28年度施政方針

【平成28年第1回市議会定例会(H28.2.17開催)より】


 本日、第1回市議会定例会において平成28年度予算案をはじめ諸議案のご審議をお願いするにあたり、議員各位に敬意を表しながら、市政運営にあたっての施策の概要を述べさせていただき、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
  本市は、由利本荘市誕生から10年を迎えた昨年3月、第2ステージとなる次の10年を見据えた、市総合計画「新創造ビジョン」を策定いたしました。「人口減少に歯止めをかけること」を最重要課題とし、その戦略方針として「国内外から人と財が集まる地域価値(由利本荘ブランド)を創造する」ことを掲げました。平成28年度は各施策が本格化する2年目にあたり、また、私が市政を担わせていただく2期目の最終年であり、市民皆様の信頼と期待に応えながら「力強く躍進する由利本荘市」を全力でつくりあげて参ります。 
 さて、我が国の経済情勢ですが、長引くデフレからの早期脱却と日本経済の再生に向け、金融政策、財政政策、民間投資を喚起する経済政策の効果が徐々に現れ、景気は緩やかな回復基調を示しております。こうした中、中国経済を始めとするアジア新興国経済の減速の影響などにより、企業の設備投資や個人の消費支出には回復に遅れがみられております。
  また、県内経済は、27年前半まで電子部品・デバイス製造業において、スマートフォンや車載向け部品が好調なことから、緩やかな回復が続いておりましたが、年後半になり持ち直しの動きが足踏みしております。一方、雇用情勢は全国的に良好に推移しており、直近の有効求人倍率は県全体で1.08倍、ハローワーク本荘管内で0.84倍と、改善傾向にあった過去12ヶ月の中でいずれも一番高い数値であります。来春卒業予定の高校生の就職内定率も、12月末で求人倍率2.25倍、内定率が95.8パーセントと好調に推移しており、徐々に明るい兆しが見えてきました。
  政府は、本年「ニッポン1億総活躍プラン」を取りまとめるとしており、この中で強い経済によりGDPを押し上げ、その「成長」から、「分配」を続けることで、「介護離職ゼロ」、「希望出生率1.8」を目指し、さらに2020年頃を目標に「戦後最大のGDP600兆円」を達成するという、新しい「3本の矢」を掲げました。
  こうした中、昨年11月に「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」いわゆる「緊急対策」を取りまとめました。この「一億総活躍社会」や、TPP対策等を盛り込んだ総額3.3兆円の平成27年度補正予算が、今通常国会に提出され1月に可決されました。これを受けて、本市においても総合戦略に基づき、地方創生加速化交付金や、TPP政策大綱実現に向けた施策事業の交付申請をしており、交付決定の見通しがついた折りには、平成27年度内の予算措置が必要なことから、改めて議会にご提案いたしますので、ご理解をお願いいたします。
  さて、本市に目を向けますと、日本海沿岸東北自動車道につきましては、秋田・山形及び山形・新潟の県境区間が事業化されたことから、全線開通の見通しがつき、その中で昨年10月、象潟仁賀保道路の象潟・金浦間が開通いたしました。
  日沿道は、新潟、山形、秋田を繋ぎ青森に至る日本海側の大動脈であります。圏域の産業や観光の活性化、救急医療活動の迅速化、さらには、災害時に国道7号の代替路となることで広域迂回の解消を図るなど、大きな役割を担う最重要路線であり、早期全線開通に向け、今後とも関係機関へ強く働きかけて参ります。
  また、「鳥海ダム」につきましては、昨年4月にこれまでの調査事務所から、工事事務所へ格上げとなり、用地測量や建物調査などが実施され、工事に向けた動きが大きく前進いたしました。長年に渡り、地元を始めとする官民あげた関係者の熱心な要望活動が、実を結んだものであり、当ダムの早期完成に向け、関係機関に強く働きかけて参ります。
