30年度施政方針

【平成30年第1回市議会定例会(H30.2.19開催)より】


 本日、第一回市議会定例会において、平成30年度予算案をはじめ諸議案のご審議をお願いするにあたり、議員各位に敬意を表しながら、市政運営にあたっての、施策の概要を述べさせていただき、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 私はこれまで、「人口減少に歯止めをかけること」を最重要課題と捉え、各種施策を積極的に展開して参りましたが、この課題に対する決定打は無く、一朝一夕に解決できるものではありません。
 しかしながら、本市の明るい未来を築くためには、これまで取り組んできた各種施策を着実に進めることが最も重要であると考えておりますので、これからも全力で取り組んで参ります。

 さて、我が国の経済情勢ですが、「穏やかな景気回復」が続いており、きわめて緩和的な金融政策を背景に、設備投資や個人消費はゆるやかな増加傾向をたどり、公共投資も高めの水準を維持すると見込まれております。
 しかし、2月始めから、株価の動きに乱れがあることから、これが経済へ与える影響に注視する必要があります。

 一方、地方財政計画では、地方の一般財源が62兆1千億円と過去最大となっておりますが、地方自治体へ配分される地方交付税は前年度より3千億円少ない16兆円となっており、交付税の削減は6年連続となります。
 また、県内の状況は、先月、日本銀行秋田支店が発表した県内金融経済概況では、「景気は回復している」と判断されており、昨年12月末の有効求人倍率は、全県が1.4倍、ハローワーク本荘管内が1.17倍と、高水準が続いております。
 また、この春、高校卒業予定者の就職決定率は、昨年12月末時点で95.6%、その内、県内就職希望者の決定率が95.6%で、前年同期を3.1ポイント上回る状況にあります。

 本市に目を向けてみますと、平成30年度は、いよいよ市民待望の「由利本荘アリーナ」が10月にオープンを迎え、また「鳥海山木のおもちゃ美術館」も7月にオープンいたします。県内外からも多くのお客様においでいただけるものと考えておりますが、なにより、市民の皆様にご利用いただき、大いに賑わうことを期待しております。

 また、鳥海ダムにつきましては、平成30年度内に「基本計画」が告示される予定となっており、事業費総額や工事期間などが明らかになります。その後、用地取得や工事着手へと進んで参りますので、工事事務所や市民の皆様を含めた検討会を設置し、周辺整備計画の策定を進めて参ります。

 国道107号の大簗地区の改良整備につきましては、これまで地元からの強い要望を受け、市と市議会との合同要望などで県当局に要望して参りましたが、この度、県では公共事業評価専門委員会の答申を受けて改良整備の事業化に向けて、平成30年度から設計業務等に着手していくとの説明がございました。
 これまでの要望活動が実を結んだものと喜んでいるところでございますが、今後も早期着工に向けて要望活動を継続して参ります。

 このような明るい話題もありますが、財政面では地方交付税の逓減や、市税の減額などが見込まれており、厳しい財政状況への対応を続けていく必要がありますので、引き続き行財政改革に取り組みながら、市民生活の向上に努めて参ります。


 平成30年度の施政方針につきましては、次の8点に重点を置き施策を実施して参ります。

 1点目は「総合戦略と財政」であります。
 本市では、総合計画「新創造ビジョン」に基づき「人口ビジョン」及び「総合戦略」を策定し、「人口減少に歯止めをかける」という最重要課題に取り組んで参りました。
 これまでも、PDCAサイクルによる評価指標の検証や見直しを行って参りましたが、平成30年度におきましては、「新創造ビジョン後期計画」や「第二期総合戦略」の策定を見据え、市民の皆様の声をお聴きしながら、現計画での成果や課題を見極め、より効果的な計画となるよう準備を進めて参ります。

