令和2年度施政方針

【令和2年第1回市議会定例会(R2.2.17開催)より】


 本日、第1回市議会定例会において、令和2年度予算案をはじめ、諸議案のご審議をお願いするにあたり、議員各位に敬意を表しながら、市政運営にあたっての、施策の概要を述べさせていただき、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 今年は、東京でオリンピック、パラリンピックが開催され、各競技で繰り広げられる熱戦と選手たちの活躍が、世界中の人々に勇気と感動を与えてくれることに、期待が膨らむ特別な年であります。
 本市においては、誕生から15周年を迎える節目の年であり、私にとって市政運営3期目の最終年度であるとともに、「新創造ビジョン」の後期5カ年のスタートを切る重要な1年でもあります。
 私は、この1年を、これまでの総仕上げとして、重点的に取り組んできた施策をさらに推進するとともに、新しい時代を切り拓く、「チャレンジ」の年として位置づけ、本市のさらなる発展を目指し、新規事業にも果敢に挑戦して参りたいと考えております。

 さて、令和2年度の地方財政につきましては、国の予算が102兆6千億円余りと、過去最大を更新する中、地方交付税が昨年度より4千億円多い、16兆6千億円と、2年連続のプラスとなったほか、地方の一般財源総額も7千億円増の63兆4千億円とされております。
 一方、市の財政状況は、令和2年度に、普通交付税における合併算定替えの特例加算分が廃止されるなど、厳しい状況が続くことから、引き続き行財政改革に取り組みながら、市民生活の向上に努めているところであります。

 そのような中にあって、平成27年度より重点的に取り組んで参りました移住定住の促進により、これまでに200人を超える移住を実現いたしました。
 また、県内におけるこの春の高校卒業予定者においては、県内就職希望者の割合が、15年ぶりに70パーセントを超え、リーマンショック以前の水準となり、県内就職希望者の内定率も、前年を上回るペースにあるなど、明るい兆しも見えております。
 今年は、「こどもプラザ・あおぞら」や「北部学校給食センター」がオープンを迎え、さらに、好評をいただいている「鳥海山木のおもちゃ美術館」、「総合防災公園・ナイスアリーナ」においても、さらなる魅力の向上を図りながら、健康で住みよいまちづくりの形成と、さらなる移住定住・地元定着の促進、交流人口の拡大、にぎわいの創出に全力で取り組んで参ります。


 令和2年度の施政方針につきましては、次の7点に重点を置き施策を実施して参ります。

 1点目は「総合計画、総合戦略と財政」であります。
 「総合計画・新創造ビジョン」につきましては、前期5カ年の成果や課題を見極め、社会経済情勢の変化や市民ニーズを踏まえるとともに、議員各位をはじめとして、広く市民の皆様からご意見をいただきながら、「新創造ビジョン」後期基本計画を策定したところであります。
 また、総合戦略につきましても、現計画の継続を力に、これまでの効果検証結果等を踏まえ、より一層充実・強化するほか、関係人口の創出など、国が示す「新たな視点」を盛り込んだ「第2期総合戦略」として、現在、策定を進めているところであります。
 本市はこれまで、「人口減少に歯止めをかける」ことを最重要課題に、各種施策を積極的に展開して参りましたが、東京一極集中が続く中にあっては、一朝一夕に解決できるものではありません。
 その中でも、ここ数年は、移住者数の増加や、転出者数に減少傾向が見られるなど、これまでの取り組みが成果として現れつつあることから、さらに、暮らしやすい由利本荘市を目指し、「人口減少を少しでも緩やかにする」よう、あらゆる施策に取り組んで参ります。

 次に財政についてでありますが、本市の新年度予算では、普通交付税について、地方財政計画の増額分や合併算定替えの特例加算分が廃止になることを考慮し、総額で約155億1千万円、臨時財政対策債との合計では約163億8千万円と見込んでおります。
 また、歳入の根幹である市税については、固定資産税などで伸びが見込まれることから、前年度比2億3千万円ほどの増額となっております。
 歳出面では、「総合計画・新創造ビジョン」や「総合戦略」に基づき、小、中学校などの教育環境の充実や羽後本荘駅東西自由通路をはじめとするインフラ施設の整備に取り組むなど、地域経済の活性化、市民生活のさらなる安全安心に向け、積極的な予算編成としたところであります。

