平成24年度 施政方針

 

 

 

             【市議会定例会で長谷部市長が平成24年度施政方針を表明しました】
 


 

 

 
 

  本日、第1回市議会定例会において平成24年度予算案をはじめ諸議案のご審議をお願いするにあたり、議員各位に敬意を表しながら、市政運営にあたっての施策の概要を述べさせていただき、市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 
我が国の経済基調は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあり、景気は緩やかに持ち直しつつあるものの、電力供給の制約や原子力事故、さらにはタイの大洪水の影響に加え、欧州の政府債務危機の影響による海外景気の下振れなど、景気が下押しされるリスクを抱えております。
  政府は東日本大震災からの復興に全力を尽くすとともに、デフレ脱却に断固として取り組み、円高とデフレの悪循環を防ぐため日本銀行と緊密な連携を図り、マクロ経済政策運営を行うとして、「円高への総合的対応策」や平成23年度第3次補正予算の迅速な実行に取り組むとともに、第4次補正予算を閣議決定し、先般、国会で成立したところであります。
 また、平成24年度予算案では「日本再生元年予算」と位置づけ、「日本再生重点化措置」の活用等により成長力強化に取り組もうとしておりますが、年金財源を先送りする「交付国債」の導入を余儀なくされているなど、社会保障制度改革の遅れを指摘する声も強まっております。
 こうした中、政府、与党は、消費税率を平成26年4月に8%、27年10月に10%に引き上げることを柱とした「社会保障と税の一体改革大綱素案」を正式決定し、今年3月末までに関連法案を国会に提出する方針を表明しました。増税をめぐる与党内の対立や参議院で野党が多数を占める「ねじれ国会」のもと、その動向や国民生活に与える影響が心配されるところであります。

 さて昨年は、3月の東日本大震災と原発事故をはじめとして各地で未曾有の災害に見舞われた年でした。本市でも冬の豪雪に始まり、6月の集中豪雨、その後の渇水や台風15号など大きな災害と被害が発生いたしました。被災されました皆様には改めましてお見舞い申し上げます。
  とりわけ、千年に一度と言われる東日本大震災では、最大震度7の激しい揺れと巨大津波、これに原発事故が加わり大きな爪痕を残しましたが、この大惨事に直面した日本人の行動に海外メディアから次のような称賛の声が寄せられました。
  「日本の一般市民が示した弾力性と規律正しさには驚くべきものがある。日本に我慢という言葉がある。日本の被災者は驚くべき我慢をもって秩序を守っている。水や食料を求める長い列に黙々と並ぶ。災害には付きものの略奪と無法状態が日本では見られない。自分のことは傍らに置いて他人を助ける。我々も日本から学ぶべきだ。日本の方々に同情申し上げると同時に日本人の美徳に最大級の尊敬の念を送りたい」
 こうした日本人を象徴するものとして、剣道(武士道精神)には「惻隠の情」という言葉があります。これは孟子の言葉で、相手の心情を深く理解する心や同情する心を意味しますが、今回の震災では、自らを省みず被災地に駆けつけ瓦礫の撤去や炊き出しに奔走した多くのボランティアや警察官・自衛隊の方々の「弱者を守る気遣いと思いやりの心」がありました。これこそがまさに「惻隠の情」であり、政治に置き換えれば「常に市民の目線に立ち、小さな声にも耳を傾けながら市民生活の安定向上のために努力すること」であり、私の市政運営の座右の銘にいたしたいと考えております。

 この大震災に際しましては、親子都市である「いわき市」に3月13日を第1回目として救援物資を数回にわたり搬送いたしたほか、「北東北地域連携軸構想推進協議会」の構成市である大船渡市と釜石市にも3回にわたり救援物資を搬送いたしました。さらに業務支援のため、いわき市・名取市・石巻市・釜石市・大槌町等に職員を派遣したところであります。
 本市におきましても「被災者受入支援チーム」を設置し被災者の受け入れ支援を行って参りました。未曾有の大災害、まさに「非常事態」にあっては「支え合い・助け合い」が肝要であります。
 こうした体験を通し、大規模震災等により同時に被災する可能性が低い遠隔地自治体との助け合いの必要性を実感したことから、友好都市である高松市及び佐久市と災害時相互援助協定を締結したところであり、親子都市である「いわき市」とは震災復旧に一定程度の目処がついた段階で協議することにしております。
  なお、先般、いわき市から4月1日より2ヶ月間1名の職員派遣の依頼がありましたので、早速対応することといたしたところであります。