 次に、財政についてでありますが、新年度当初予算では、普通交付税について、前年度比2%減となる地方財政計画の減少や、合併算定替えの逓減分などを考慮し、総額で約156億1千万円、臨時財政対策債との合計では約168億5千万円と見込んでおります。
 また、歳入の根幹である市税につきましては、軽自動車税が、買い替えに伴う伸びが見込まれるものの、市民税では、法人の業績予想による減額、固定資産税では宅地価格の下落や家屋価格の評価替えによる減額など、依然として厳しい状況にあります。
 歳出面につきましては、「新創造ビジョン」や「総合戦略」に基づき、子育て支援や健康づくりの充実をはじめとする人口減少対策などについて、国の地方創生推進交付金なども活用し、地域の特性を活かしたメリハリのある予算編成としたところであります。
 地方交付税は、合併算定替え分が皆減となる平成32年度では、平成29年度ベースで試算いたしますと、単年度で22億円以上の減額となることから、持続可能な財政構造を確立していくため、行財政改革の取り組みを推進して参ります。


 2点目は「総合防災公園の整備と運営」であります。
 「由利本荘アリーナ」の建設工事は順調に進んでおり、1月末時点での進捗率は、「アリーナ本体」が84.5%、「屋根付きグラウンド」が88パーセントで、共に6月の完成を目指して事業を継続して参ります。
 今後は、アリーナの10月オープンに向けて、関連道路等の工事を継続するほか、駐車場や園路などの外構工事に着手するとともに、体育備品や防災備品等の購入配備なども進めて参ります。
 また、「由利本荘市スポーツ・ヘルスコミッション」では、アリーナを核とした本市スポーツ施設を活用した大会やイベント、合宿等の誘致活動を展開しており、関係機関とも連携しながら、スポーツ振興や市民の健康増進、交流人口の拡大を図るとともに、地場産品の活用・販売、宿泊・飲食など、地域産業への大きな波及効果をもたらす「稼げる施設」を目指して参ります。
 アリーナのオープンにつきましては、開館記念事業としてコンサートや日本体育大学の体育研究発表実演会の開催を予定しているほか、バスケットボールやフットサルの国内トップリーグ公式戦をはじめ、東北・全県規模の大会、各種イベントの開催など、現在のところ、平成30年度内の半年で21の事業を予定しております。
 施設の管理運営につきましては、指定管理者として総合スポーツメーカー大手の「美(み)津(ず)濃(の)株式会社」が代表を務める「ミズノグループ」が担当することになりましたので、同グループと連携して施設運営を盛り上げて参ります。
 市民の皆様には、多くの機会にアリーナにご来館いただき、施設の利用はもとより、大会・イベントの観戦・観覧など、由利本荘アリーナを大いにご活用いただきたいと考えております。


 3点目は「移住定住と地域ブランド形成」であります。
 移住定住の促進では、「仕事」や「住まい」など移住にかかる相談にワンストップで対応するとともに、首都圏等での相談機会を増やし、移住に伴う課題をスムーズに克服する手助けをして参りました。
 こうした取り組みにより、平成27年度以降、これまでの移住者は 52組99人となっております。また、「2018年版住みたい田舎」ベストランキングでは、東北総合第3位、人口10万人未満の自治体で全国総合第21位と、昨年に引き続き高順位を獲得しており、移住促進の取組と、これまで築いてきた子育て環境や医療体制などが評価されたものと考えております。
 今後はこれまでの取組を継続しながら、仕事を柱にした移住体験ツアーの通年開催や、継業、起業・創業への支援など、地域との関わりを重視した事業に取り組んで参ります。
 また『ものづくり企業』に対し専門家を派遣し、魅力的な情報発信力の強化に努める他、高校生就職活動サポートセミナーの開催などにより、若年者の地元定着とUターン促進につながる取組を進めて参ります。

 市産品の販路拡大につきましては、地域ブランドの創造による外貨獲得のため「まるごと売り込み連携協定」や「地方創生包括連携協定」を締結した企業を中心に、フェア開催やバイヤーを招聘し首都圏への売り込みと売れる商品づくり、商談を強力に進めており、今後もこれまでの取り引きを安定的に継続させると共に、各事業者と連携し、売れる商品作りと積極的な売り込みを推し進め、販路拡大を更に加速させて参ります。