 来年度以降は、過疎債や合併特例債が区切りを迎え、人口減少に伴う普通交付税の減額が想定されることから、持続可能な行財政運営の推進を基本方針としてスタートする「第4次行政改革大綱」に基づき、市民福祉の向上と安定的で質の高いサービスの持続的な提供に向けて、行政改革の取り組みを積極的に進めて参ります。


 2点目は「移住定住と外貨獲得の推進」であります。
 移住定住の促進につきましては、本市が重点的な取り組みを始めて5年目となり、これまでの移住者の累計は、112組、223人となっております。引き続き、仕事や住まいの情報提供など相談者に寄り添った移住支援を行うとともに、余暇時間の過ごし方や地域との関わりなど、本市ならではの充実した暮らしを紹介し、新たな移住希望者の掘り起こしにも力を入れて参ります。
 また、令和2年度からの新たな取り組みとして、空き家等を利活用した移住体験機会の提供により、関係人口の創出や、さらなる移住の実現に繋げて参ります。

 若者等の地元定着対策といたしましては、企業を対象に、インターンシップの導入促進や、新卒者獲得のためのスキルアップセミナーなどを行うほか、中学生や高校生に対しては、関係機関と連携しながら、企業説明会等の機会の充実を図って参ります。

 市産品の売り込みにつきましては、「まるごと連携協定」や「地方創生包括連携協定」を基軸に、地域商社と協調した企業訪問・商談を実施し、商品定番化や新規取引先の開拓をはじめとした、さらなる外貨の獲得に努めるほか、お土産品の開発・改良に取り組む事業者を支援して参ります。

 また、トップスポーツや興行、スポーツ合宿の誘致のほか、ふるさと納税による魅力発信などの売り込み活動により、交流人口の拡大や関係人口の創出、地域産業の活性化に繋げて参ります。


 3点目は「産業・観光振興と雇用創出」であります。
 商工業の振興につきましては、「第3期由利本荘市工業振興ビジョン」に基づき、既存の電子部品・デバイス産業の集積に加え、航空機・自動車等の輸送機関連産業に参入する地域企業を戦略的に支援するとともに、新たな企業立地の推進と生産性向上に係る施策を展開して参ります。
 加えて、「中小企業融資あっせん制度」による持続的な事業者支援をはじめ、「創業支援補助」、若年・女性建設労働者の入職率向上に向けた「トライアル支援」と「スキルアップ事業」の実施や、「IoT技術者研修会」等を開催し、産業人材の育成と雇用創出の取り組みを加速させて参ります。

 観光振興につきましては、「由利本荘市観光振興計画」及び「鳥海山観光ビジョン」を基に、鳥海山をはじめとする本市の特色ある豊かな観光資源を活かしながら、「鳥海山木のおもちゃ美術館」を活用したファミリー層向けの体験イベントや、工事の進捗に伴い日々変わりゆく「鳥海ダム」工事現場見学会を開催するなど、広域的な観光誘客を促進するとともに、にかほ市や遊佐町、酒田市と連携した、環鳥海エリア観光をさらに推進して参ります。
 また、令和3年4月から9月にかけて開催される、「東北デスティネーションキャンペーン」に向けた、「プレ・デスティネーションキャンペーン」の一環として、JRグループをはじめ、旅行エージェントやメディア向けの「体験型見学会」である、「エクスカーション」を今年6月に本市において実施し、旅行企画の造成により誘客を図って参ります。