  さらに、本荘地域大簗地区における国道107号の改良につきましては、これまでも国、県に対し早期の事業化を要望して参りましたが、28年度、仮称ではありますが「大簗地区整備促進協議会」を設立し、整備促進体制を整えたうえで、当地区の道路環境改善に向け、関係機関に強力に働きかけて参ります。
 

  それでは、平成28年度の予算案及び重点施策の概要について申し上げます。次の8点に重点を置き施策を実施して参ります。
  1点目は「総合防災公園整備事業」であります。
  総合防災公園整備事業につきましては、平成26年度、防災公園事業として国の支援を受け、用地取得、地質調査、実施設計などを進めて参りました。昨年12月、総合防災公園アリーナ棟の建築工事に着工し、平成30年6月の完成を目指しております。
 新年度は、杭工事、基礎工事、躯体工事などを予定しております。 また、施設の管理運営計画の策定と、これに基づいた指定管理業務の仕様書等を策定すると共に、スポーツ大会・合宿やイベントを誘致する官民一体の組織、「由利本荘市スポーツ・ヘルスコミッション」を設立し、施設完成後の利用促進に結びつける活動に取り組んで参ります。
 管理運営の基本を「スポーツ振興」「健康増進」「防災」「地域コミュニティ」「地域経済活性化」の5つの機能とし、策定を進めると共に、特に「スポーツ振興」につきましては、本年10月10日に「スポーツ立市宣言」を予定しており、同時期までに策定する本市「スポーツ振興計画」に、当アリーナの位置づけを明確にいたします。

 
 2点目は「総合戦略と財政」であります。
  平成27年3月に策定した本市の総合計画「新創造ビジョン」を基に、昨年11月、「由利本荘市人口ビジョン及び総合戦略」を策定いたしました。この総合戦略では、まちの将来像を実現するための、まちづくりの基本目標として
  「産業集積の強靱化と雇用創出」
  「子どもを産み育てやすい環境の創造」
  「生きがいあふれる健康長寿社会の形成」
  「ふるさと愛の醸成と地域コミュニティの再生」
  の4つの柱を定めており、重層的に施策を展開することにより、人口減少社会、少子高齢化等の課題解決を目指して参ります。
  また、施策ごとに重要業績評価指標を設け、計画、実行、評価、改善のPDCAサイクルにより進行を管理いたします。
  財政につきましては、新年度予算における普通交付税は、地方財政計画の前年度比0.3パーセント減少分と、合併算定替えの逓減分や、国勢調査の人口減少分などを考慮し、総額で約169億4千万円、臨時財政対策債との合計では、約182億9千万円と見込んでおります。
 また、歳入の根幹である市税は、軽自動車税が、税率改正や台数の増加に伴い伸びたものの、市民税は、人口減少による減額、固定資産税は、土地や家屋の評価替えにより減額になるなど、依然として厳しい状況にあります。
 歳出面では、「新創造ビジョン」や「総合戦略」に基づき、雇用対策や、子育て支援の充実をはじめとする人口減少対策などに国の補助金、交付金などを活用しながら、地域の特性を活かしたメリハリのある予算編成としたところであります。
 今後は、合併算定替えの逓減がさらに進むことから、財源の減少を見据え、持続可能な財政構造を確立していくため、行財政改革の取り組みと共に、議会や市民の皆様のご理解をいただきながら、公共施設等総合管理計画の策定を進めて参ります。


 3点目は「移住定住と地域ブランド形成」であります。
 昨年、私は直属の組織として「由利本荘まるごと営業本部」を設置し、「仕事づくり課」と「まるごと売り込み課」を配置し、移住定住の促進や地域ブランド・特産品の販路拡大を強力に推進して参りました。中でも特に移住・定住につきましては、これまでに9世帯15人が本市に移住を決めたほか、また、「住みたい田舎」ベストランキングにおいて、「60歳以上のシニア世代が暮らしやすい田舎部門」全国第2位となり、本市の先駆的な取り組みが高く評価されたものと考えております。