 4点目は「産業・観光振興と雇用確保」であります。
 商工業の振興につきましては、引き続き企業誘致を進めるとともに、地元事業者向けとして、「中小企業融資あっせん」「商業店舗リフォーム補助」、地方創生推進交付金を活用した「IOTに関する技術者研修会」等を実施し、意欲的な取り組みを支援して参ります。
 また、就業を希望される方に対しては、「就業資格取得支援助成」「女性の地元定着に向けたセミナー」等の実施により、再就職や定着を支援すると共に、「創業支援補助」により起業・創業を促進し、新しい働き方の実現も支援して参ります。

 観光振興につきましては、本市が有する、鳥海山をはじめとした豊かな自然や、番楽などの民俗文化、北前船に関連した文化的資産など、多様な観光資源を活かして参ります。
 「鳥海山観光」につきましては、ジオサイトにもなっている玉田渓谷の探勝歩道の整備を行い、「法体の滝」周辺の魅力向上を図るとともに、にかほ市や庄内地域と連携し、地域の特産品を活用した体験型ツアーによる環鳥海エリアの滞在型観光など「鳥海山を核とした広域観光振興」を推進して参ります。

 また、訪日観光については、「トップセールス」の効果により、台湾からの誘客実績が順調に伸びているほか、これまで実績の無かったタイ王国からの旅行者が、観光や教育旅行で本市を訪れております。
 こうしたことから、誘客に大きな力のある、台湾やタイ王国の旅行会社社長や学校長などとお会いして、本市の魅力を紹介し「おもてなし」の心で誘客促進を図るトップセールスをはじめとした、海外からの誘客活動を積極的に展開して参ります。

 鳥海山・飛島ジオパークにつきましては、ケーブルテレビ特別番組を昨年に引き続き制作・放送すると共に、その番組をDVD化して市内小中学校でも利用していただける環境を整えて参ります。また、市内16カ所に設置したインフォメーションコーナーや、ジオサイト解説看板、案内看板を更に充実させるなど、市民の皆様や市外から訪問する方に興味を持って頂けるよう努めて参ります。

 北前船につきましては、北前船寄港地としての歴史や文化を、観光や地域振興に活用しようとする動きが徐々に高まり、昨年4月に、秋田市を始めとした7道県の11自治体が日本遺産に認定されております。
 現在、本市を含めた14道府県27自治体が今年4月の追加認定を目指して文化庁に申請をしており、今後は市民の皆様や関係機関のご協力をいただきながら、観光や地域振興に繋げて参りたいと考えております。

 農林水産業を取り巻く環境は、高齢化や後継者不足に加え、平成30年産以降の「米政策の見直し」や通商政策に伴う規制緩和の動きなど、大変厳しい状況にあると認識しております。
 市といたしましては、担い手の確保・育成と産地における一層の競争力強化を図るため、国、県の施策を積極的に活用し、本市農業の維持・発展に努めると共に、農家の皆様が意欲を持って生産を持続し、安定した農業経営に取り組めるよう支援して参ります。            

 米対策につきましては、平成30年産以降、国による生産数量目標の配分が廃止されることにより、米価の不安定化、産地間競争の激化が懸念されます。
 このため、市では、市場を重視した生産への意識改革を促すとともに、今後も需要に応じた生産を確保するため、国や県の情報に基づき、地域農業再生協議会として、当面、農業者毎の生産の目安を示して参ります。 また、市独自の「売れる米づくり推進事業」により、減農薬栽培あきたエコライスによる安全・安心な米づくりや、より需要が見込まれる品種への誘導を支援し、「由利本荘米」の需要拡大を図って参ります。

 園芸作物につきましては、「鳥海りんどう」、「小菊」、「アスパラガス」など、中山間地における高収益な作目の振興を図るため、産地交付金の活用や、機械施設導入等への市独自の嵩上げにより、支援を行って参ります。
 また、担い手の確保に向けて、移住希望者や学生などに対して幅広く就農者の呼び込み活動を行う「新規就農者等確保推進事業」や、国・県の各種事業により、新規就農者、法人などの担い手確保・育成を図るとともに、農地中間管理事業や、条件不利農地の受け手に助成する「条件不利農地を担う経営体支援事業」などにより、農地の利用集積を推進し、担い手による効率的な農用地利用に努め、本市の農業基盤を維持して参ります。