 訪日観光につきましては、長年のトップセールスが実を結び、タイ王国からの観光や教育旅行など、多くの方々から本市を訪れていただいております。
 昨年7月には、タイ王国のワチュラウッド王立学校をはじめとする4校と、本市の学校との相互交流を目的とした「覚書」を締結したところであり、これを契機にタイ王国からの教育旅行の誘致を推進するとともに、引き続き、台湾の旅行会社などに対してもトップセールスを行うなど、海外からの誘客活動を積極的に展開して参ります。

 さらに、鳥海山・飛島ジオパークにつきましては、日本ジオパーク認定から4年目を迎えるこの秋に、再認定審査を受けることとなっております。ジオパーク推進協議会と4市町が連携して、再認定に向けた準備を進めるとともに、引き続き、看板等の環境整備や教育への活用、認定商品制度による特産品開発など、地域資源を活用した取り組みを推進して参ります。

 次に、農林水産業についてでありますが、米政策につきましては、引き続き、「生産の目安」を提示し、需要に応じた「売れる米づくり」を推進するとともに、減農薬栽培「あきたエコライス」の取り組みを支援して参ります。
 また、水稲機械の導入支援やICTの活用によるモデル事業を継続するほか、新たに、スマート農業の推進として、農業用ドローン導入等への支援により、経営基盤の強化を図って参ります。

 園芸作物につきましては、「秋田鳥海りんどう」、「アスパラガス」など、高収益な作目の振興を図るとともに、新たに、中小規模農家等の機械・資材等の導入や、中山間農地等の受け手への支援により、水田の利活用を推進して参ります。
 また、地域農業を継承する多様な担い手の確保・育成を図るとともに、農地中間管理事業等の活用により、効率的な農地利用を推進し、地域農業の維持発展に努めて参ります。

 畜産につきましては、畜舎建設等による経営基盤の強化を図る農家を支援するとともに、小規模農家には、市独自の畜産経営維持拡大支援事業を引き続き実施して参ります。
 秋田由利牛振興につきましては、県内外への流通販売並びに消費拡大対策を積極的に実施し、秋田県をリードする、「秋田由利牛ブランド」の確立に取り組んで参ります。

 農業生産基盤整備につきましては、本荘地域松ヶ崎地区と矢島地域小板戸地区の県営ほ場整備事業を推進して参ります。
 また、ため池や用排水路等の施設整備、日本型直接支払制度による、農業生産活動への支援を継続するほか、防災重点ため池のハザードマップ作成に取り組んで参ります。

 森林・林業につきましては、森林環境譲与税を活用し、所有者の森林経営に関する意向調査や間伐推進のための森林作業道整備などを支援するとともに、松くい虫やナラ枯れ被害防止対策を講じ、林業経営の向上と多面的機能の維持・増進に努めて参ります。

 水産業につきましては、西目及び道川漁港について、施設の長寿命化を図るため、防波堤及び橋梁の補修整備を継続するとともに、漁業者の安全操業の確保や、漁港内への立入禁止柵等の設置による釣り人の安全対策に努めて参ります。


 4点目は「消防・防災」であります。
 「防災減災のまちづくり」といたしましては、「総合防災公園」を、地域防災拠点及び広域防災拠点として活用していくとともに、多様化する災害から市民の安全・安心を守るため、消防車両の更新や消防格納庫の建て替え、耐震性貯水槽の整備、消防団員の安全装備品の配備など、消防施設や装備の一層の充実強化を図って参ります。

 防災対策といたしましては、8月下旬に、総合防災公園を主会場にして、秋田県と由利本荘市の主催による「秋田県総合防災訓練」を実施いたします。全国各地では毎年のように自然災害による甚大な被害が発生しており、本市においても、万一の事態に備えるため、大規模災害を想定した総合的な訓練を実施することにより、市民の皆様に災害時の対応を周知するとともに、各関係機関相互の連携を深める、重要な事業であると考えているところであります。
 また、新たに作成する津波、土砂災害、洪水、火山噴火時等のハザードマップ及び災害対応マニュアルを市内の全世帯に配布し、各地域で想定される危険性や危険箇所及び災害発生時にとるべき基本的行動を周知するとともに、自主防災組織活動促進補助金制度などを活用した、町内会等の共助による地域防災力の向上を図って参ります。