  28年度におきましては、秋田県立大学との連携により「地域の人を紹介するPR動画」を作成すると共に、「移住まるごとミーティング」を首都圏、仙台圏に加え、新たに中部圏で開催し、情報発信や相談対応のさらなる充実を図りながら「無料職業紹介所の運営」や「定住促進奨励金の交付」などにより、仕事探しや移住初期の暮らしを支援して参ります。
 また、学卒者の地元就職促進対策では、「高校生就職サポートセミナー」の開催などを通じ、地元就職をサポートすると共に、「転出者情報提供サービス」により、将来のUターンにつながるようネットワークの構築を推進いたします。
 さらに、地域資源を活かした移住者による起業・創業と雇用創造協議会の運営を支援し、新しい仕事づくりに取り組んで参ります。
  「まるごと売り込み」では、地域ブランドの形成にあたり、首都圏での市産品販売力強化のため、昨年5月に千葉県の株式会社京北スーパーと締結した「由利本荘まるごと売り込み連携協定」に基づき、まるごとフェアにおいて農産物、加工品、特産品、さらには観光やふるさと納税などのPRに努めると共に、バイヤーを招聘し「売れる商品」の発掘と磨き上げに努め、地域ブランドとしての定番商品化、プライベート商品化を目指します。
 併せて、出荷体制確立支援員を配置し、農林水産物を平地から高原まで生産できる、スケールメリットを活かしたリレー出荷の体制を構築すると共に、販路拡大を目指す首都圏への輸送コストや品質保持を含めた、流通体制の整備を図ります。
 さらに由利本荘ブランドの創造に向け、昨年、JA秋田しんせいや商工会、道の駅、直売所などと設立した「由利本荘まるごと売り込み検討委員会」を「由利本荘まるごと売り込み推進協議会」に格上げし、首都圏への販路拡大や、市内での流通拡大に向けた、オール由利本荘の体制整備を図って参ります。

 
 4点目は「産業・観光振興と雇用確保」であります。
 工業振興につきましては、地域企業の成長発展が地域経済を活性化する原動力であります。引き続き、「工場等立地促進条例」や、「地域特性を活かした産業振興と中小企業の育成に関する条例」などにより、企業誘致や新たな産業の創出を促進し、地域産業の振興と雇用確保を図って参ります。
 また、「第2次由利本荘市工業振興ビジョン」を基本に「地域企業活性化事業」による、ものづくり分野における人材育成研修支援や、従業員の語学研修支援を実施いたします。
 さらに、若年女性の流出抑制に向け、企業等による研修会や事業主と若年女性の意見交換会などの女性応援のための事業を支援し、雇用の確保や、地元定着を図って参ります。
 このほか、「中小企業融資斡旋資金事業」による設備投資の資金供給支援を継続し、事業者の更なる経営を支援いたします。
 商業振興につきましては、由利本荘市商工会と連携し、既存商店の改装費一部を支援する「小規模商業振興事業」を継続し、さらに、これまでの空き店舗の活用事業を拡充強化した、「創業支援補助金」により、支援機関との連携も強化しながら起業・創業の促進に取り組みます。
 雇用対策につきましては、引き続き「就業資格取得支援助成事業」による求職者への就職支援を実施いたします。
 観光振興についてでありますが、本市は「鳥海山」から「日本海」に至る豊かな自然や、番楽をはじめとする民俗文化など豊富な観光資源に恵まれており、また、カダーレや道の駅、八塩いこいの森、由利高原鉄道の駅など、人が集まり、にぎわいを創出できる施設も多いことから、これらの魅力ある資源を来訪者に一元的に発信することで、観光地としての魅力の向上を図りながら誘客を拡大し、地域の産業と経済の活性化に結びつけて参ります。