 畜産につきましては、「秋田由利牛繁殖素牛増頭計画」を推進し、畜産農家が安心して営農の継続や規模拡大が可能となるよう、国や県の事業を活用して畜舎の増改築や優良な素牛導入などへの支援に加え、「小規模畜産経営維持拡大支援事業」により、小規模農家の畜産経営持続化支援にも努めて参ります。

 秋田由利牛振興につきましては、「第二次秋田由利牛ブランド確立事業計画」の推進により、取扱店の確保・拡大などの流通販売対策や各種イベントやキャンペーン等、消費拡大対策を積極的に実施し、さらなる秋田由利牛ブランドの確立に取り組んで参ります。

 農業生産基盤整備につきましては、本荘地域松ヶ崎地区と矢島地域小板戸地区の県営ほ場整備事業採択に向けた調査計画を実施すると共に、各種補助事業を活用し、ため池、用排水路、頭首工の整備を実施するほか、日本型直接支払制度により農業生産活動への支援を継続して参ります。

 森林・林業につきましては、民有林造林促進事業への支援や市有林の施業管理を実施し、林業従事者の所得向上と多面的機能の維持・増進を図ると共に、松くい虫やナラ枯れ被害防止対策を講じ、林地健全化と景観保全に努めて参ります。

 水産業につきましては、西目・道川漁港施設の長寿命化を図るための機能保全事業を実施すると共に、漁業者と一体となって水産資源の活用に取り組んで参ります。


 5点目は「消防・防災」であります。
 「防災減災のまちづくり」といたしまして、地域防災拠点となる総合防災公園の整備を進めると共に、消防車両の更新及び消防団員の安全確保と機能強化を目指して参ります。
 本市の防災に関する基本計画であります「地域防災計画」につきましては、国や県の計画修正に合わせ、近年頻発する災害への対応策などの修正を、4月に完了する予定であります。
 この計画に沿い、自主防災組織への活動支援、風水害や、地震、津波など自然災害発生時の応急体制の整備、災害情報・避難情報等の伝達体制の整備を実施して参ります。
 具体的には、同報系防災行政無線の子局増設工事を、昨年度の鳥海地域につづき、今年度は、矢島、西目地域で継続実施するほか、Jアラート(全国瞬時警報システム)の新型受信機の導入事業を実施し、地震や津波等による大規模災害など、緊急時の情報伝達に備えて参ります。

 災害応急体制の整備といたしましては、昨年7月の水害により被害が全市で広域的に多発したことから、災害現場と災害対策本部間の情報共有の強化策として、新たに「災害時情報共有システム」を導入して参ります。

 自主防災組織への活動支援といたしましては、訓練や研修への補助事業を継続するほか、「避難行動要支援者名簿」の共有事業をすすめ、災害弱者の避難支援に努めて参ります。

 また、火山対策といたしましては、本市と秋田、山形両県、および周辺自治体が組織する鳥海山火山防災協議会の事業として、今年度は「住民避難計画」と「火山ハザードマップ」の作成をすすめて参ります。


 6点目は「教育・文化・健康福祉」であります。
 教育につきましては、「総合教育会議」を引き続き開催して教育施策の方向性を共有し、「教育に関する大綱」に基づいた教育環境の充実に努め、より一層教育行政の推進に努めて参ります。
 具体的な施策につきましては、この後、教育長の教育方針で述べますが、北部学校給食センターの建設や由利中学校の大規模改修事業など、「学校環境の整備」に努めるとともに、10月オープン予定の「由利本荘アリーナ」を核とした「スポーツ立市の推進」、全小中学校コミュニティ・スクールのまちとして、地域力を活かした学校づくり、学校力を活かした地域づくりなど、「ふるさと愛を育む教育」を推進して参ります。

