夏の全国高校野球大会に出場した、本荘高ナインの姿をカメラで追いました

甲子園の常連・強豪天理高(奈良)に対し善戦

本荘高、校史に刻む初得点


 夏の全国高校野球選手権大会5日目の8月10日、県代表の本荘高校は、第2試合に出場し、過去に春1回、夏2回の優勝経験を有する、甲子園の常連・強豪の天理高校(奈良)と対戦しました。試合は先行する天理に本荘が食い下がる展開となり、しぶとい攻めを見せたものの追撃届かず、5ー7で惜敗しました。
 甲子園という高校球児のあこがれの舞台へ18年ぶり3回目の出場を果たし、全力を尽くした本荘高ナイン。40年越しの初得点を記録するなど、地元の期待に応え活躍してくれました。夏の夜の流星を思わせるきらめきを発したナインの姿をカメラで拾いました。   (文中敬称略)

 柳田市長と井島議長が宿舎を訪問し、選手を激励

 9日、柳田市長と井島市議会議長が本荘高校の宿舎がある堺市の市役所を訪問。同市の加藤助役に選手滞在中の御礼を伝え、午後4時に尾留川監督や選手たちのもとへ駆けつけました。

  

 この日は翌日に備え、早めに練習を切り上げた選手たちに向かい、18年前もアルプス席から声援を送ったことを取り上げながら、柳田市長は「相手は天理と言っても、皆さんが力を出せば勝てる相手。天運をいただける絶好の機会だ。皆さんが存分のプレーをし、幸運が訪れることを願っています。恐れることなく、頑張ってください」と激励。また、井島議長は「いよいよ明日が試合。こういう機会はめったにありません。貴重な体験になると思います。勝敗を気にせず、今日はゆっくり休み、明日はぜひとも頑張ってください」と力づけました。

 駅前と学校から応援部隊が出発

  9日、地元では「おめでとう甲子園出場」の大きな垂れ幕が掲げられた本荘高校正面に11台の大型バスが勢ぞろい。応援団員や吹奏楽部員、一般生徒など、338人に引率教職員を加えた総勢350人が、楽器やメガホンなどの応援用具一式を積み込み、午後7時30分に甲子園に向けて出発しました。

  

 一方、9日夕方には秋田駅や羽後本荘駅前などから出発した本荘高校野球部父母の会や一般応援客約300人からなる応援列車の一行が出発。途中、乗り換え場所となった新潟県坂町駅では、夜遅くにもかかわらず「がんばれ本荘ナイン!!」の垂れ幕で一行を出迎えるなどのうれしい配慮もあり、列車内は10日の決戦へ向けて一致団結した応援ムードに包まれ、あちこちで必勝祈念の御神酒を口に運ぶ姿が見られました。

   


 応援部隊は翌10日の午前10時30分過ぎに阪神甲子園球場に到着。皆さん、長旅の疲れも感じさせず、試合を待ちきれない様子で、球場入り口などで記念撮影を済ませ、早速応援の準備などに取りかかっていました。

   

 強豪・天理にリードを許す、苦しい展開

 この日の第2試合、本荘ー天理は、真夏の強い日差しが照りつける中、正午過ぎにプレーボール。先攻の天理は初回、本荘の先発、左腕・高橋佑輝の不安定な立ち上がりをとらえ、長打などで2点を先制。

  


 「いざ鶴舞の健児!」。白と紺のTシャツでそろえた生徒が肩を組み、声を張り上げての「必勝歌」で気勢を上げるアルプススタンド。追いかける本荘でしたが、序盤は天理・藤井投手の前に打線が沈黙。四回まで無得点に押さえられました。

  

 五回の表、何とか立ち直って追加点を与えず、ここまで踏ん張ってきた高橋投手を再び天理打線が襲い、無死満塁から走者一掃の二塁打、なおも間髪を置かず、直球をねらわれて左翼越え本塁打に。集中打を浴び、7ー0とリードを広げられました。