 平成26年度から取り組んでおります、「あきた未来づくりプロジェクト」では、『鳥海山を核とした広域観光振興』を目指し、県並びに、にかほ市と連携して観光地「鳥海エリア」を一体的に構築するため、「観光スポットの魅力の向上」、「観光案内拠点施設の整備」、「二次アクセスの構築」、「観光情報の発信」を柱に事業を推進いたします。
 さらに、本市、にかほ市、酒田市、遊佐町で構成する「鳥海山・飛島ジオパーク構想推進協議会」では、今年9月の日本ジオパーク認定を目指しており、当該地域との連携を強化し、鳥海山の知名度や、観光地としての認知度の向上に努め、当エリアへの誘客を図ると共に、地域の特産品や文化を活用した体験型ツアーの形成により滞在型観光を推進し、収益の向上に努めます。
 訪日観光につきましては、誘客実績が順調に伸びている「台湾」や、今後、誘客に期待が持てる「タイ王国」で「トップセールス」を行うなど、海外からの誘客活動を積極的に展開して参ります。
  また、NHK大河ドラマ「真田丸」の放送を機に、全国の18市町村で組織する「真田街道推進機構」によるスタンプラリーや、宮城県白石市並びに蔵王町と設立した「みちのく真田ゆかりの地観光推進協議会」によるPR活動を県内外で展開し、本市を積極的に売り込みながら観光誘客の促進と併せ、「御田の方」にちなんだ商品開発に取り組んで参ります。
 農林水産業につきましては、昨年10月のTPP大筋合意により、重要5項目のうち約3割の品目で関税が撤廃され、米の輸入枠が拡大されたほか、牛肉等については、段階的ながらも大幅に関税が引き下げられることとなります。
 国は、関税削減による長期的な影響が懸念される中、農林漁業者の将来への不安を払拭し、経営発展に向けた投資意欲を後押しすると共に、TPP協定発効後の経営安定に万全を期すため、生産コスト削減や収益性向上のための対策を講ずるとしております。
  本市といたしましては、国、県の施策を積極的に活用し、本市農業の維持・発展に努めると共に、農家の皆様が意欲を持って再生産を持続し、安定した農業経営に取り組めるよう支援して参ります。
 農業振興につきましては、米の産地間競争が激化している中、由利本荘米のブランド力向上のため、減農薬栽培あきたエコライスと、土づくり実証米を組み合わせた、「安全・安心かつ良食味米生産への助成」、並びに新品種「つぶぞろいの種子購入助成」など、高品質なブランド米生産への取り組みを支援すると共に、農地中間管理事業による農地の利用集積を推進し、農用地利用の効率化に努めます。
 また、コメ依存からの脱却に向け、野菜や花卉の産出額を飛躍的に向上させるため、農事組合法人平根ファームが、昨年度から整備している「園芸メガ団地事業の支援」を継続し、地域特性を活かした「鳥海りんどう」、「アスパラガス」などの振興作物の産地づくりを推進いたします。
 本市中山間地の貴重な資源である山菜については、首都圏企業や地元団体との連携により、産地証明や品質規格の設定を行い「山菜ビジネス」の拡大を図って参ります。
 畜産につきましては、「秋田由利牛繁殖素牛増頭計画」の実施により、畜産農家が安心して営農の継続や規模拡大が可能となるよう、国や県の事業を活用し、畜舎の増改築や優良な肥育素牛の導入などを支援して参ります。秋田由利牛につきましては、「秋田由利牛ブランド確立事業・増頭5カ年計画」により、取扱店確保などの流通販売対策や、小学校給食への食材提供、各種イベントの参加など、消費拡大対策を積極的に実施し、さらなる秋田由利牛ブランド力の強化に取り組みます。
 農業生産基盤整備につきましては、本荘地域松ヶ崎地区での県営ほ場整備事業採択に向けた調査計画事業をはじめ、各種の補助事業を活用し、ため池、用排水路、暗渠排水の整備を図るほか、国の日本型直接支払制度により農家の共同活動を支援いたします。
 林業につきましては、民有林造林促進事業等により、森林の持つ公益的機能が維持されるよう支援すると共に、木材活用を図る木質チップ製造機械の購入を支援し、林家所得の向上を図ります。