 一方、喜ばしい話題もありました。
 東日本大震災への海外からの支援に対する感謝のメッセージをピッチから各国に送り続けた「なでしこジャパン」がサッカー女子ワールドカップ・ドイツ大会、その決勝戦ではアメリカ合衆国を相手に、2度もリードされる窮地に追い込まれてもあきらめず、一致団結して追いつき、PK戦を制して初優勝しました。チームの「絆」と「あきらめない」粘り強さは、大震災から復興途上にある日本に感動と勇気、笑顔を与える快挙でありました。
 本市におきましても、名誉市民の遠藤章博士が文化功労者として顕彰されましたこと、出羽中学校科学部が日本学生科学賞中央審査で6年連続上位入賞したこと、新山小学校野球スポーツ少年団が全国ベスト8入りを果たしたこと、西目高校サッカー部、由利高校バレーボール部及び本荘高校柔道部の全国大会出場、また、本海獅子舞番楽が国指定重要無形民俗文化財に指定されるとともに森子大物忌神社が国登録有形文化財に登録されたことなど、全市民の誇りであり、元気を与えてくれるものでありました。
 また、昨年12月19日に待望の文化交流館カダーレがオープンしました。開館記念式典で、市内中高生237名により市歌が演奏され、格調高い歌詞と親しみやすいメロディに、改めて由利本荘市歌の素晴らしさと一体感の醸成を実感したところであります。24日には仙台フィルハーモニー管弦楽団と160人の市民合唱団によるベートーヴェンの「第9」特別演奏会が開催されました。素晴らしい演奏と市民の力強い歌声に圧倒されるとともに、カダーレの音響の素晴らしさに感動したところであります。
 市民の皆様には、カダーレの利用を通じ市全体が元気になるよう、文化交流の拠点施設として大いに有効活用していただきたいと存じます。

 さて、平成24年度は合併から8年目、私の市長任期の最終年度に入ります。
 この間、私は「市民と共に歩む市政」を基本姿勢として「人と人との信頼関係」を大切に「一日一生」の思いで市政を運営して参りました。
 選挙公約に示したとおり「行動する市長」として自ら現場に足を運ぶと共に、各地域で開催される懇談会等に積極的に出席し、市民の皆様の生の声を直接お伺いしながら、その声を政策に反映させ、「市民と共に歩む市政」の推進に努めてきたところであります。
 こうした中、市民の皆様からは、市政に対するご意見と叱咤激励の言葉を頂戴し、特に「再来受診受付システム」や「コミュニティバス運行」など生活に直結した事業や「地域づくり推進事業」は継続要望の声が多く、24年度も実施いたします。
 また、公債費負担適正化計画策定以降、繰上償還の実施や低利な起債への借り換えなどの財政運営と国の数次に及ぶ補正予算等により、総合発展計画の主要事業につきまして新たに財源が見込まれることになりましたので、その財源を「特別枠」として「国療跡地利活用事業」と「安全安心のための事業」を追加実施することにいたしました。
 国療跡地につきましては、土地開発公社が銀行借り入れにより代行取得したものであり、その償還期限が平成26年度になっているにもかかわらず、用地取得の事業計画が無かったことから私が早急な事業化を指示し、この度、たたき台の素案がまとまったもので、「特別枠」に入れ込んだところであります。今後、市議会や市民各層からなる「(仮称)国療跡地利活用検討委員会」等からのご意見をいただきながら、利活用の基本計画を策定して参りたいと考えております。
 「安全・安心」は市民生活すべての基本であります。各地域のより所となる、身近な市の施設の耐震化対策につきましては、既存施設の有効活用やリスク分散などへの対処を含め、中長期的な展望のもとに効率的、効果的な基盤整備を総合的な見地から優先順位や方向性を検討しながら進めております。
  この度の「安全安心のための事業」といたしましては、「ごみ処理施設整備事業」「消防庁舎建設事業」や「公共施設耐震補強事業」さらには「公共施設非常用発電機設置事業」など11事業を盛り込んでおり、スピード感を持って進めて参りますので、市民の皆様のご理解ご協力をお願いいたします。