 5点目は「教育・文化・健康福祉」であります。
 教育につきましては、令和2年度から5カ年を見通した、新たな「教育の振興に関する大綱」に基づき、「総合教育会議」を開催して教育施策の方向性を共有し、教育環境の充実を図りながら、より一層、教育行政の推進に努めて参ります。
 具体的な施策につきましては、この後、教育長の教育方針で述べますが、「北部学校給食センター」の8月稼働に向けて鋭意取り組むとともに、新山小学校や矢島小学校の改築事業のほか、本荘北中学校の大規模改修工事に着手するなど、引き続き計画的に「学校環境の整備」に努めて参ります。

 また、スポーツ立市宣言5年目の節目を迎え、6月9日に本市を通過する「東京オリンピック聖火リレー」では、競技用ボートを活かした特色的な取り組みを行うほか、「ナイスアリーナ」においても全国規模の大会を開催するなど、「する・観る・支えるスポーツ」の振興に努め、スポーツ立市のより一層の推進を図って参ります。

 多くの利用者で賑わっている「鳥海山木のおもちゃ美術館」においても、「あゆの森公園」を新たに整備し、本市の特色ある木育美術館として、その魅力を全国に情報発信して参ります。「カダーレ」や「まいーれ」とともに、交流人口の拡大と賑わいの創出に努めながら、「コミュニティ・スクールのまち」として、地域と一体となった「ふるさと愛を育む教育」を推進して参ります。

 健康福祉につきましては、少子高齢化に伴い、地域住民が直面する生活課題・福祉課題は、ますます多様化、深刻化してきており、このような状況を踏まえ、地域住民の課題に対する包括的な支援の充実に努めて参ります。

 子育て支援につきましては、4月に「由利本荘市こどもプラザ・あおぞら」を開設いたします。保育士等が常駐し、子育て相談や子育て家庭の交流、子どもたちの遊びの場として、多くの子育て世代が気軽に利用できるよう、市民に愛される施設運営を図って参ります。
 7月には安心して妊娠・出産・育児ができるよう、「(仮称)子育て世代包括支援センター」を本荘保健センターに開設する予定であり、保健師や助産師などが関係機関と連携した、妊娠期から切れ目のない包括的な支援を実施して参ります。
 また、3才以上の保育料及び副食費の全額無償化や、妊婦・小児インフルエンザ助成など、子育て世帯の経済的負担の軽減に努めて参ります。

 福祉支援につきましては、多様化、複合化する介護・障害・生活困窮などの相談への一体的な対応を推進するため、7月に、「総合相談窓口」を鶴舞会館に開設する予定であります。開設に伴い、現在庁舎内にある「福祉支援課」と「中央地域包括支援センター」を鶴舞会館に移転し、「障がい者基幹相談センター」や「生活支援相談センター」などの関係機関と連携しながら、対象の属性にかかわらず、相談をまるごと受け止め支える包括的な相談支援を実施するとともに、地域福祉につきましても、「第3期地域福祉計画」に基づき、社会福祉協議会や民間団体、地域住民との協働による、福祉サービスの向上と地域共生社会の実現に努めて参ります。

 健康づくりにつきましては、「健康寿命の延伸」を目指し、「健康の駅・秋田ゆりほんじょう」を拠点として、「生活習慣病の予防」や「こころの健康づくり」、「インターバル速歩」など、市民活動と連携した取り組みを推進して参ります。
 また、地域医療につきましては、中核病院である由利組合総合病院への運営費支援や医師の確保に努め、市民が将来にわたり安心・安全に暮らすことができるように、医療提供体制を堅持して参ります。

