○由利本荘市空家等の適正管理に関する条例
平成27年6月24日
条例第42号
(目的)
第1条 この条例は、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)第4条の規定に基づく空家等に関する対策の実施その他の空家等に関する措置について必要な事項を定め、空家等の管理の適正化を図ることにより、倒壊等の事故、犯罪、火災等を未然に防止し、もって住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全に寄与することを目的とする。
(1) 空家等 市内に所在する建築物又はこれに附属する工作物(以下「建築物」という。)であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着するものを含む。)をいう。
(2) 特定空家等 そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態と認められる空家等をいう。
(3) 所有者等 市内に所在する空家等を所有し、又は管理する者をいう。
(4) 住民等 市内に居住し、若しくは滞在し、又は通勤し、若しくは通学する者をいう。
(民事による解決との関係)
第3条 この条例の規定は、特定空家等の所有者等と当該特定空家等により害を被るおそれのある者との間で、民事による事態の解決を図ることを妨げない。
(所有者等の責務)
第4条 空家等の所有者等は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適正な管理をしなければならない。
(市の責務)
第5条 市は、この条例の目的を達成するため、次に掲げる事項を実施しなければならない。
(1) 空家等が特定空家等になることを防止するための所有者等の意識の啓発、情報の提供その他必要な措置に関すること。
(2) 特定空家等に対する改善又は解消を図るため必要な措置に関すること。
(空家等の情報提供)
第6条 住民等は、空家等が特定空家等と認められる場合は、市に対し、当該空家等に関する情報を提供することができる。
(実態調査)
第7条 市長は、空家等の所在及び当該空家等の所有者等を把握するための調査その他空家等に関しこの条例及び法の施行のために必要な調査を行うことができる。
2 市長は、前項により当該職員又はその委任した者を空家等と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りではない。
3 第1項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとする者は、その身分を証明する証明書を携帯し、関係人より請求があったときは、これを提示しなければならない。
4 第1項の規定による立入調査は、これを犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(空家等の所有者等に関する情報の利用等)
第9条 市長は、固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって氏名その他の空家等の所有者等に関するものについては、法第10条第1項の規定により、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
2 市長は、法第10条第3項の規定により、関係する地方公共団体の長その他の者に対して、空家等の所有者等の把握に関し必要な情報の提供を求めることができる。
(助言又は指導)
第11条 市長は、特定空家等の所有者等に対し、法第22条第1項の規定により、当該特定空家等に関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態にない特定空家等については、建築物の除却を除く。次条について同じ。)をとるよう助言又は指導することができる。
(勧告)
第12条 市長は、前条の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該特定空家等の状態が改善されないと認められるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、法第22条第2項の規定により、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。
(命令)
第13条 市長は、前条の勧告を受けた者が正当な理由がなくその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要と認めるときは、その者に対し、法第22条第3項の規定により、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。
2 市長は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
3 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日以内に、市長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
6 第4項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
7 第1項の規定による命令については、由利本荘市行政手続条例第3章(第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。
(1) 特定空家等が倒壊し、又はその建築材料が脱落し、若しくは飛散することが確実であると認められ、かつ、人の生命、身体又は財産に被害を及ぼすおそれが高いと認められる場合
(2) 前号に規定する場合のほか、特定空家等が著しく保安上危険であり、又は著しく衛生上有害であると認められる場合
2 市長は、第13条第1項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができないとき(過失がなくて第11条の助言若しくは指導又は第12条の勧告が行われるべき者を確知することができないため第13条第1項に定める手続により命令を行うことができないときを含む。)は、法第22条第10項の規定により、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、市長又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。
(緊急安全代行措置)
第16条 市長は、空家等が緊急に危険を回避する必要のある状態にあり、かつ、当該空家等を放置することが公益に反すると認められた場合は、当該危険を回避するために必要と認める最低限度の応急処置(以下「緊急安全代行措置」という。)をとることができる。
2 市長は、緊急安全代行措置をとる場合においては、所有者等を確知することができない場合を除き、あらかじめ所有者等の同意を得なければならない。
3 市長は、緊急安全代行措置をとったときは、その費用を所有者等から徴収することができる。
(空家等及び空家等の跡地の活用等)
第17条 市は、空家等及び空家等の跡地(土地を販売し、又は賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するものを除く。)に関する情報の提供その他これらの活用のために必要な対策を講ずるよう努めるものとする。
(関係機関の連携)
第18条 市長は、必要があると認められる場合は、市の区域を管轄する警察その他の関係機関と必要な措置について協議することができる。
(協議会)
第19条 市は、法第8条第1項の規定に基づき、法第7条第1項に規定する空家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関する協議を行うため、由利本荘市空家等対策協議会(以下「協議会」という。)を置くことができる。
2 協議会は、委員10人以内をもって組織し、市長を除く委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 学識経験者
(2) 公募に応じた市民
(3) その他市長が必要と認める者
3 協議会の委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 前3項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
(委任)
第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成27年7月1日から施行する。
附則(令和6年3月26日条例第9号)
この条例は、公布の日から施行する。