  それでは、平成24年度の予算案及び重点施策の概要について申し上げます。
 平成24年度の地方財政対策は、国・地方とも財源確保が難しい中、「震災」の復旧・復興財源を別枠で確保し、「中期財政フレーム」に基づき、社会保障費の自然増に対応する地方財源の確保を含め、地方交付税をはじめとする地方一般財源総額は、前年度並みに確保されたところであります。                 
 こうした情勢をふまえ、本市の新年度予算は、臨時財政対策債を含む実質交付税を、前年度比0.2%減のほぼ前年度並みで見込んだところであります。しかし、歳入の根幹である市税は、年少扶養控除等の見直しに伴い個人市民税が伸びたものの、法人市民税は世界的な金融経済危機や東日本大震災等の影響もあり、平成19年度の約7億円に対して、半分以下の3億円、また市税総額でも平成19年度に比較し8億2千万円ほど減少するなど、厳しさが増している状況にあります。 
  歳出では、「公債費負担適正化計画」を遵守しつつ、総合発展計画、定住自立圏構想の展開を基本に、私の政治公約である「雇用」「観光」「環境」「健康」「教育」の5Kに加え、「防災」に重点を置き、地域雇用創出推進基金、住民生活に光をそそぐ交付金基金を活用し編成したもので、引き続き「身の丈にあった財政運営」を堅持し、財政規律を保ちながら健全な財政運営に努めて参ります。
  また、公債費は、これまでの繰上償還や県の振興資金などを活用した借り換えにより、前年度比6.6%の減少を見るとともに、実質公債費比率も21年度単年度比率18.5%、22年度が17.3%と改善され、23年度決算では3カ年平均でも基準値の18%を下回ると推計しており、公債費負担適正化計画という本市の財政課題がひとつ解決できるものとみております。
  一方、普通交付税の合併特例による「算定替え」の10割交付分があと3年で終了します。平成23年度の交付額は44億円であります。これまでも行財政改革を進め一般財源の確保に努めてきておりますが、現在実施している各種施策をこれまで通りに行っていくことは到底困難なことであります。
  27年度以降の施策をどのように展開できるか。内容によっては市民に丁寧な説明と周知に時間が必要であり、新年度には、事業・制度の現状把握と徹底した精査を行い、自立に向けた見直し計画を策定いたします。
 平成24年度予算案ならびに主要施策の概要につきましては、配布しております資料を参考にしていただきたいと存じます。

 次に、重点施策につきましては「由利本荘市総合発展計画」における7つの施策の大綱ごとに申し上げます。
 第1は、「地域に開かれた住民自治のまちづくり」についてであります。
 定住自立圏構想につきましては「定住自立圏共生ビジョン」に基づき、地域医療、福祉関連事業を始め、産業振興施策として農業・観光関連団体への支援などを行っているところであります。
 平成24年度におきましても事業の継続拡充を推進し、市内循環バス路線再編など地域公共交通の確保などにも取り組んで参ります。
 また、地域の声を行政に反映させ、地域活性化を図るため設置しております地域協議会につきましては、2期目の委員202名の方々が積極的に地域課題に取り組んでいただいているところであります。
 平成22年度に創設した「地域づくり推進事業」につきましても、新たな取り組みもみられる中、補助率の見直しを行いながら地域の独自性と活力を発揮できる地域づくり活動に対して支援して参ります。
 加えて、本年1月に開催した「地域づくり推進フォーラム」につきましても、引き続き開催していくこととしており、第2回フォーラムについては、本市にゆかりのある総務省の椎川自治財政局長をお迎えして開催する予定であります。