 高齢者福祉につきましては、世帯が抱える課題の多様化、複合化とともに、介護サービスへのニーズの増加が見込まれることから、高齢者一人ひとりが誇りを持ち、自分らしく自立した日常生活を送り続けることができるように、高齢者それぞれの状況に応じた適切な生活支援サービスや、効果的な介護予防サービスを提供するとともに、高齢者やその家族が安心して介護サービスを利用できるよう、サービス基盤の充実と質の向上に向けた取り組みを推進して参ります。
 また、高齢者に関する複合的な相談に、関係機関と連携して迅速な対応ができるよう、4つの地域包括支援センターの機能強化を図りながら、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、市民の皆様とともに地域包括ケアシステムの深化・推進に取り組んで参ります。

 国民健康保険事業につきましては、特定健診受診率向上のため効果的な勧奨方法を実施していくほか、医師会と連携を深めながら、糖尿病による腎臓障害の重症化予防にも努めて参ります。


 6点目は「社会資本整備・環境」であります。
 本市の道路等整備につきましては、継続事業を進めるとともに、新たに、鳥海ダム建設事業に伴う市道の付替整備を行って参ります。
 また、長寿命化修繕計画に基づく橋梁等の点検や、機能保全工事を重点的に行って参ります。

 除排雪につきましては、地域の実情に合わせた除雪作業を行い、市民の安全・安心を図って参ります。

 平成22年度から実施している「住宅リフォーム資金助成事業」は、地域経済の活性化や居住環境の向上を目的として行って参りました。市民ニーズや社会情勢の変化を受けて、子育て世帯や移住世帯が実施するリフォーム工事に対し手厚く助成を行うよう制度内容を改正するなど、地域定住や移住の促進にも寄与するために、継続して実施して参ります。

 「ガス水道局」関係では、令和2年度より、下水道事業・集落排水事業をガス水道局に移管し、名称を「企業局」に変更いたします。

 下水道事業につきましては、引き続き、石脇地区及び赤沼地区の整備区域の拡大を進めるとともに、既存施設の長寿命化、機能強化を図って参ります。

 水道事業につきましては、「鳥海ダム利水計画事業」として、各地域を結ぶ送水管等の布設工事を実施いたします。
 また、矢島地域の浄水場を統合する「矢島統合整備事業」の実施設計業務を実施いたします。

 ガス事業につきましては、経年管更新事業を継続実施し、安全確保に努めるとともに、環境性に優れた地元由利原産天然ガスの利用促進を図って参ります。

 羽後本荘駅周辺の整備につきましては、現在着手している「東西自由通路線本体及び新駅舎の工事」の基礎工事に遅れが出ているとの報告がありました。状況によっては、供用開始が遅れることも想定されますが、引き続き東日本旅客鉄道株式会社と協議を進め、早期完成を目指して参ります。

 再生可能エネルギーにつきましては、地域に存在する様々なエネルギー資源の積極的な利活用により、地球温暖化防止や低炭素社会の構築、産業振興による地域活性化が期待されております。
 一方、国連の「気候変動に関する政府間パネル」の報告では、二酸化炭素など温室効果ガスの排出削減対策を早急に講じなければ、今世紀末における世界の平均気温が、産業革命前の水準と比べ最大4.8度上昇するとしており、海水面の上昇など、人類のみならず生態系全体に深刻な影響を及ぼすことになると警鐘を鳴らしています。
 こうした背景を受け、国では、地球温暖化防止と原発依存度の低減を目指して、再エネ海域利用法の施行や、地産地消型のエネルギー循環社会に向けた検討を始めるなど、エネルギー転換に大きく舵を切っております。
 このことは、本市が新創造ビジョンに掲げる「地域エネルギーの利活用の推進」にも合致するものであり、市といたしましては、今後も国の政策に協力して参ります。

 鳥海ダムにつきましては、昨年9月に東北地方整備局とダム地権者会が「損失補償に関する協定書」の調印を行うなど、令和10年度の完成を目指して、用地取得や工事が進んでいるところでありますが、市では、3月に策定される「鳥海ダム周辺エリア利活用基本構想」を指針として、秋田県の協力のもと「水源地域対策特別措置法」に基づく、「水源地域整備計画」を策定するほか、ダム周辺エリア利活用施策の実施について、鳥海ダム工事事務所や市民団体とともに話し合いを進めて参ります。