 また、ともしび基金を活用し、子どもの遊び場の創出や、地元産の木を活用した製品開発による雇用の確保など、「地域資源の木材を使った新しい産業の育成」に着手いたします。
 水産業につきましては、水産物供給基盤機能保全事業を活用し漁港のインフラ整備を図ると共に、漁業者と一体となって水産資源の活用に取り組みます。


  5点目は「消防・防災」であります。
  近年、全国各地で異常気象による想定を超える災害や火山の噴火、地震など自然災害が多発しております。
 このような状況に対応するため、避難勧告等の告知及びJアラートの緊急放送等の情報伝達手段として、同報系防災行政無線システムを2カ年で整備しており、これにより、全市一斉に瞬時の情報伝達が可能となり、市民の安全・安心のために活用して参ります。
 また、市民一人一人のさらなる防災意識高揚を図るために、各自主防災組織と密接に関わり、認識を共有しながら活動を支援し、「災害に強いまちづくり」を目指します。
 地域の防災拠点である消防分署の整備につきましては、西目分署の建設工事に着手すると共に、大内分署の実施設計を進めます。
 さらに、消防車両の更新や、消防団員への安全装備品の配備のほか、耐震性貯水槽の整備、消防格納庫の更新など、施設や装備の充実強化を図って参ります。


 6点目は「教育・文化・健康福祉」であります。
  教育につきましては、昨年4月から改正された「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」により義務づけられた「総合教育会議」の開催や11月に策定、公表した「教育に関する大綱」に基づき、これまで以上に教育委員会との連携を密にし、新創造ビジョン基本計画の柱の一つである「ふるさと愛を育む次代の人づくり」に向け、教育行政の推進に努めて参ります。
  具体的な施策につきましては、この後、教育長の教育方針で述べますので、よろしくお願いいたします。
 健康福祉につきましては、「健康由利本荘21計画」に基づき、各種健診受診率の向上を図ると共に、生活習慣病の予防・改善効果が実証されているインターバル速歩の普及拡大とあわせ、市民の継続的な健康づくりの拠点となる「健康の駅」の構築を目指します。
 母子保健関係では、妊婦や乳幼児健診、5歳児健康相談、不妊治療費助成やロタ、成人風しん予防接種などの事業継続に加え、フッ化物冼口事業の更なる拡大に取り組み、新たに予定日超過の妊婦に対する健診助成を追加し、子どもを産み育てやすい環境の一層の整備を図ります。
 食生活改善事業では、各地域の乳幼児健診や特定検診事業における栄養教室と栄養指導を行い、市民の健康管理と食育を進めて参ります。
 地域医療につきましては、医師確保奨学資金貸付制度及び医師研修資金貸付制度により、医師確保・定着に努めるほか、地域の中核病院であります由利組合総合病院の充実を支援すると共に、市営診療所と巡回診療を維持しながら、市民の医療を受ける機会と安心の確保に努めます。                  
 子育て支援につきましては、「安心して子どもを産み、育てられる環境づくり」のため、第3子が生まれた場合、第2子以降の保育料を無料にする拡充措置や、子育て支援金の支給など、子育て世帯の経済的負担の軽減に努めます。
  また、本市における子育て応援社会のための基本プランであります「子ども・子育て支援事業計画」に基づく各種施策を推進すると共に、「保育所・幼稚園・学校・地域・関係機関」との連携をさらに強化し、子どもを取り巻く様々な課題に対応して参ります。
 公立保育園につきましては、28年度に本市主導で社会福祉法人を設立し、29年度以降の民営化を目指します。
 高齢者福祉につきましては、高齢者の生きがい支援、家族介護支援、介護予防支援、生活支援の充実を図ると共に、地域包括ケアシステムの中核的な機関に位置づけられている「地域包括支援センター」について、基幹型と中央ブロックを設置し、高齢者から寄せられる様々な相談に、きめ細かく対応できる総合相談体制を強化いたします。
