27年度施政方針

   本日、第1回市議会定例会において平成27年度予算案をはじめ諸議案のご審議をお願いするにあたり、議員各位に敬意を表しながら、市政運営にあたっての施策の概要を述べさせていただき、市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
   私は、これまでの市政運営にあたり、特に産業振興による雇用の確保、少子化対策、観光振興に重点をおいて取り組んで参りました。2期目の3年目を迎え、引き続き市民の皆さまの信頼と期待に応えながら「力強く躍進する由利本荘市」をつくり上げていきたいと考えております。
  さて、我が国の経済情勢ですが、安倍政権発足以来、デフレからの早期脱却と日本経済再生を目指す、いわゆる「アベノミクス」効果が徐々に現れ、景気回復の基調を示しておりましたが、昨年4月からの消費税率8%への引き上げによる消費の低迷が大きく影響し、実質GDPが昨年4月-6月期、7月-9月期の2期連続でマイナス成長となりました。これを受け、政府与党は今年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを延期し、平成29年4月から実施する方針を打ち出しております。

  また、円安ドル高により、輸出産業の業績が回復基調を示し、さらには一部の製造業に海外工場の国内回帰の動きが見られるなど明るい兆しも出てきております。
  さらに、最近の原油などのエネルギー価格の大幅な下落は、輸入依存度の高い我が国の経済にとって大きなメリットとなる見方もある一方、このまま原油安が長期に続くと、世界的に見たとき、産油国の経済悪化やシェールオイル生産の不採算化などを招き、国際情勢の不安に繋がるリスクも指摘されており、先行きの不透明感は拭えない状況であります。

  次に国の動向でありますが、2008年をピークに減少し続ける日本の将来人口は、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2060年には約8,700万人まで減少するとされています。このような状況を受け、政府は将来の人口展望をまとめた「長期ビジョン」の中で、政府として初めて、2060年の人口を1億人程度を維持するという人口目標を設定しました。
  そして、この長期ビジョンを実現するため、政府は人口減少対策の5ヵ年計画「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、その戦略の柱に「東京一極集中の是正」「若い世代の就労・結婚・子育ての希望実現」「地域特性に即した課題解決」を据え、待ったなしで地方創生に真正面から取り組むとしております。
  この表れとして、石破地方創生大臣はこのほど、全国市町村長宛に、「地方創生は日本の創生であり、国と地方が総力を挙げて地方創生を推進し、国民の意識が変われば活力ある日本社会の未来が開かれて行く」とし、「国と地方が相携えて人口減少克服・地方創生を実現しよう」とのメッセージを発しています。

  この地方創生の具体的な動きとして、総額4,200億円の自治体向け人口減少対策の交付金を盛り込んだ、国の平成26年度補正予算が今通常国会に提出され可決されました。これを受けて、本市においても、この交付金を財源とする、地方版総合戦略策定や地方創生先行型事業、地域消費喚起・生活支援策を盛り込んだ補正予算を今定例会に追加提案する予定でありますので、ご理解をお願いいたします。

  さて、本市に目を向けますと、日本海沿岸東北自動車道については、一昨年、秋田・山形及び山形・新潟の県境区間が事業化され、全線開通の見通しがつくなど大きく前進したところでありますが、さらに、象潟仁賀保道路の象潟・金浦間が平成27年度中に開通するとの見通しが公表されました。
  日本海沿岸東北自動車道は、圏域の産業や観光の活性化、救急医療活動の向上、さらには災害時の日本海国土軸としての機能発揮など、大きな役割を担う最重要路線であり、早期全線開通に向け、今後とも強く関係機関へ働きかけて参ります。

  さらに、「鳥海ダム」につきましては、大変喜ばしいことに、これまでの調査段階から、平成27年度に建設段階へ移行する方針が示され、これもまた大きく前進いたしました。長年の市民の悲願であり、市民の生命と財産を守る、本市にとって最も重要なインフラに位置づけられる鳥海ダムが、建設に向けて大きく前進したことは、これまでの官民あげた要望活動の成果であり、今後とも早期完成に向け強く関係機関に働きかけて参ります。