 「鳥海山木のおもちゃ美術館」につきましては、国登録有形文化財「旧鮎川小学校」の、木造校舎の美しい佇まいを最大限活かし、館内には地元の職人の手によって、「地元産の木を使ったおもちゃ」や「大型遊具」を設置し、「自然との関わりの学習」をはじめ、市内の林業関係者や子育て支援団体の新たな活躍の場として、子どもから大人までが楽しめる「多世代交流・木育美術館」と位置付け、7月1日のオープンに向け、市民に末永く愛され、支えられ、また市外からも多くのお客様をお招きするための準備を進めて参ります。

 健康福祉につきましては、成人保健関係では、健康寿命の延伸を目指し生活習慣病の予防と改善効果が実証されているインターバル速歩の普及拡大とあわせ、市民の継続的な健康づくりの拠点となる「健康の駅」の構築を目指します。

 各種検診に関しましては、受診率の向上と精密検査が必要な方へのフォローアップに努めて参ります。

 母子保健関係では、妊婦健診や乳幼児健診、5歳児健康相談、フッ化物洗口などの事業へきめ細やかに対応するとともに、ロタウイルスや成人風疹予防接種、不妊治療費助成などの事業を継続し妊娠中から子どもを産み育てやすい環境の整備を図って参ります。

 食生活改善事業では、健康増進事業や乳幼児健診における栄養指導と栄養教室を継続し、市民の食生活習慣の改善と食育を進めて参ります。

 自殺予防対策関係では、新たに、民間団体や専門機関の代表からなる自殺予防推進委員会等を発足し、多方面からのご意見をいただき自殺予防対策計画を策定いたします。

 地域医療につきましては、本市の独自制度である医師研修資金貸付制度や医師確保奨学資金貸付制度により医師の確保・定着を図りながら、地域の中核病院を支援するとともに、市営診療所等を維持し市民が安心して医療を受ける機会の確保に努めます。
 また、医療関係者や地域代表等による由利本荘市地域医療検討会による検討を重ねながら、市内全体の地域医療のあり方を整理して参ります。

 子育て支援につきましては、国では、3歳から5歳児の幼児教育・保育を原則として全て無償にし、低所得世帯では高等教育まで無償化の対象を広げる方針を閣議決定し、平成31年度から段階的に実施していくこととしております。
 こうした中、本市では、子どもを産み育てやすい環境の創造に向け、第2子が生まれた世帯の第2子の保育料の無料化、保育料助成の所得制限の緩和など、子育て世帯のこれまでの保育料助成を拡充し、経済的負担の軽減に努めて参ります。
 また、「(仮称)由利本荘市いきいきこどもプラザ」を整備し、児童の健全育成を推進するとともに、妊娠期から子育て期までを継続的、包括的に支援できる環境をさらに充実させて参ります。

 高齢者福祉につきましては、単身高齢者、高齢者のみの世帯及び認知症高齢者の増加傾向が続くものと予想されることから、高齢者世帯が抱える課題の多様化とともに要介護認定者数及び介護サービスへのニーズもますます増大していくものと見込まれます。
 高齢者一人ひとりが誇りを持ち、自分らしい生き方を続けることができるよう、高齢者それぞれの状況に応じた適切な生活支援サービスを提供するとともに、介護を必要とする高齢者やその家族が安心して介護サービスを利用できるように、介護保険制度の改正に適切に対応しながら、介護サービス基盤の充実・質の向上に向けた取組を進めて参ります。
 また、平成30年度から、新たに「北部地域包括支援センター」を開設し、「基幹型」「中央」「南部」「北部」と包括支援センターの体制を整備拡充し、高齢者から寄せられる様々な相談にきめ細かく対応できる総合相談体制をより一層強化するとともに、「住み慣れた地域」で安心して暮らせるよう、地域包括ケアシステムの機能強化に取り組んで参ります。

 障がい者福祉につきましては、平成30年度を初年度とする第5期障がい者福祉計画に基づき、障がいを持つ方が地域において自立した日常生活及び社会生活を営むことができるよう福祉サービスの充実を図って参ります。
  また、生活保護支援においては、法に基づいた適正かつ公平、迅速な事務の執行にあたるとともに、生活保護に至る前の多様で複合的な課題を抱える生活困窮者に対し、生活支援相談センターと密接に連携を図り、経済的、社会的自立を支援して参ります。