 また、高齢者の社会参加促進や健康増進、介護予防、生きがいづくりに役立てていただくための、「介護支援ボランティア制度」を導入するほか、住民が主体となって高齢者を地域で支え合う仕組みづくりを推進するために「地域支え合い推進員」を配置し、自助・互助を基本とした生活支援・介護予防サービスの創出に取り組みます。
 さらに、増加が見込まれる認知症高齢者とその家族を、地域全体で支えるための広報・啓発に努めるほか、サポーター養成講座の開催や「認知症初期集中支援チーム」を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築いたします。
 障がい者福祉につきましては、基幹相談支援センターを中核に相談支援業務のさらなる強化を図り、障がいを持つ方が地域において自立した日常生活及び社会生活を営むことができるよう、福祉サービスの充実を図ります。
 生活困窮者支援につきましては、生活支援相談センターと密接に連携を図り、必要な情報提供や助言を行い、生活困窮者の早期把握や、見守りのための地域ネットワークを構築し、経済的、社会的自立を支援いたします。


 7点目は「社会資本整備・環境」であります。
  社会資本整備につきましては、高度成長期以降に整備されたインフラの老朽化に対し、市民の安全・安心の確保を図るため、長寿命化修繕計画に基づき、管内道路橋の点検を実施し、橋梁の健全度を把握して参ります。
 また、各地域の市道改良整備や、道路維持補修を鋭意実施すると共に、市道除雪計画に基づき各地域の実情に配慮した除雪作業を実施し、冬季交通の確保に万全を期します。
 さらに、年内を目処に「総合的な雪対策」を策定し、冬期間における、本市の快適で安全・安心な生活環境の改善、維持を図って参ります。
  都市計画における羽後本荘駅周辺の整備につきましては、JRや関係機関と協議を重ねながら基本計画の策定を進めており、28年度は、国の補助事業採択を受け、東西自由通路の設計や、駅前広場の測量を実施して参ります。
 住宅リフォーム資金助成事業につきましては、これまでの助成制度に加えて新たに、子育て世帯が居住する住宅、及び、定住促進奨励金制度を活用して移住してきた世帯が居住する持ち家のリフォームに対し、さらに手厚い助成を行います。
 これら世帯の経済的負担を軽減することで、地域定住や移住・転入の促進に繋げて参ります。
 水道事業につきましては、「由利本荘市水道事業第1次施設整備計画」に基づき、3カ年の継続事業である蟻山浄水場改良工事を実施するほか、本荘・鳥海地域の老朽管更新事業を推進し、安全・安心で災害に強い水道を目指します。
 簡易水道事業につきましては、上水道事業との経営統合に向け、大内第三簡易水道・東由利簡易水道・矢島簡易水道の統合整備を継続して参ります。
 下水道事業につきましては、石脇地区の整備区域拡大を図ります。また、既存施設の長寿命化のため、水林、道川、前郷の各浄化センター設備の更新に取り組むと共に、矢島及び岩谷浄化センターの計画策定に着手いたします。
 農業集落排水事業では、東由利地域の田代・黒渕地区の整備を継続いたします。また、処理施設の機能強化については、本荘地域の内越第一地区の全体実施設計及び、小友第二地区の計画を策定するほか、由利地域の南福田地区と子吉地区との統合に向けた管路接続工事を行います。
 さらに、平成32年度から、下水道事業・集落排水事業の特別会計を公営企業会計へ移行するため、固定資産評価業務を実施いたします。 
 ガス事業につきましては、2020年までを計画年度とする経年管更新事業を推進し、ガス導管施設のさらなる安全確保に努めると共に、環境に優しいクリーンな天然ガスの利用促進を積極的に図って参ります。
 再生可能エネルギーにつきましては、恵まれた自然環境を活かし、これまで55基(87メガワット)の風力発電所が稼働しており、平成29年度には新たに27基(74メガワット)の稼働を予定しております。これにより、県内最大級の発電規模となります。