 広がる点差に比例するように、応援席からはにぎやかな歓声が徐々にしぼみ、選手たちを信じ、祈るような気持ちでグラウンドを見つめ続ける生徒や父母、観客の間に、言葉にならない重い空気が漂い始めました。

 打線が奮起、気迫で立ち向かう本荘

 交代した右腕・伊藤卓が、劣勢に傾いた流れを断ち切ろうと、直球を主体に押す渾身のピッチング。見事に後続を抑え、アルプススタンドには再び熱気が戻ってきました。

   


 そしてその裏、打線が奮起。開き直った本荘は果敢に藤井投手に立ち向かい、一死の後、伊藤、高橋がともに三遊間を破る安打、続く犠打で二死二、三塁に。ここで県大会でのサヨナラ決勝打の記憶が鮮明に残る東海林が打席に立ちました。

 「ワッショイ、ワッショイ」。
 悲願の初得点に向けたお膳立てが整い、応援席では「チャンス本荘」の音楽と総立ちでの大声援を送り、その一振りに望みを託しました。

  

 東海林、殊勲の適時打で初得点
 
 気迫で引っ張った東海林の打球は三塁線を強襲。ベースに当たって打球が大きくバウンドする間に伊藤、高橋が相次いで生還。ついに、校史に刻む初得点を挙げました。
 1400人が集まった一塁側アルプススタンドには大歓声がとどろき、まるで「勝ち越した」かのように喜びが爆発しました。過去2回の出場はいずれも無得点で涙を呑んだ本荘。誰もが待ち望んだ瞬間でした。

          

 活気みなぎる応援で勢いづいた本荘は六回にも、鈴木謙太が内野安打で出塁。主将・鈴木徹が右越え三塁打を放って追加点を奪い、さらに捕逸で自らも本塁を踏み、藤井投手をマウンドから下ろすなど、懸命の食い下がりを見せました。

  

 7点差から一転、執念の猛追に応援席の盛り上がりも最高潮。逆転を信じ、声を限りに叫び続ける応援団、頬をつたう汗と涙をぬぐうこともせずひたすら吹き続ける吹奏楽部、一糸乱れぬ生徒たちの応援……。
 この日のために各地から駆けつけた本荘高校卒業生や野球部OB、そのほか一塁側アルプススタンドにいたすべての人が一体となり、ホームを走り抜ける選手の姿に狂喜し、さらなる得点を信じてエールを送り続けました。

 しかし、終盤は、本荘・伊藤、天理・後藤の両投手が譲らず、膠着状態に。
 九回表、好投を続けてきた伊藤が痛烈なライナーを左肩に受けて退場。再登板した高橋が力強い一球で打者を仕留め、いよいよ本荘が最後の攻撃へと移りました。

 気を吐く東海林、九回にもソロ本塁打

 五回に初得点を決めた東海林が二死から打席へ。
 「思い切り、行けー」。
 カウント2ー2から五球目のストレートを叩いたボールは、バックスクリーン左に飛び込む今大会第20号本塁打に。


 最後の最後まであきらめず、粘る本荘の力強さを象徴する一打に、またもスタンドは割れるような大歓声に包まれ、最高の盛り上がりに。球場からも惜しみない拍手が送られました。

 直後に打者が打ち取られ、追撃及ばずゲームセット。初戦突破こそなりませんでしたが、先攻されながらも闘志あふれるプレーで強豪・天理と互角にわたり合い、校史に新たなページを刻む初得点を記録した本荘高ナイン。
 健闘及ばず5ー7で惜敗。2回戦進出はかないませんでしたが、点差が開いても決してあきらめず、フェアプレーに徹し懸命に戦う姿は、地元を始め多くの人々に感動を与えてくれました。

▽1回戦

天 理 200 050 000 |7
本 荘 000 022 001 |5