  また、昨年4月鮎川油ガス田で、国内初となるシェールオイルの商業生産が開始されました。商業化されたシェールオイルは、産出量が日量35キロリットルと少ないものの、エネルギーの殆どを海外に依存する我が国において、貴重な地下資源を有する由利本荘市の地域価値が見直されております。急激な原油安が進んでおりますが、鮎川油ガス田のシェールオイルの商業生産が将来にわたり安定的に続くことが期待されます。

  それでは、平成27年度の予算案及び重点施策の概要について申し上げます。次の7点に重点を置き施策を実施して参ります。

  1点目は「総合計画・新創造ビジョンと財政」であります。
  本市では、農商工・観光をはじめ雇用、教育、福祉、保健など幅広い分野において「新たなまちづくりを創造していく」ことを目指し、平成二十七年度を初年度とする総合計画・新創造ビジョンを策定いたしました。
  この新創造ビジョンは、まちの将来像として「人と自然が共生する躍動と創造の都市~新たな由利本荘市への進化~」を掲げ、「人口減少に歯止めをかける」を最重要課題に据え、戦略方針として、国内外から人と財が集まる「地域価値(由利本荘ブランド)」を創造することを目指しております。
  まちの将来像を実現するための、まちづくりの基本政策として
  「産業集積の強靱化と雇用創出」
  「安全・安心・快適な定住環境の向上」
  「笑顔あふれる健康・福祉の充実」
  「ふるさと愛を育む次代の人づくり」
  「市民主役の地域づくりと市政運営」
  の5つを柱に重層的に施策を展開することにより、人口減少社会、少子高齢化等の課題解決をめざして参ります。
  また、この計画では、はじめて政策毎に成果指標を設け、計画、実行、評価、改善のPDCAサイクルにより進行管理して参ります。
  この計画の具体的取り組みのひとつとして、平成27年度は、雇用創出の実践、移住・定住、地域ブランド形成を強く推進する組織として「由利本荘まるごと営業本部」を私の直属組織として設置し、「仕事づくり課」と「まるごと売り込み課」を配置し、庁内関係部署と連携しながら、課題解決の施策を実践して参ります。
  特に、移住定住対策では、市外からの移住者で住宅取得などの要件を満たした方を対象とした「定住促進奨励金」制度を継続し、普及啓発を図るほか、町内会自治会げんきアップ事業の町内点検などを通じて得たUターン希望者情報と地元企業の求人情報のマッチングを図り、定住人口の確保に向け取り組んで参ります。
  また、同じく私の直属に「人口減少対策戦略会議」を設置し、この課題に特化した、部局・総合支所を含めた庁内横断的な組織として、班長や課長補佐等の中堅職員による「人口減少対策プロジェクトチーム」を発足し、加速度的な人口減少の歯止めとなる政策を立案し、力強く実践に結びつけて参りたいと考えております。
  次に財政についてでありますが、平成27年度の地方財政計画では、地方交付税の減額を最小限に抑え、臨時財政対策債の発行を抑制することで、一般財源の質を改善するとともに、地方交付税を含む地方の一般財源を確保するとしています。
 新年度予算では、普通交付税について、地方財政計画の減少分、前年度比0.1%と合併算定替え逓減分で4億5千万円とし、総額で約182億8千万円、臨時財政対策債との合計では約196億8千万円と見込んでおります。
 また、歳入の根幹である市税については、軽自動車税が、税率改正や台数の増加に伴い伸びたものの、市民税では、人口減少による減額、固定資産税では、宅地の下落や評価替えによる減額が見込まれるなど、依然として厳しい状況にあります。
 歳出面では、平成27年度からスタートする「総合計画・新創造ビジョン」に基づき、雇用対策や、子育て支援の充実をはじめとする人口減少対策などについて、国の地方創生対策に先行して取り組むなど、地域の特性を活かしたメリハリのある予算編成としたところであります。
 新年度からは、合併算定替えの逓減が始まることから、今後の財源の減少を見据え、持続可能な財政構造を確立していくため、行財政改革の取り組みを推進して参ります。
 また、定住自立圏構想につきましても、平成27年度を新たな5ヵ年の初年度とし、幅広い政策課題に取り組んで参ります。