 国民健康保険事業につきましては、この4月から都道府県単位での財政運営となります。今後も、県との連携を図りながら、安定した事業運営に努めて参ります。
 消費生活に関する相談が増加傾向にあることから、本市では国の消費者行政活性化基金事業を活用し、専門相談員による相談体制の一層の充実を図るとともに、関係機関と連携しながら引き続き安全安心な消費者行政に取り組みます。


 7点目は「社会資本整備・環境」であります。
 本市の社会資本整備につきましては、長寿命化修繕計画に基づく橋梁等の点検と道路補修や機能保全工事を重点的に行うとともに、地域の実情に合わせた除雪作業による冬季交通の確保を行い、市民の安全・安心を図って参ります。
 なお、平成29年度に着手した市道猿倉花立線につきましては、平成32年度の供用開始を目指し事業の推進を図って参ります。

 「住宅リフォーム資金助成事業」につきましては、平成28年度に従来の助成内容に加えて、子育て世帯や移住世帯が実施するリフォーム工事に対し、手厚い助成を行う内容に制度改正しており、地域経済の活性化や居住環境の向上のみならず、地域定住や移住の促進にもつながるよう、継続して実施して参ります。

 水道事業につきましては、災害時の給水対策として災害拠点病院のある川口地区の基幹配水管耐震化工事を実施いたします。また、岩城地域の安定給水確保のため松ヶ崎地域との連絡管布設工事に着手するとともに、各地域の老朽管更新工事を継続実施いたします。

 ガス事業につきましては、2年後までを計画年度とする経年管更新事業を推進しガス導管のさらなる安全確保に努めるとともに、環境に優しいクリーンな天然ガスの利用促進を積極的に図って参ります。

 下水道事業につきましては、石脇地区・西部地区の整備区域拡大を図ります。また、既存施設の長寿命化のため、水林浄化センター・前郷浄化センターの設備更新に取り組むと共に、岩谷浄化センターの長寿命化詳細設計を実施して参ります。

 農業集落排水事業につきましては、処理施設の機能強化として、本荘地域の内越第一クリーンセンター・小友第二クリーンセンターの機能強化工事を実施し、東由利地域の老方舘合地区の実施設計の策定を行って参ります。
 さらに、2年後から、下水道事業・集落排水事業の特別会計を公営企業会計へ移行するため、固定資産評価業務・システム構築業務を実施して参ります。

 羽後本荘駅周辺の整備につきましては、平成28年に国の補助事業採択を受け、羽後本荘駅東西自由通路線等の実施設計や駅東広場の用地補償を実施しており、平成30年度には、四ヶ年の継続費により、東日本旅客鉄道株式会社と工事委託の協定を締結し、仮駅舎建設等の準備工事に着手して参ります。

 再生可能エネルギーにつきましては、恵まれた自然環境を活かし、これまで66基、108メガワットの風力発電所が稼働しており、平成30年度には新たに2箇所に14基、43メガワットの稼働が予定されております。
 また、太陽光発電については、平成30年10月に岩城地域において、国内有数の規模となる「由利本荘市ソーラーパーク」の稼働が予定されており、さらに、本市沖では世界有数規模となる洋上風力発電事業が計画され、各種調査検討が行われております。
 市といたしましても、太陽光、風力等再生可能エネルギーの利活用推進を図る事は重要と考えますので、環境や景観に配慮しながら、これらの事業に取り組む企業に対して、情報提供や助言などの支援を行って参ります。


 最後に、8点目は「地域コミュニティの再生」であります。
 本市の人口減少の要因の一つに、出生数と婚姻数の減少がありますが、その課題克服のために、『独身者の出会いの場づくり』を図る結婚支援事業を実施して参ります。具体的には、独自に活動を行っている結婚支援団体や企業、結婚サポーターの意見交換や情報共有の場づくりを実施するほか、新たに「あきた結婚支援センター」の「由利本荘市サテライトセンター」開設を支援し、あきた結婚支援センターへの登録をさらに促進して参ります。