 次に、第2の「活力とにぎわいのあるまちづくり」について申し上げます。
 地域基幹産業である「農業の振興」につきましては、子吉川とその支流に広がる稲作に適した環境や、鳥海山麓の変化に富んだ気象条件など、豊かな地域資源を最大限に活かし「アスパラガス」「ミニトマト」「秋田由利牛」等の戦略的作目の生産拡大を図るとともに、市場からの評価の高い「鳥海りんどう」などを牽引役として「産地づくり」「地域品目」の育成・生産振興を推進して参ります。
 また、水田農業の主体となる稲作は「ペレット堆肥」の本格的生産稼働による資源循環型農業を推進し、「土づくり実証米」により「由利本荘米」のブランドの確立を図るほか、畑作についても畑作振興基金の活用により効率的な畑作経営の確立や複合化・規模拡大等に向けた支援を強化して参ります。
 次に、「農村振興・集落支援」についてでありますが、高齢者世帯の増加や地域産業の停滞、集落機能の低下など農村集落の抱えている課題の解決に向けて「農村集落元気づくり事業」を継続し、地域力の維持・強化を図るとともに、集落支援員や地域おこし協力隊などによる支援体制を強化して参ります。
  また、農村集落の担い手である農家の所得向上を目的として、地域内で生産される農産物の加工や販売などの「農業6次産業化」を推進するため、農家グループ等を対象とした加工施設や直売所の新設・改修に係る経費を助成して参ります。
 次に「畜産振興」につきましては、今年4月に畜産関係者、待望の「あきた総合家畜市場」が本市に開設されます。県内一の繁殖地帯である本市といたしましては、肉用牛の生産基盤の拡大を図るため県やJAと連携して県有種雄牛の評価向上や優良雌牛の確保に取り組んで参ります。 あわせて、地域内の耕畜連携により、飼料用米や稲わら等粗飼料の確保と自給率の向上を図って参ります。
 また、「秋田由利牛」につきましては、畜産振興資金制度の拡充や肥育素牛の導入支援などの生産対策、取扱店の確保等の流通販売対策、学校給食の食材提供等による消費拡大対策など、「秋田由利牛」のブランド確立を目指した振興対策に積極的に取り組んで参ります。
 農業生産基盤の整備につきましては、担い手の育成と農地の集積を図るため、本荘地域(柴野地区)、鳥海地域(平根地区)で県営ほ場整備事業の採択に向けた「県単調査計画事業」を実施いたします。
 さらに、農業用水の安定供給と下流地域の安全対策のため、県営ため池整備事業として、大内地域(もぐら沢地区)及び由利地域(新堤地区)で継続するほか大内地域(岩木地区)において新規に着手いたします。
  また、農村の環境保全と農業用施設の長寿命化のため、これらの活動に対し「農地・水保全管理支払交付金」による支援を継続するとともに、農地の排水強化のための「モミ殻補助暗渠」等を実施する事業に対しましても支援して参ります。
 森林・林業につきましては、「民有林造林促進事業」「森林整備地域活動支援交付金」「森林病害虫対策事業」等を通じて公益的な機能が持続的に発揮されるよう、適切な管理と利用等を支援して参ります。
 また、市有林につきましても「森林整備加速化・林業再生事業」等に基づく着実な整備と長期施業委託の実施による適切な管理を行って参ります。
 さらに、エネルギーの地産地消を進めるため「木質パウダー利活用調査事業」を実施し、公共施設等への木質パウダーボイラーの設置を検討して参ります。
  水産業につきましては、安全な漁業活動のために漁港の整備と維持管理に努めるとともに、漁業者が行う水産資源の保全、増殖のためのクルマエビ等の放流事業に対し継続して支援いたします。また、子吉川等の内水面における種苗放流事業に対しましても、支援して参ります。

 商工業の振興につきましては、地域経済・産業の活性化を図るため、商工会運営費への助成や中小企業融資斡旋制度における保証料等の補助、昨年の東北地方太平洋沖地震復旧支援資金への利子補給を行うほか、地元企業の技術向上や経営革新の支援として「工業振興アドバイザー制度」、販路拡大に向けた「社員の語学研修助成」を継続して実施して参ります。
 また、昨年12月定例会で優遇措置制度の拡充を可決いただきました「工場等立地促進条例」を広くPRし、地域産業の振興と雇用の場の確保につながるよう、企業ニーズに沿った支援策を講じて参ります。
 雇用情勢の改善を図るための事業といたしましては、若年層、新卒者の定住を促すための事業者への助成や、求職者の就業資格取得支援事業、長期IT研修など市の独自施策を実施して参ります。
 さらに、秋田県緊急雇用創出臨時対策基金を活用して、21事業で、87名規模の雇用創出事業を展開し、求職者の就業を積極的に支援して参ります。
 次に、観光振興についてでありますが、本市は国指定史跡「鳥海山」を中心とした豊かな自然や歴史ある文化など、多様な観光資源を有しており、その観光資源であります「文化の伝承・振興」は「観光・物産」と一体的に推進するべきものと考えております。
 また、豊かな自然資源である「桑ノ木台湿原」は、由利森林管理署により木道が整備され、今年の春より全面開放となります。本市を代表する、新たな観光スポットとして注目を浴びているところであり、きめ細やかな情報発信とシャトルバスの運行を計画し、受入体制の強化を図って参ります。
  本年秋には、JR東日本の「秋田プレディスティネーションキャンペーン」が始まることから、全国的に秋田県の注目度が高まります。本市としても関係機関と連携しながら積極的にPR活動をおこない誘客に努めて参ります。
 訪日観光誘客については、昨年10月に韓国・台湾へトップセールスをおこない本市を売り込んで参りましたが、1月には台湾よりツアー客を迎えることができ、雪上車やスノーモービルの雪体験をおこない好評を得ました。また、6月には韓国から鳥海山登山の予約も入っており、一定の成果を上げてきております。引き続き平成24年度も海外ツアー客誘致のためにトップセールスを実施するとともに国際友好都市である中国無錫市からも修学旅行の誘致に向け学校関係者の視察を計画しております。
 また、「由利地域観光推進機構」を中心に豊かな地域資源を活用した体験滞在型観光を推進するとともに、山形県とも連携を図りながら「環鳥海」という枠組みで鳥海山を中心とした広域周遊型観光圏の形成に努めて参ります。