  2点目は「国療跡地利活用事業」であります。
  国療跡地利活用事業については、平成26年度、防災公園事業として国の支援を受け、用地取得、地質調査、実施設計などを進めて参りました。
 平成27年度は、東北屈指の規模と機能を有する総合防災公園アリーナ棟の建築工事に着手して参ります。当該施設はスポーツと防災そして地域コミュニティ機能の複合型交流拠点として、平成30年度の供用開始を目指しております。
 併せて、建築工事と並行して、この施設を「すべての市民が安全安心に利用でき、地域経済活性化の核となる複合型交流拠点」とするために、スポーツコミッション的役割を担う「(仮称)由利本荘総合防災公園・アリーナ等管理運営連携会議」を設置し、官民あげてスポーツ振興、スポーツツーリズムによるスポーツやイベント等の誘致に結びつける取り組みをして参ります。

  3点目は「産業振興と雇用確保」であります。
 はじめに、工業振興についてでありますが、地域企業は、地域の経済を活性化する原動力であり、大きな支えであります。「工場等立地促進条例」や「地域特性を活かした産業振興と中小企業の育成に関する条例」に沿い、県立大学などとの産学官金連携を推進しながら、新たな産業の創出や農商工連携による事業育成を図って参ります。
 また、市出身者の首都圏在住事業者と地域企業の事業者による「産業ネットワーク」を活用した、取引拡大や企業の人材発掘に積極的に取り組んで参ります。
 さらに、「第2次由利本荘市工業振興ビジョン」を基本に「地域企業活性化事業」による専門的高度研修などの人材育成や人材確保の支援、従業員の語学研修支援を実施し、「中小企業融資斡旋資金事業」による設備投資の資金供給支援を継続し、事業者の更なる経営支援を行って参ります。
 雇用対策としては、「無料職業紹介事業」を新たに実施し、市民及び市内居住希望者の就職と企業の人材確保の支援や、「新規雇用奨励助成事業」や「就業資格取得支援助成事業」による求職者への就職支援をきめ細かく実施して参ります。
 次に、商業振興につきましては、由利本荘市商工会と連携し、「小規模商業振興事業」として、既存商店の改装費一部補助による持続化支援、また、空き店舗の活用事業に取り組んで参ります。
 次に、観光振興についてでありますが、本市は「鳥海山」を中心とした豊かな自然や、生活の中で継承されてきた番楽をはじめとする歴史ある民族文化など多様な観光資源を有しており、その資源を磨き上げた上で観光誘客を促進し、地域の産業と経済の活性化に結びつけて参ります。平成26年度から取り組んでいる、「あきた未来づくりプロジェクト」では、『鳥海山を核とした広域観光振興』をめざし、県やにかほ市と連携して観光地、「鳥海エリア」を構築するため、「観光スポットの魅力向上のための環境整備」、「観光案内拠点施設の整備」、「鳥海山麓の二次アクセスの確立」を柱に一体的に事業を推進して参ります。
 併せて、庄内地域との広域連携を強化し、地域の食や文化、スポーツなども活用しながら体験型のメニューの造成を行い、「滞在型観光」への移行を図って参ります。
  さらに、昨年8月に、本市とにかほ市、山形県酒田市、遊佐町の4自治体で構成する「鳥海山・飛島ジオパーク構想推進協議会設立準備会」が発足しましたが、3月下旬には「鳥海山・飛島ジオパーク構想推進協議会」への移行が予定されております。鳥海山北麓の恵まれた地質遺産を観光資源や学習資源として生かす地域住民一体となった活動を本格的に広げることにより、平成28年度の日本ジオパーク認定登録を目指して参ります。
 また、本市の観光や物産をまるごと売り込むための体制を強化するため、「由利本荘市うまいもの酒場」を拠点に、首都圏における観光誘客と農林水産物などの販売促進のための施策を展開して参ります。