 今後も、風力のほか太陽光、小水力及び、木質バイオマスの利活用を四本柱とし、引き続き施策を実施すると共に、これらの事業に取り組む企業に対し、情報提供や助言などを積極的に行って参ります。
 空き家関連につきましては、本年3月までに策定する「空家等対策計画」に基づき、庁内の各関連部署において、横断的な連携を図り、より効果的な対策を展開いたします。
 

 最後に、8点目は「地域コミュニティの再生」であります。
 3年目に入る「町内会・自治会げんきアップ事業」につきましては、話し合いの場づくりや事例学習会、視察研修会などを通じて、地域の将来ビジョンづくりを支援すると共に、実践活動に対しては必要な情報提供のほか、「地域づくり推進事業」に、一定枠を新たに設けて支援いたします。
 制度開始から2期目となった「まちづくり協議会」につきましては、それぞれ独自にテーマを設定し、自主的学習の場を設け、まちづくりの議論を行っており、こうした取り組みを通じて「協働によるまちづくり」を推進すると共に、住民自治のあり方についても研究を継続いたします。
  地域コミュニティの醸成と活性化を図り、「市民が主役のまちづくり」を推進するためには、市政情報の共有が不可欠であります。広報紙やケーブルテレビ、ホームページなどを活用し、市の施策事業や身近な地域情報のきめ細かな発信と共有化に努め、親しみやすく、わかりやすい広報づくりに取り組みます。
 ケーブルテレビ事業におけるインターネット通信につきましては、本荘と矢島地域の高速・大容量化を図り、高度情報化社会に対応した通信環境を整備いたします。
 移動通信用鉄塔施設につきましては、大内地域の滝若林地区に整備いたします。また、携帯電話やスマートフォンの不感地域の解消に向け、基地局の整備について関係機関へ継続要望して参ります。 市民生活に直結した公共交通につきましては、「地域公共交通網形成計画」に基づき、鳥海山ろく線や、生活バス路線の維持確保、市コミュニテイバスの運行などに継続して取り組むと共に、交通弱者の足の確保と交通空白域の解消に向け、地域の実情に沿った持続可能な公共交通の実現を関係機関と連携して推進いたします。  
 市民生活におきましては、本年1月から、社会保障・税番号制度、いわゆる、「マイナンバー制度」がスタートし、希望する方への個人番号カードの交付が始まっております。
 本市では、さらなる利便性の向上を図るため、電子証明を標準搭載する個人番号カードを利用して、住民票の写し等各種証明書を全国のコンビニで交付する、「コンビニ交付サービス事業」に着手いたします。
 本事業が実現しますと、全国約4万9千のコンビニ店舗で、年末年始を除き、早朝から深夜までのサービス利用が可能となります。
 平成29年1月の運用開始に向け、より多くの市民にご利用いただけるよう、コンビニ交付事業のピーアールに努めると共に、個人番号カードの普及に取り組みます。
 また、本市では、「犯罪被害者等基本条例」を定め、犯罪の被害にあわれた方を支援しておりますが、生活の安定とその精神的負担の軽減を図ることを目的に、「由利本荘市犯罪被害者等見舞金支給条例」を新たに制定し、犯罪被害者のさらなる支援を行います。
 市民の要望やご意見に、柔軟かつ迅速に対応するためには、職員自らが常に皆様と共に汗を流し、市民感覚を大切にすることや、自己研鑽が求められており、「やねだん故郷創生塾」、「民間企業実地研修」や、技術系の「建築営繕専門研修」等への派遣などを実施し、市民から信頼される行政を目指します。


 以上、平成28年度の市政運営の基本的な考え方及び、重点施策の概要についてご説明申し上げました。
 厳しい経済情勢の中ではありますが、「市民と共に歩む市政」に全力で取り組んで参りますので、議員各位をはじめ市民の皆さまのご理解、ご支援、ご協力をお願い申し上げ、施政方針といたします。