銅印(どういん)

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ページ番号1003579  更新日 2022年12月14日

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名称
銅印
員数
1顆
出土地
由利本荘市川口字大覚 地内(大覚遺跡)

概要

材質
青銅
法量
方4.4センチメートル、高さ5.2センチメートル
質量260.40グラム、密度8.15グラム毎立法センチメートル(20℃)
形態
莟紐(かんちゆう)有孔型、(未貫通)
外郭幅4~5ミリメートル
印面:未整形
特徴
印字:彫り方が極めて浅い
筆画:勢いがなく、太く平板
時代
10世紀以降カ
印文
不明「佐」カ

写真:銅印

銅印の意義

覚遺跡出土の本銅印は、古代の印章として、秋田市古四王神社伝世の銅印(印文「四王寺印」〈国重要文化財〉)に次いで二例目であり、出土品としては県内初のものです(東北では四例目)。印章は権威の象徴であり、律令制下の文書行政においては重要な位置を占めていたことから、本銅印は、出羽国における郡経営や在地社会を解明する上で重要な資料といえます。
また、本銅印が出土した大覚遺跡は、上谷地遺跡、新谷地遺跡、横山遺跡など、古代遺跡が多く確認されている南内越地区に位置し、出土地が明確であることから、出羽国飽海郡の郡経営のあり方を探る上でも有用です。さらに、銅印の形態が12世紀後半の平泉柳之御所遺跡出土「磐前村印」と類似することから、本銅印は10世紀以降の古代印の変遷に極めて合致する特色をもつ印章であり、「磐前村印」と同様に、古代印の変革を伝える銅印と考えられます。加えて、製作年代が10世紀以降と考えられることから、律令行政が形骸化した古代地方社会においても、文書行政の表徴である公印の模倣として製作されたことを窺わせる資料でもあります。
したがって本銅印は、飽海郡から由利郡へと展開した古代から中世における本市域の地域社会の様相を具体的に検討しうるものであり、古代末期における在地勢力の存在を考える上でも重要な資料といえます。

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このページに関するお問い合わせ

教育委員会生涯学習課
由利本荘市西目町沼田字弁天前40番地61 西目総合支所内
電話:0184-32-1332 ファクス:0184-33-2202
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