 一方、年々誘客実績が伸びている訪日観光については、これまでと同様に台湾並びに韓国に出向いて「トップセールス」を行うとともに、経済発展を続けるタイ王国を新たなターゲット国と位置づけ、積極的に誘客活動を展開して参ります。
  また、八塩いこいの森パークゴルフ場は、平成27年度から2ヵ年にわたり新たに18ホールを造成し、東北最大級となる54ホールの規模を売りに交流人口の拡大を図って参ります。
 次に、農林水産業についてでありますが、昨年産米の概算金の大幅な下落は、地域経済に深刻な影響を与えるとともに、農業者の生産意欲の減退につながるものと、危惧しているところであります。
 このような中で国は、昨年決定した「農林水産業・地域の活力創造プラン」に基づく施策を実現するため、農業の競争力強化を図る取組として、農地中間管理機構の本格稼働による担い手への農地の集積を行うとともに、経営所得安定対策や日本型直接支払のほか、大豆、飼料用米等の戦略作物の導入による水田フル活用や、米の生産調整の見直しを含む米政策の改革を着実に実施するとしております。
 市といたしましては、国の制度を最大限に活用し、本市農業の維持・発展に努めるとともに、農家の皆様が安定した農業経営に取り組めるよう支援して参ります。
 農業振興につきましては、JAが鳥海地域に建設する「カントリーエレベーター」への助成及び、土づくり肥料散布への助成、新品種「つぶぞろい」の種子購入助成など「高品質、良食味米」への取り組みに支援するとともに、農地集積による担い手の経営体力の強化や安定した農業経営を確立するため、「農地中間管理事業」による農地の利用集積を推進し、農用地利用の効率化に努めて参ります。
 また、コメ依存からの脱却に向け、野菜や花卉の産出額を飛躍的に向上させるため、農事組合法人「平根ファーム」が鳥海地域平根地区に整備する「園芸メガ団地事業」に支援し、地域特性を活かした「鳥海りんどう」、「アスパラガス」などの振興作物の産地づくりを推進して参ります。
 さらに、中山間地域農業の活性化対策として、直売所や集落で行う伝統野菜、山菜など地域資源を活用した商品開発や販売を推進し、首都圏の高級スーパーなどで「売れる農産物」や「加工品」を地域ブランドとして確立し、直売所の売上げ増加と集落コミュニティの活性化を図って参ります。
 畜産につきましては、「秋田由利牛繁殖素牛増頭計画」の実施により、畜産農家が安心して営農の継続や規模拡大が可能となるよう、国や県の事業を活用して畜舎の増改築や優良な肥育素牛の導入などに支援して参ります。また、「秋田由利牛ブランド確立事業・増頭5カ年計画」により、取扱店確保などの流通販売対策、学校給食への食材提供や各種イベントの参加など消費拡大対策を積極的に実施し、さらなる「秋田由利牛」ブランドの確立に取り組んで参ります。
 次に、農業生産基盤整備につきましては、本荘地域と鳥海地域の県営圃場整備事業が2年目となり、同時に農地集積促進費活用と新たな国の農地中間管理機構との連携による、効率的な農地集積を積極的に推進して参ります。また、圃場整備事業以外の農地においては、区画拡大や暗渠排水の整備を行う農業基盤整備促進事業を実施し、担い手への農地集積や高付加価値化を推進して参ります。
 林業につきましては、本荘由利森林組合との委託契約に基づき、市有林、民有林一体となった間伐施業を行って参ります。また地元産材の生産拡大と林家所得の向上を図るため、民有林促進事業、森林整備地域活動支援交付金事業を引き続き実施して参ります。
  また、2年目を迎えるペレットストーブ等設置費補助事業で、木質バイオマスの需要を高め、小規模林業普及促進事業で薪販売を試みながら山元の森林整備と林家の意欲を促すための支援をして参ります。
  水産業につきましては、漁港施設機能強化事業や水産物供給基盤機能保全事業などを活用し、継続して漁業活動のインフラ整備を図って参ります。併せて、地域独自の水産物商品開発を進め、漁業者一体となって所得向上を目指して参ります。

