2.若者衆の宵宮
 若者衆は宵宮の朝から神楽太鼓の飾り付けや、山車への人形やバック・酒樽などの飾り付けをする。今年は雨が予想されるので屋根の取り付けなどの苦労も加わった。御紋付灯籠やほうづき灯籠は保管箱から取り出してそれぞれ竿に取り付ける。準備が終わると各町獅子頭を持って家々をお祓いして回り、終ると獅子頭を神楽台の御厨子に安置し、準備万端整った所で各係の任務やその持物を確認する。宵宮の各係は町内よって幾らか違いはあるがおおよそ次の係がある。
 総指揮者・副指揮者・連絡係(共に腕章を付け総指揮者は長提灯を持つ)・梶棒・大太鼓・小太鼓・笛・神楽警護・灯籠ロウソク係・灯籠持ち(御紋付・ほうづき)・田楽灯籠(小若)係・賄い係・別当などである。
 身仕度を整え出陣式を行い、駅前神楽集合の午後六時半に間に合うよう出発する。
駅前に神楽集合 駅前を出発
 六丁そろったとろで午後6時35分、七日町神楽前で六丁若者連絡会を開き、順番や事故防止の指示などがなされ、午後6時50分駅前を出発、笛と太鼓の賑やかな神楽麟子で舘町を通り、水上から神明社へと「お迎え灯籠」は進む。
 充電機を取り付けて飾り付けた神楽台は重く、各町内共七尺位いの丸人か、太い竹の棒を二本神楽台の下に差し入れ、台を持ち上げるようにして御神坂を登り神明社へ到着は7時半、祭式は終りに近付いている。
 舘町青年会の夜神楽の奉納が終り、祭式が終了すると神輿お下りの準備に入る。
 当番丁の行列係が行列の配役を読み上げる。各配役はそれぞれ持ち物を持って順番に行列をつくる。当番丁の行列係の号令で行列は出発する。
 七五三太鼓の音が辺りにこだまし、それに続いて神楽太鼓がにぎやかに出発する。水上・新丁・昨年当番町の田中町・その前の当番丁舘町・次年度当番域新・本年度当番七日町の順に神楽灘子の笛太鼓のにぎやかな音が夜空にこだまし、田楽灯籠をかかげる小若衆の「エーエーオー」の歓声が宵宮を一層盛り上げてくれる。その後お託宣の担ぐ神輿が「ヨーサヨー、ヨーサヨー」と何やら厳かなかけ声を掛け合い、鈴を鳴して通る。道順は水上・田中町・七日町・観音通りから新丁に入り御旅所の宇賀神社に到着、神輿が社殿にお入りになるのを待って若者衆の神楽太鼓は出発点の駅前に戻る。
若者神楽太鼓の列
 駅前に集合した各丁の神楽太鼓は、午後9時40分観光協会長の挨拶の後、お下りの順序水上若衆から「もどり太鼓」各三回打ちならし競演会を行なう。
 競演会が終了すると各々「もどり太鼓」で各丁内に帰り、神楽台より獅子頭や太鼓、幕など取り外し後片、づけをして、宵宮の直会をして解散する。

神楽太鼓共演会

 

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