 次に、第3の「健やかさとやさしさあふれる健康福祉のまちづくり」について申し上げます。
 市民の健康づくりにつきましては、優先課題であります生活習慣病予防に対し、特定健診、特定保健指導の実施や各種がん検診等住民健診による疾病の早期発見、受診率の向上に努め、「健康由利本荘21計画」を実践して参ります。
 また、子宮頸がんになりやすいウィルスの有無を検査するHPV(ヒト・パピローマ・ウィルス)検査に対する助成を全国的にも先行する形で実施いたします。子宮頸がん予備軍として把握でき、がんに進行する前に治療することが可能となるものであります。
 自殺予防対策といたしましては、市内の小中学校において「命の大切さ教室」を実施し、高齢者世帯への訪問、24時間無料電話健康相談などと併せて、より一層広い年代における自殺予防の意識を高めて参ります。
 さらに地域医療につきましては、医師確保奨学資金貸付制度及び医師研修資金貸付制度により医師確保・定着に努めるほか、中核的な役割を担う公的医療機関である由利組合総合病院の充実を支援して参ります。
  子育て支援対策につきましては、民間保育園への延長保育促進事業補助金の充実を図るなど、保育所運営にも的確に対応し子育て世帯が安心して働くことができるよう支援して参るほか、安心して医療給付を受けられるよう経済的な負担を軽減する福祉医療制度につきまして、引き続き、市単独での対象年齢を小学校3年生までとし、入院医療費についても中学生までの無料を継続して参ります。
 また、これまで、県で所得制限や上限負担を設けて実施してきました福祉医療費補助事業が、対象者を未就学児童に加えて小学校6年生まで拡大される予定であることから、この補助事業分にも対応して参りたいと存じます。
 障がい福祉においては、一昨年末に成立した障害者自立支援法及び児童福祉法などの改正法がこの4月から全面施行されることに伴い、相談支援及び障がい児支援等の充実を図るとともに、平成24年度から新たに始まる「第3期障がい者福祉計画」に基づき、障がいを持つ方が地域において自立した日常生活及び社会生活を営むことができるよう、福祉サービスの充実を図って参ります。
 災害時要援護者避難支援につきましては、要援護者台帳の更新を行いながら、自治会や民生・児童委員等と情報を共有し、支援体制づくりを強化して参ります。
 また、要援護者等の安全・安心確保対策として、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯を対象に、緊急情報等を保管するための「安全・安心キット」を無償配布し、万が一の救急時に備えて参ります。
  高齢者福祉対策につきましては、高齢者が健康で活動的な生活を送ることができるように、敬老会や長寿祝金などの生きがい支援、介護者教室や介護手当などの家族介護支援、食の自立支援サービス、認知症予防教室などの介護予防支援、軽度生活援助や緊急通報システム貸与などの生活支援事業を実施し、それぞれの状態に応じた健康づくり・介護予防に努めて参ります。
 また、住みなれた地域の中で安心して暮らし続けられるように、高齢者個々のニーズに応じた各種サービスを適切に提供できるよう、保健・医療・福祉・介護の関係機関の連携を図るとともに、地域住民が助け合い、支え合う地域ケア体制づくりの推進に努めて参ります。