  4点目は「消防・防災」であります。
  近年、豪雪や豪雨による災害、火山の噴火や地震など、全国各地で甚大な被害をもたらす自然災害が多く発生しております。
 このような状況のもと、災害発生時に、避難勧告等の告知及び全国瞬時警報システムの緊急放送等における情報伝達機能の一層の強化を図るため、昨年度に引き続き、大内、東由利、由利、矢島、鳥海地域について同報系防災行政無線システムの整備を進めて参ります。
 さらに、今年度は市総合防災訓練のほか、秋田県の指導のもと、積雪寒冷下における災害を想定した冬期防災訓練を行うとともに、市民の防災意識の高揚を図ることを目的に地元住民も含めて実施して参ります。
 また、地域の安心安全を守る消防防災拠点となる消防分署の整備につきましては、岩城分署・東由利分署の建設工事に着手すると共に、西目分署の実施設計を進めて参ります。
 さらに、消防車両の更新や消防格納庫の建て替え、耐震性貯水槽の整備や消防団員の安全装備品の配備など、消防施設や装備の一層の充実強化を図って参ります。

  5点目は「教育・文化・健康福祉」であります。
  教育につきましては、「改正地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が本年4月から施行されることに伴い、教育委員長と教育長を一本化した、新「教育長」を、首長が直接任命することや、首長が招集する「総合教育会議」の設置、「教育に関する大綱」の策定など、市長として、教育行政に果たす責任と役割が明確となることから、これまで以上に、教育委員会との協議・調整を図りながら、教育政策の方向性を共有し、一致して教育行政を推進して参ります。
 具体的な施策につきましては、この後、教育方針の中で教育長が述べますのでよろしくお願いいたします。
 次に福祉医療についてでありますが、本市の福祉医療制度は、秋田県の制度をベースに市単独で拡大実施し、小学3年生までの医療費を無料としてきたところであります。
 医療費支援は、子育て支援策及び定住促進事業の大きな柱の1つと捉え、子どもを安心して生み育てられる環境を拡げていくため、新年度からは、中学卒業までの医療費を所得制限と一部負担を廃し、完全無料化を実施して参ります。
 地域医療については、地域の中核病院であります由利組合総合病院の機能向上に向けた支援に加え、市営診療所と巡回診療を維持しながら、市民の医療を受ける機会と安心の確保に努めて参ります。
 また、市民の健康維持・増進につきましては、誰でも簡単に行えて、体力向上や血圧、血糖、脂質の改善に効果が認められている「インターバル速歩」の普及に取り組むほか、将来の胃がん予防と検診受診率向上をめざし、中学生を対象にしたピロリ菌抗体検査事業に取り組み、「健康由利本荘21計画」を着実に実践して参ります。
 母子保健関係では、妊婦や乳幼児健診、5歳児健康相談、不妊治療費助成や風しん予防接種などの事業継続に加え、フッ化物冼口事業の拡大に取り組み、新たに産婦に対する産後1ヶ月健診と母乳育児相談に対する助成を開始し、子どもを産み育てやすい環境の一層の整備を進めて参ります。
 栄養指導事業においては、乳幼児健診や特定健診事業における栄養指導と栄養教室を継続し、市民の健康管理と食育推進に努めて参ります。
 次に、子育て支援については、保護者が身近な地域で、主体的に、安心してゆとりある子育てができるよう、保育料の軽減措置や子育て支援金の支給など、「子どもを産み、安心して子育てができる環境づくり」に取り組んで参ります。
 特に、新年度からスタートする子ども・子育て支援新制度に則り、本市においても「子ども・子育て支援事業計画」に基づく各種施策を展開するとともに、認可保育所の整備や幼稚園における一時預かり事業の拡充、放課後児童クラブの体制強化などを図って参ります。
 また、すべての子どもの健やかな成長を地域全体で支え、子育ての喜びあふれる社会を目指して、ひとり親家庭や障がい児などへのきめ細かな支援や、「幼稚園・保育所・小学校」の連携強化と子育て支援ネットワークづくりなどを推進し、子育て支援のさらなる充実に努めて参ります。
 次に高齢者福祉についてでありますが、人口減少、少子高齢化が急速に進む中、高齢者の単身世帯や高齢者のみの世帯が増大するとともに、認知症高齢者が増加していくことが推測されます。このような状況の中、高齢者が介護や医療が必要になっても、住み慣れた地域で安心して暮らしていくため、個々のニーズに応じて生活上の安全・安心・健康を確保するために、住まい・医療・介護・予防・生活支援サービスを一体的に提供する、地域包括ケアシステムの構築、機能強化が求められています。
 本市では、高齢者の生きがい支援、家族介護支援、介護予防支援、生活支援事業の充実を図っていくとともに、地域ミニデイサービスなど住民が主体となって、高齢者を地域で支え合う環境整備を進め、地域住民やボランティア、関係団体とも連携を図りながら、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるように、持続可能な地域包括ケアシステムの構築に努めてまいります。
 また、地域全体で認知症高齢者と家族を支えるため、認知症サポーター養成講座の開催や認知症に関する広報・啓発に努め、地域住民の認知症の理解やネットワークづくりを進めて参ります。
 さらに、近年市民の暮らしは便利になる一方、消費者トラブルも年々増加しており、高齢者を狙った悪質な商法や詐欺の手口が巧妙化し、被害にあう方も増えてきております。このような状況を受け、本市では、消費者行政活性化基金事業補助を活用し、消費生活に関する相談に対応するため、専門相談員2名による相談窓口を設置し、由利本荘警察署と連携しながら安全安心な消費者行政に取り組んで参ります。