 地域コミュニティの維持・活性化につきましては、「町内会自治会げんきアップ事業」により、引き続き地域に寄り添いながら、まち歩きや事例学習会などを通じて地域の将来ビジョンづくりを支援するとともに、実践活動については「地域づくり推進事業」により後押しして参ります。

 また、「まちづくり協議会」については、各地域の独自のテーマについて自主的学習の場を設け、まちづくりの議論を行っており、こうした取り組みを通じて「協働によるまちづくり」を推進すると共に、住民自治の課題についても研究を継続いたします。

 公共交通につきましては、「地域公共交通網形成計画」に基づき、鳥海山ろく線への支援や助言、生活バス路線の維持確保、コミュニティバスの運行など、継続的に取り組んで参りましたが、さらに地域事情に即した形での「乗り合いタクシー」や、非営利団体などによる「公共交通空白地有償運送」などの導入も含め、地域住民や関係機関との連携を図りつつ、「公共交通のあり方」について共に考えながら、持続可能性に配慮した「生活の足」の確保と交通空白地域の解消に努めて参ります。

 情報政策につきましては、平成25年度から公共施設にワイファイ・アクセスポイントの整備を進めてきており、平成30年度においては、避難所指定となる「由利本荘アリーナ」をはじめ、市総合体育館や出張所など15施設に設備整備を行って参ります。

 マイナンバー制度につきましては、昨年から自治体間の番号連携の運用が始まり、今後もより一層の拡充が予定されております。
 本市におきましても、マイナンバーカードの取得促進に取り組むとともに、業務の簡素化と市民の利便性向上を図って参ります。

 公金収納につきましては、地方自治体においても多様な決済方法が取り入れられ、特にコンビニエンスストアを活用した地方税の収納には全国で約六割の自治体が対応しており、市民の皆さまからも要望の多かったところであります。
 そこで、市民生活のさらなる利便性の向上を図るため、個人住民税等市税4税について、平成31年度より「コンビニ」での収納と、「ゆうちょ銀行」での収納を可能にするための事業に着手いたします。

 広報事業につきましては、リニューアルした公式ウェブサイト、市広報紙、ケーブルテレビなど、それぞれの広報媒体の特性を生かしながら、本市への関心を高めるための情報発信力の一層の強化に取り組んで参ります。

 ケーブルテレビ事業につきましては、多くの市民に視聴していただけるような番組制作に努め、TBS系列の放送や告知端末による緊急・災害時の情報発信、無料電話、インターネットなどケーブルテレビの魅力をPRし、加入促進に繋げて参ります。また、専門的知識や技術を有する民間への管理運営移行も視野に入れ、今後の方向性として、「直営」、「指定管理者制度」、「施設を民間に貸出すIRU契約」などの調査・検討を進めて参ります。
 ケーブルテレビでのインターネットにつきましては、今後10年間を想定した通信量に対応するため拠点間伝送設備を更新し、大容量・高速化に対応したインターネット通信環境の整備をして参ります。

 最後に、職員の育成についてでありますが、行政課題が高度化・複雑化していく中、市民ニーズに迅速・的確に対応するためには、職員が地域の実状や現場を自らの目で確認すること、また満足度の高い公共サービスを提供するための個々のスキルアップが重要と考えます。そのため計画的な職員研修を実施し、職員同士で研鑽を積む場を設けるなど、職員の資質向上を図って参ります。また、適材適所の人事管理を行い、市民から信頼される職員を育成して参ります。


 以上、平成30年度の市政運営について、8項目に亘って、方針を述べさせていただきました。

 近年、地方自治体を取り巻く環境は、一層厳しさを増しておりますが、今後も行財政改革を加速させながら、地域の均衡ある発展と、市民の皆様の安全・安心のため、スピード感と緊張感を持って、市政を推進して参りますので、引き続き、議員各位をはじめ市民の皆さまのご理解、ご支援、ご協力をお願い申し上げ、施政方針といたします。