 次に、第4の「恵まれた自然と安らぎのある環境共生のまちづくり」について申し上げます。
 生活環境対策につきましては、ごみの減量化を一層推進していくとともに、ごみの適正処理に努めて参ります。
 検討して参りましたごみ処理施設の整備方針につきましては、現在2つある焼却施設を主力施設である本荘清掃センターに統合し、本荘清掃センターの基幹的設備改良を行い、平成26年度末の完成を目指します。一方、矢島鳥海清掃センターにつきましては、一時保管・中継基地として活用していく方針であります。
 このため、平成24年度におきましては、本荘清掃センターの基幹的設備改良に向けた基本設計及び生活環境影響調査を実施して参ります。
 また、本市の環境施策の基本となる環境基本計画を策定するとともに、風力・太陽光・小水力発電やバイオマスなどの再生可能エネルギーの利用促進に向けた施策の展開を図りながら、地球温暖化防止に努めるなど、エコ対策活動を積極的に推進して参ります。
 地域経済の活性化を目指し、平成22年度より「住宅リフォーム資金助成事業」を実施しておりますが、市民の皆様や各関係業界からも高い評価を頂いております。景気が好転する状況にはまだ時間がかかるものと予想されるため、地域経済活性化には継続的な施策が必要との判断から、平成24年度におきましても引き続き事業を継続いたします。補助内容につきましては、補助額上限を10万円とし、「秋田県住宅リフォーム緊急支援事業」と合わせて活用していただき、地域経済の活性化はもとより、居住環境の維持向上や雇用の維持につなげたいと考えております。
また、由利地域前郷の滝沢舘団地は、昭和48年度から昭和56年度まで49戸を建設、供給しております。地域定住を促進する上で、地域に1ヵ所しかない団地の環境整備は重要と位置づけ、平成23年度から5カ年で49戸中老朽化の著しい29戸を改築、20戸については下水道に接続し水洗化を行うものであります。平成24年度は6棟12戸を新築、老朽化住宅2棟8戸を解体し市営住宅入居者の利便性と環境整備を図って参ります。
 本荘中央地区土地区画整理事業については、3号街区公園を整備し、これをもって本事業の都市基盤施設は完成となります。引き続き、換地処分に向けた画地出来形確認測量などを進めて参ります。

 下水道事業につきましては、本荘地域の整備区域の拡大を図ります。また、既存施設の長寿命化のため、岩城地域の道川浄化センター再構築事業を継続するとともに、本荘地域の水林浄化センターの長寿命化基礎調査を行います。
 農業集落排水事業では、東由利地域の田代・黒渕地区の管路施設全体実施設計を行います。また、処理施設の機能強化について由利地域の小菅野地区を継続するとともに、本荘地域の小友第一地区及び由利地域の曲沢地区において新規に着手いたします。さらに、昨年度に引き続き機能診断業務を岩城、由利、東由利地域の6施設において実施いたします。
 簡易水道事業においては、東由利簡易水道統合事業として、既存の東由利簡易水道と沼、杉森地区小規模水道を統合するための連絡管布設工
事を行うとともに、ボツメキ浄水場整備のための実施設計を行います。
 水道事業につきましては、「由利本荘市水道事業第1次施設整備事業」の6年目を迎え、平成22年度からの継続事業である由利原浄水場建設工事を確実に完成させるほか、鳥海、本荘地域の老朽化した管路の耐震化を推進し、安心・安全な水道供給をめざして参ります。
 ガス事業につきましては、震災以降、電力供給不足の懸念が国内的課題となっている現在、環境にやさしい地元由利原産のクリーンな天然ガスを、一人でも多くの市民に提供するための都市ガス普及に力を入れて参ります。他エネルギーとの競合により非常に厳しい経営環境にありますが、安全確保と効率的事業運営に努めて参ります。

 東日本大震災を教訓とした防災対策につきましては、津波対策が喫緊の課題であり、「海抜表示・避難場所表示看板の設置」「津波ハザードマップの配布」「津波避難訓練の実施」などを通して津波に対する備えの啓発を図ってきたところであります。
 現在、秋田県地震被害想定調査検討委員会で検討を進めている、連動地震など新たな知見を踏まえた津波浸水被害想定などの検討結果を基に津波ハザードマップの再調整を図るとともに、洪水・火山ハザードマップなども登載した防災マニュアルを作成・配布し一層の防災意識の高揚を図って参ります。
 災害時において、市民に対していち早く情報を提供し減災に結びつけるため、現在、全国瞬時警報システムの導入により同報系防災行政無線およびIP音声告知端末機から、緊急地震速報などの緊急情報が自動放送されるようになっておりますが、さらに迅速・的確に対処できるよう、携帯電話を活用した消防・防災情報メール配信事業を行って参ります。
 自主防災組織につきましては、「自分たちの地域は自分たちで守る」との「共助」への取り組みとして、各町内会・自治会に設置をお願いしているところであり、今後、各地域・地区の連絡協議会、さらに全市的な組織の設置に向け、自主防災組織活動の活性化を図り、各種施策との連携により一層の防災体制の充実に努めて参ります。
 消防庁舎建設につきましては、市民の安全・安心を確保する防災活動拠点として平成26年度中の完成に向け、高機能通信指令施設の整備とともに取り組んで参ります。また、消防救急無線のデジタル化の基本設計や住宅用火災警報器の設置促進、消防車両の更新や耐震性貯水槽の整備など、消防施設や装備の一層の充実強化を図って参ります。