    6点目は「環境・社会資本整備」であります。
    国は、「防災・減災等国民の安全安心の確保」を重点政策としており、なかでも高度成長期以降に整備されたインフラの老朽化に対して戦略的に対策を進めるとしています。
 このことから、市民の安全・安心の確保を図るため、老朽化対策として、橋梁長寿命化修繕計画に基づき管内道路橋の点検を実施し、橋梁の健全度を把握して参ります。
 さらに、社会資本整備総合交付金事業で除雪ステーションを建設し、冬期間における安全で円滑な交通確保のため、除雪機械を一括保管し、除排雪効率の向上を目指します。
 また、平成25年11月21日に発生した矢島元町地内市道土砂崩落災害につきましては、この崩落の要因分析を行い、再発防止策の検討を行うため、6名の学識経験者からなる『由利本荘市「市道猿倉花立線」土砂崩落技術調査委員会』を設置し、これまで現地調査を含め6回の委員会を開催し検討を重ねて参りました。当該調査委員会からは年度内に報告があるものと伺っており、この報告の提言を踏まえ、二度とこのような土砂災害が発生しないよう対応して参りたいと考えております。
 次に、羽後本荘駅のバリアフリー化や東西自由通路、駅東口等の整備につきましては、昨年度よりJRや関係機関と協議を重ねながら、測量や設計を実施しており、平成27年度も引き続き事業化に向け取り組んで参ります。
 また、平成22年度から実施しております、住宅リフォーム資金助成事業につきましても継続して参ります。
 下水道事業につきましては、石脇地区を中心に整備区域の拡大を図ります。また、既存施設の長寿命化のため、水林浄化センター及び道川浄化センターの設備更新に取り組むとともに前郷浄化センターの詳細設計に着手します。
 農業集落排水事業では、東由利地域の田代・黒渕地区の整備を継続実施いたします。また、処理施設の機能強化については、由利地域の吉沢地区の設備更新と南福田地区の全体実施設計に着手します。
 簡易水道事業では、大内第三簡易水道及び東由利簡易水道の統合事業を継続実施し、更に矢島地域の元町南簡易水道と熊之子沢簡易水道及び花立簡易水道の整備統合に向け事業認可に着手します。
  水道事業につきましては、「由利本荘市水道事業第1次施設整備計画」に基づき、蟻山浄水場の改良工事を平成27年度から平成29年度の3カ年の継続事業で実施するほか、本荘・鳥海地域の老朽管更新事業を推進し、災害に強い水道をめざして参ります。
 ガス事業につきましては、地元由利原産の環境に優しいクリーンな天然ガスによる都市ガスの積極的な販売拡大を図ります。また、他エネルギーとの競合による厳しい経営環境にありますが、「経年管更新計画」に基づきガス管敷設替工事を実施し、保安対策に万全を期すとともに、効率的事業運営に努めて参ります。
 次に、社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度につきましては、全ての国民に番号を割当て、社会保障・税・災害対策の分野で利用することにより、行政手続きの簡素化と事務の効率化、給付と負担の適正化を図るものであります。平成27年10月から全市民に個人番号が通知され、平成28年1月から申請者に個人番号カードが発行されます。制度の広報・周知と共に、平成29年7月から開始される、地方公共団体の情報連携に向けて対応準備を進め、市民の利便性の向上と業務の効率化を推進して参ります。
 次に、ケーブルテレビ事業につきましては、身近な情報を伝える市民のテレビ局「ゆりほんテレビ」として親しまれ、多くの市民に視聴していただけるよう、市民活動の紹介番組を織り交ぜるなど制作番組のさらなる充実に努めて参ります。また、県外のTBS系列の放送、専用端末による緊急・防災情報の提供や無料電話、インターネットなどケーブルテレビの魅力をPRするとともに加入金無料キャンペーンを実施し、さらなる加入促進に努めて参ります。
  さらに、インターネットにつきましては、通信設備の更新改修により、200メガビット毎秒の高速サービスを提供し、地域の通信環境の格差を解消して参ります。
 次に、環境についてでありますが、本荘清掃センター基幹的設備改良事業の終了に伴い、矢島鳥海清掃センターの焼却業務を本荘清掃センターに統合し、サテライトセンターとしての利活用に向けた実施設計を行います。効率的なごみ処理を目指し、尚一層の廃棄物処理施設の利便性の向上と効率化に努めて参ります。
 また、再生可能エネルギーにつきましては、恵み豊かな環境を確保し、地球温暖化防止、自治体における災害対策機能の強化を目的に、太陽光、風力、小水力及び木質バイオマスの利活用を四本柱として引き続き施策展開を図るとともに、これらの事業に取り組む地元企業に対し積極的な支援を行って参ります。

