第二節 八朔祭の実際 |
1.神明社祭典宵宮 |
宵宮は9月の第二土曜に執行される。本年は9月9日で、早朝5時半大当番町七日町の役員によって神殿内の清掃や飾り幕の取り付けや、灯籠の飾り付けを行い、行列にする諸道具の準備をする。外では小雨の中幟立に苦労する。 |
宮司さんは家でお供えの準備をし三方に載せて供物をととのえる。 |
拝殿内の装飾 | 境内 | 幟立 |
各丁内氏了代表たちは、夕方になれば、それぞれ家々で裃の服装に着替え、草履か下駄に履きかえて、祭典執行30分前にぞくぞく社殿に集合する。この頃になると一般の参拝者も続ぎ続ぎと参詣し、神妙に御神酒をいただく参拝者も多くなる。 |
裃姿で集合 | 獅子講中到着 | 一般参詣者 |
宵宮の祭式は午後6時半に開始されるので、社殿にはその30分前に集合各々定位置につく。神殿に向って幣殿左側には井岡宮司・矢越禰宜・正木・矢越忠両祭員が座し、向い右側には大当番七日町氏子責任人総代佐藤久弥、次年度当番城新氏子責任総代人井永吉、次々年度当番舘町氏子責任総代岸田安之助、昨年当番田中町氏子責任総代須貝忠平の各氏が横列に座る。席順はひとつづつ移動するのが仕来たりのようである。 |
一段下の拝殿左側には、大当番氏子総代藤田嘉樹、次当番城新氏子総代佐藤一男、次々当番舘町氏子総代三浦省、昨年当番田中町氏子総代赤川祐一の各氏が並び、この席順も年毎に移動し、その並びに水上氏子総代北島保雄、新丁氏子総代村上進一の両氏が並び六丁氏子総代の席となる。その後に大当番丁、今年は七日町の氏子代表(町内役員)達が座る。舞姫は氏子総代達の前に、又奉納獅子舞講中は拝殿入口側に神殿に向って座る。 |
拝殿右側には御供する氏子達が、次年度当番、次々年度当番、昨年度当番と並び、次に水上と新丁の御供が横列に並ぶ。 |
祭式は大祭式(例祭)に準じて行なわれる。 | |
井岡宮司以下祭員3名は別室にて装束を整え、拝殿入口左方に設けられた手水所に於て手水の儀を行ない、身を清め幣殿所定の位置に着座す。 | |
午後6時半、先ず正木祭員号鼓 | |
次に祓主矢越禰宜、幣殿正面に出て祓詞奏上 | |
次に正木祭員大麻所役出て大麻を執り | |
神殿・宮司以下祭員・四丁責任総代・各丁氏丁総代・同御供・一般参拝者の順に祓う。 | |
大麻所役に続いて矢越忠塩湯所役塩湯器を執り、榊の小枝をもって同様の順に祓う。 | |
修祓の儀が終って宮司が当番丁責任総代に、神明社例祭執行の儀を告げる。 | |
ここで祭典開始に当り宮司正巾(幣殿中央神殿近く)に進み座して一拝、全員これに合せ一拝する。 | |
拝礼 | 修祓式 |
次に宮司御開扉 矢越禰宜警ひつ(オー音を三声) 一同平伏 | |
終って宮司砥侯の座(神殿階段下左)に着座 | |
次に供饌 禰宜・祭員により、神殿右下より手渡しで神前に供える。神饌九、この間奏楽 | |
次に宮司御神殿最下に進み、例祭祝詞奏上 一同平伏 | |
次に佐藤久弥当番町責任総代祭詞奏上 | |
次に舞楽 浦安の舞奉納舞姫当番丁内佐藤美幸・東海林佐織 | |
次に濁川獅子講中により奉納獅子 | |
境内にはお迎えの灯籠・神楽太鼓が到着、にぎやかになる。 | |
次に玉串を奉りて拝礼 | |
宮司以下祭員・当番丁責任総代・城新責任総代(城新氏子一同は拝殿正面に列座列 | |
拝)舘町責任総代(氏子一同は拝殿で)・田中町責任総代(氏子、一同は拝殿で)の順 | |
に幣殿に於て玉串奉箕。 | |
次に拝殿正面で立って、七日町氏子総代・城新氏子総代・舘町氏子総代・田中町氏子総 | |
代・水上氏子総代・新丁氏子総代・七日町枝丁内氏子総代五名の順で玉串奉莫 | |
次に禰宜、祭員に依り撤饌 この間奏楽 | |
撤饌の間、向拝前参道で、舘町青年会により夜神楽奉納 | |
次に神霊を神輿に遷し奉り、宮司発輿祝詞奉上、この間、太鼓・警ひつ・平伏・消燈。 | |
次に威儀物を各所役に授け、御神幸準備。 | |
祭式の途中頃には、若者衆の神楽太鼓も社殿に到着しにぎやかになる。祭式が終了する頃、舘町青年会(若者衆)の神楽台が神社正面に引き出され、厳かな響きの「夜神楽」が奉納される。その奉納夜神楽は舘町青年会独特のもので、いつ頃から演奏されたものかも定かでない。 |
奉納夜神楽が終ると愈々「お下り」、大当番丁の行列係が各丁割当によって作製された宵宮行列帳にもと、づき、「御紋付御旗」「赤御旗」や「御榊」などと行列の順序に呼び上げ、他の町内行列係はこれに協力して行列体制を整える。御託宣の方々は拝殿より神輿を持ち出し担いで坂を下る準備をする。 |
境内で「お下り」の準備の整った午後8時、七五三太鼓の音の合図で神輿が神明社より、水上・田中町・七日町・観音通り・新丁と通って御旅所の宇賀神杜(弁天様)まで御くねり(行列)をする。 |