 次に、第5の「豊かな心と文化を育むまちづくり」について申し上げます。
 学校教育につきましては、「人間性豊かで進取の気性に富む、たくましい子どもの育成」を目標に掲げ、科学的な探究心をはぐくみ、確かな学力が身に付く教育の推進に一層努めて参ります。
 小学校では新学習指導要領の実施2年目を迎えることから、外国語活動の充実や「学習情報センターづくり支援」の実施により、充実した実践的教育活動を推進して参ります。また、平成24年度は中学校において新学習指導要領が実施され、基礎的・基本的な知識・技能の習得と、思考力・判断力・表現力等のバランスが重視されます。そのため、「ホットヒート科学の心」推進事業などの一層の充実を図り、地域、学校、家庭が連携して児童生徒の学習意欲を高め、学力の向上につながる教育活動を実践して参ります。
 教育環境の整備につきましては、鳥海地域統合小学校の校舎及び屋内体育館の建設工事を昨年度に引き続き実施する一方、小中連携校としての整備を図るため、鳥海中学校の特別教室、給食室等の増改築を行い、平成25年4月の開校を目指します。
  また、岩城松ヶ崎地域統合小学校につきましては実施設計が終了したことから平成26年4月の開校に向けて建設工事に着手するほか、東由利中学校につきましては、平成27年4月までの全面改築に向け、実施設計を行います。
 芸術文化の振興につきましては、作品をとおして子どもたちの生きる力や感動する心を養うため、劇団四季による「こころの劇場」や「芸術鑑賞教室」、市民の創作活動の発表の場としての各種「美術展」の開催など、市民の創作意欲や芸術に触れる機会の創出と、芸術文化活動の盛んなまちづくりに努めて参ります。
 文化財につきましては、国指定史跡となった「鳥海山」の文化遺産調査や追加指定に向けた調査並びに保存活用事業を実施します。
 さらに、「定住自立圏構想」事業の一環として「民俗芸能団体連絡会」や「由利本荘市民俗芸能大会」など無形民俗文化財の保存育成継承事業を実施し、市民の貴重な文化資産である民俗芸能の保存・継承に努めて参ります。
 生涯学習・社会教育の推進につきましては、3年目を迎える「第2次生涯学習推進・社会教育中期計画」の具現化を目指し、各種事業の評価・検証を行いながら、読書活動推進事業や学校・家庭・地域の連携推進事業などの、より一層の充実に努めて参ります。
 また、文化交流館カダーレ完成に伴い教育研究所、図書館などを充実させるとともに、南内越コミュニティ体育館の耐震改修事業など、社会教育関係施設の維持補修に努めて参ります。
  スポーツの振興につきましては、本荘由利総合運動公園「水林球場」の改修事業もいよいよ最終年度に当たり、グラウンドの全面人工芝舗装等を実施し、平成25年度4月からの供用開始に向けて整備を進めて参ります。
 また、昨年に引き続き「子吉川レガッタ」などで市民が利用するアクアパルのナックルフォアを年次計画で更新するほか、プロスポーツ選手を招いての交流会やスポーツ教室を開催し、競技力の向上を図るとともに、体育施設の維持管理に努め、市民誰もが安心してスポーツに親しむことができる環境づくりに努めて参ります。