   最後に、7点目は「地域コミュニティの再生」であります。
 少子高齢化の進展により人口減少時代が到来し、地域コミュニティを取り巻く状況は、担い手となる人材の減少や生活様式の多様化などにより、防災、防犯、ゴミ環境問題をはじめ、福祉活動やイベント開催など地域生活全般に関わる包括的な機能の維持・活性化が難しくなってきています。
 地域住民の共通認識と課題解決に向けた合意形成を後押しする「町内会・自治会げんきアップ事業」については、地域の要望に応じて、話合いの場づくり支援や、地域の将来像を描くビジョンづくりに向けた事例学習会、視察研修会などを通じて支援するほか、ビジョンの実践についても支援して参ります。
 2年目となっている「まちづくり協議会」については、市からの諮問事項に対し意見を述べるだけでなく、テーマを設定した自主的学習など、かつての地域協議会には無かった新たな取り組みも進んでおり、こうした切り口から協働によるまちづくりを推進するとともに、住民自治のあり方について共に考えて参ります。
 また、地域の活力増進と連帯感の創出を図るため、市民が主体となり企画・実践する「地域づくり推進事業」を継続し、各地域の特性を活かした取り組みを応援して参ります。
 市民生活に不可欠な交通については、現在策定中の「地域公共交通網形成計画」に基づき、引き続き、鳥海山ろく線や生活バス路線の維持確保、市コミュニティバスの運行などを推進するほか、特に高齢者の足の確保と交通空白域に対応するため、地域の実情に応じた持続可能な地域交通の実現を関係機関と連携して取り組んで参ります。
 また、市民ニーズに迅速・的確に対応するためには、地域の実情や現場を自分の目で確認する重要性とともに、職員個々のスキルアップが不可欠であると考えており、「自主研修助成制度」の実施や「全国市町村アカデミー研修」、「県市長会主催研修」、「やねだん故郷創生塾」「民間企業実地研修」への職員派遣に加え、土木工事現場における監理技術の向上を目指し「土木技術専門研修」への新規派遣など、職員研修を充実して参ります。また、市民から信頼される職員を目指し「職員行動指針」のもと職務に精励するよう、引き続き組織として取り組んで参ります。

 以上、平成27年度の市政運営の基本的な考え方および重点施策の概要についてご説明申し上げました。
 厳しい経済情勢の中ではありますが、市政発展のため市民目線での市政に全力を傾注して参る所存でありますので、議員各位をはじめ市民の皆さまのご理解、ご支援、ご協力をお願い申し上げまして施政方針といたします。