再エネ海域利用法が施行されました

   国では、洋上風力発電の導入促進に向けて新たな法律を制定するなど、事業環境の整備を進めています。現在、風車を海上に設置して発電を行う、洋上風力発電の計画が全国で多数持ち上がっており、その数は全国で20を超えます。秋田県でも、平成27年に洋上風力発電事業の「候補海域」を設定して誘致を進めてきた結果、本市沖合を含めて複数の事業が計画されています。
 そこで、国のエネルギー政策や新法の内容、本市との関連について紹介します。

参考:全国の洋上風力発電導入状況と環境アセスメント手続き中の案件(P13)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/yojo_furyoku/pdf/001_03_00.pdf


国のエネルギー政策
 平成30年7月に閣議決定された第五次エネルギー基本計画では、福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、原発依存度の低減と地球温暖化抑制の観点から、再生可能エネルギーを主力電源化することにしています。
 また、再生可能エネルギーの主力電源化のためには、洋上風力発電の導入拡大が不可欠であるとして、海域利用のルール整備や発電コストの低減に向けた技術開発など、洋上風力発電の導入促進策を講じていく方針が示されています。

参考:第五次エネルギー基本計画
https://www.meti.go.jp/press/2018/07/20180703001/20180703001-1.pdf


地球温暖化が進むと 
 IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の報告では、このまま地球温暖化が進むと、今世紀末には地球の平均気温が最大で約4.8度上昇すると予測しています。
 地球温暖化の結果、異常気象が起こりやすくなり、農業への打撃、感染症や災害の増加など、私たちの生活や経済に様々な悪影響が生じる可能性が指摘されています。

参考:IPCC 第5次評価報告書
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar5/index.html


洋上風力発電
 1991年にデンマークで世界初の洋上風力発電所が稼働して以来、2018年末までに全世界で約2,300万キロワットの洋上風力発電所が建設されています。
 これは、東北電力管内の年間電力需要に匹敵する規模で、2030年時点の導入量は、現在の5倍超に達する見込みです。
 特に導入が進む欧州では、新設される洋上風力の発電コストが、石炭火力に並ぶ水準になっています。
 一方、日本の洋上風力発電への取組みは、国の研究事業などに限られてきましたが、近年、欧州などの先進国の事例や化石燃料からの転換を目指す国際的な枠組みを受け、洋上風力発電への関心が高まってきました。
 日本風力発電協会の試算では、風車の基礎を海底に打ち込む「着床式」の洋上風力発電だけでも、日本の年間電力需要の22%以上を賄える可能性(9,500万キロワット)があるとされています。


再エネ海域利用法の制定
 昨年11月には「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」が、衆参全会一致で成立し、国が先に立って洋上風力発電の導入を促進する仕組みを整えました。
 同法は4月1日に施行され、国が洋上風力発電を行う事業者を公募して選定すること、事業者は、指定された海域を最大30年間利用できることなどが盛り込まれています。
 事業者の選定にあたっては、地域との共生にどのように取り組むのか、技術的な能力は十分か、発電コストをどの程度安くできるのかなどの観点から評価が行われます。
 なお、法の具体的な運用については、大学教授や弁護士、金融機関などの専門家で組織する審議会で検討が進められています。

参考:海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)https://www.meti.go.jp/press/2018/11/20181106001/20181106001.html

参考:総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会洋上風力促進ワーキンググループ 交通政策審議会港湾分科会環境部会洋上風力促進小委員会 合同会議(第1回:平成30年12月25日https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/yojo_furyoku/001.html

合同会議(第2回:平成31年1月30日)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/yojo_furyoku/002.html

合同会議(第3回:平成31年2月28日)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/yojo_furyoku/003.html

合同会議(第4回:平成31年3月20日)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/yojo_furyoku/004.html

合同会議(中間整理:平成31年4月22日)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/yojo_furyoku/20190422_report.html


本市の取り組み
 再エネ海域利用法の施行により、今後、洋上風力を含む再エネ関連施設が全国の海域に整備されていくことになります。
    こうした国のエネルギー転換政策を受け、市では、3月、市議会議員や市職員を対象に、同法の概要や今後の運用、風車の騒音と健康への影響などについて、内閣府や国土交通省、経済産業省、環境省の職員から学ぶ機会を設けました。
 また、本市沖に民間事業者が計画している洋上風力発電に対して市民の皆さんや各団体から、様々な期待や不安の声をいただいていることから、今夏には、市議会とともに海外の先進地を視察調査し、その結果を報告会や広報等を通じて、市民の皆さんへお伝えしていく予定です。
 現段階で、事業を行うための区域の指定や事業者が決まっているものではありません。
 今後、本市沖が有望な区域に選定され、協議会が設置された場合、各方面からの意見や先進地での実態調査の結果などを総合的に捉えて意見を述べることにしています。