 次に、第6の「心ふれあう情報と交流のまちづくり」について申し上げます。
 市内各地域を結ぶ道路網の整備は、市民生活の向上や地域経済の活性化を図る上で極めて重要な施策であります。また、この度の大震災を契機に、生活や地域の安全安心の確保という側面からも道路の役割が増大しております。そのため、国や県に対し国道・県道の改良整備促進を引き続き要望するとともに、由利橋架替事業、市道の改良整備、維持補修、河川環境整備等について鋭意実施して参ります。
 ケーブルテレビ事業につきましては、各地域の話題を満遍なく取り上げ、市民の要望にお応えしながら、市民のテレビ局「ゆりほんテレビ」として身近で親しまれるよう独自制作番組の充実に努めて参ります。
 また、キャンペーンの実施などでケーブルテレビサービスをPRし、より多くの市民に活用していただけるよう加入促進を図って参ります。
 移動通信用鉄塔施設につきまして平成24年度は東由利地域の黒沢・須郷地区の2カ所に整備いたします。近年の情報化社会の中にあって携帯電話は広く国民に利用され情報収集や緊急時の連絡手段として用いられていることから、今後も不感地域解消に向け関係機関へ要望を継続して参ります。

 最後に、第7の「行政改革による健全なまちづくり」について申し上げます。
 現在、平成22年度から平成26年度までの5カ年を実施期間とした「第2次行政改革大綱」に基づき、全庁・全職員が一丸となって行財政改革に取り組んでいるところであります。
 2年目となる平成23年度は、職員一人ひとりが市民ニーズを的確に判断し、「自ら考え自ら行動する」という意識を持ち、市民サービスの向上や事務の効率化、コスト削減等に積極的に取り組む「業務改善改革実践運動」を新たに開始したほか、合併以来の懸案事項であった「公の施設使用料の見直し」などの課題解決を図って参りました。
 平成24年度は、大綱に定めた改革課題についての達成実績を確認・検証するとともに、社会・経済情勢の変化に対応した見直しを行いながら、地方自治の基本原則である「最少の経費で最大の効果」を実現するため、尚一層の効率的な行財政運営の確立を目指し、引き続き「市民が主役のまちづくり」と「市民から信頼される行政」を基本姿勢として、市政の運営に努めて参ります。
 地方分権の推進や社会経済の変動に対応できる自治体として、行財政改革の継続は不可欠であります。時代の要請に機動的に対応し、さらなる行政改革と効率的な行政の執行を着実に推進して参ります。行政機構につきましては、国内最大の文化の祭典である「国民文化祭」の本県開催を見定め、本市のPR活動を強化し、観光と文化の融合を図るため観光文化振興課を新設するなど、必要な組織機構の見直しを実施します。
 また、全庁的な連携・協力を図りながら、国療跡地利活用基本計画の策定作業を速やかに進めるため、総合政策課内に専門班を新設し、現地の開発や必要な調整を行うプロジェクトチームを編成して着実な作業の実施に努めて参ります。
 政策を遂行するにあたり、その基となるのは人づくりと組織づくりにあると考えます。私は、常々職員に対し、市民の目線に立ち、地域の実情に即して課題に取り組み、それぞれ創意工夫を凝らし、心を合わせて仕事に励むことで、真に活力に満ちた由利本荘市を築くことができると説き、地域の発展のため共に働き、公共の責任を果たすための意義と意識の改革を求めております。
 自己変革を推し進め、サービスの向上や業務の改善を図り、市民から信頼される行政体制を確立するための原動力は、職員の政策遂行能力の開発と組織力の引き上げにあります。このため、職員の事務処理能力を高め、組織の連携強化につながる職員研修の継続実施と、定員管理の推進に対応した適材適所の人事に配慮して参ります。
 公共施設の耐震性の確保につきましては、平成22年度に6施設、平成23年度に7施設の耐震診断を実施しており、引き続き平成24年度事業として「本田仲団地」「由利総合支所」「由利体育館」「大内総合支所」「石脇体育館」「石沢体育館」の6施設の耐震診断を行い、その結果を受けて今後の各施設の維持管理計画に反映するとともに、災害時における市民の安全・安心を確保したいと考えております。また、本庁舎につきましては、昨年8月に策定した本庁舎耐震改修計画に基づき、平成24年度から2ヵ年で耐震補強改修工事を実施して参ります。

 以上、平成24年度の市政運営の基本的な考え方および重点施策の概要についてご説明申し上げました。
 厳しい経済情勢の中ではありますが、均衡ある市政発展のため市民目線での市政に全力を傾注して参る所存でありますので、議員各位をはじめ市民の皆さまのご理解、ご支援、ご協力をお願い申し上げまして施政方針といたします。