはじめとする、継承意欲のある若者の育成に努めてまいります。

 郷土資料館及び美術館につきましては、今後も引き続き専門家の指導を受けながら貴重な収蔵資料の保存管理に努めるとともに、企画展を開催し、広く郷土の歴史と文化を紹介してまいります。

 併せて、本荘郷土資料館の老朽化と将来を見据え、新たな歴史文化拠点施設設置に向けた検討を引き続き行い、本市にふさわしい歴史文化の展示収蔵施設について、調査・研究を進めてまいります。

 以上、市長部局とも連携を図りながら、さまざまな施策を展開し、生涯にわたって学び成長する喜びを実感できる、さまざまな機会を提供するとともに、新たな活動の場を創出し、本市教育の基本目標である「ふるさと愛に満ち創造性あふれるひとづくり」に努めてまいります。

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