 最後に、7点目は「地域コミュニティの再生」であります。
 超高齢社会と人口減少に伴い、地域の担い手が不足する状況の中、住民同士の助け合いによる、地域コミュニティの強化が求められております。
市といたしましては、秋田県が進める「コミュニティ生活圏形成事業」と連携し、地域と行政の新たな関係づくりを検討していくとともに、「地域づくり推進事業」により地域の活性化に取り組む活動を後押しして参ります。
 また、「まちづくり協議会」におきましては、各地域で独自のテーマを設定し、自主的な学習と活動を行っており、こうした取り組みを通じて「協働によるまちづくり」を推進して参ります。

 公共交通につきましては、これまで、生活バス路線の確保や、コミュニティバスの運行など、継続的に取り組んで参りましたが、今年度新たに、町内会などが自ら実施するボランティア輸送などを支援するため「乗り[逢い]交通事業」を創設し、提案と周知を繰り返して参りました。現在、由利地域の小菅野集落において、4月からのボランティア輸送の試験運行実施に向け調整を図っているところであります。
 また、そのほかにも事業に関心を示し協議を進めている地域もあることから、今後も積極的に地域に出向き、対話を重視しながら、移動に関する課題解決に取り組んで参ります。

 情報政策につきましては、平成27年に制定した「由利本荘市電子行政推進方針」のもとに、「電子行政推進計画」及び「情報システム最適化プログラム」を策定し、電子行政の推進を図って参りました。今般、計画の期間終了にあたり、平成28年の「官民データ活用推進基本法」制定を受けて、国や県が策定した計画を踏まえた、全面的な見直しを行うことで、市民の皆様のさらなる利便性向上と安全・安心な暮らしを支える社会基盤の形成を推進して参ります。
 また、紙資料の削減や業務の効率化を推進するため、ICT技術を活用して、令和3年3月の議会定例会から、ペーパーレスによる会議の実施を計画しており、今後、会議システムやタブレット端末の導入を図り、準備を進めて参ります。

 携帯電話の不感地域の解消に向けては、これまで国、県をはじめ通信事業者に事業実施を要望して参りましたが、このたびKDDI株式会社より、東由利地域の新沢地区及び鳥海地域の村木地区、平ノ沢地区の3地区に事業参画する旨の回答が得られたことから、令和2年度中に国、県の補助を受けて基地局整備を行い、サービスが開始できるよう事業を実施して参ります。

 広報事業につきましては、市政情報をわかりやすく、確実に伝達するため、リニューアルした公式ウェブサイト、市広報紙、ケーブルテレビなど、それぞれの広報媒体の特性を生かしながら、本市への関心を一層高めるため、情報発信力の強化に取り組んで参ります。

 ケーブルテレビ事業につきましては、「由利本荘市CATV民間移行推進計画」を基に、民間事業者の公募を実施するなど、民間移行を進めて参ります。
 また、ケーブルテレビの老朽化した機器の更新も併せて実施し、安定した放送環境の整備に努めて参ります。

 最後に、職員の育成についてでありますが、社会構造や経済環境の変化に伴い、住民ニーズや価値観も多様化している中で、地域課題に的確に対応するためには、個々の職員が専門性を高め、広い視野と市民感覚を持って、持てる能力を最大限に発揮することが重要と考えております。適材適所の人事管理を行い、計画的な職員研修を実施するとともに、職員同士で自己研鑽を積む場を設けるなど、さらなる職員の資質向上を図って参ります。


 以上、令和2年度の市政運営について、7項目に亘って、方針を述べさせていただきました。

 市を取り巻く社会情勢は、依然厳しいものがありますが、均衡ある市政発展のため、市民目線に立った市政運営に全力で取り組んで参りますので、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解、ご支援、ご協力をお願い申し上げ、施政方針といたします。