平成23年度 施政方針

 

 

 

            
【第1回市議会定例会で長谷部市長が平成23年度施政方針を表明しました】
 

 

        
 本日、第1回市議会定例会に平成23年度予算案をはじめ諸議案のご審議をお願いするにあたり、議員各位に敬意を表しながら、市政運営にあたっての施策の概要を述べさせていただき、市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 わが国の経済情勢は、世界経済のグローバル化が一層進むなか、円高やデフレによる景気低迷や雇用情勢の悪化など、景気の不透明感が増しております。また、国内政治においては、昨年7月の参議院議員選挙において与党民主党が過半数割れとなる「ねじれ状態」が続いており、今後の政策決定や国民生活に与える影響も危惧されるところであります。
 去る1月14日には、菅改造内閣が発足いたしましたが、社会保障の立て直しや財政再建、日米安保体制強化など多くの課題を抱えております。政府は、自らに「デフレからの脱却」を喫緊の課題と位置づけ、成長と雇用に重点を置いた平成23年度の予算・税制等からなる「新成長戦略実現に向けたステップ3」により、日本経済における本格的な回復軌道の実現を目指しております。
 これまで内需を下支えしてきた、エコカー補助金の終了や家電エコポイント縮小などによる影響も懸念されるところでありますが、平成23年度は、中国をはじめとするアジア経済の回復等により世界経済は緩やかに回復するとの見方もあり、輸出拡大による国内生産の拡大や法人実効税率の引き下げによる企業の税負担軽減も見込まれ、電子部品関連の製造業が集積する本市としては、今後の景気回復に期待を寄せているところであります。
 由利本荘市は、合併から7年目となりますが、私にとりましては、本年4月で市長任期の折り返しとなる就任3年目を迎えることになります。この間、私は「一日一生」、今日一日を自分の一生と思い、今を大切に生きていくことを基本姿勢に市政運営にあたって参りました。
 私が、市長就任当初に、市民の皆さまにお約束した選挙公約については、全ての項目で順調に取り組むことができてきており、今後も引き続き「市民の皆さまから信頼される市政」「市民が主役のまちづくり」を目指して、粉骨砕身、市政推進に邁進する決意であります。
 公約への取り組みとして、平成22年度は、組織機構の見直しや人事交流のほか、市政の透明性確保に向けた「外部評価委員会」を設置して、平成21年度に実施された10件の主要事業と2件のソフト事業についての評価を行っております。外部評価委員会制度については、今後も継続しながら市の事務事業について、その有効性や手法の妥当性、成果などを評価いただき、効率的な行政運営と政策推進を図って参ります。
 本市の将来の発展のためには、8地域がそれぞれの特性を活かしながら市の一体感を高めていくことが重要であることから、定住自立圏共生ビジョンを推進しながら、市の一体感の醸成に努めてきております。
 なかでも、市民生活に密着する救急医療体制の維持確保のほか、昨年末より鳥海・矢島・東由利の3地域でスタートし関係地域住民から大変喜ばれている、由利組合総合病院への再来受診受付システムについては、本荘地域を除く残り4地域について実施いたします。
 ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯も増加傾向にあり、高齢者の社会的孤立が大きな課題となってきていることから、地域創造型ミニデイサービス事業を推進し、高齢者一人ひとりの自立を支援し、住み慣れた地域で支え合いながら安心して暮らせるまちづくりに努めて参ります。
 過疎地域自立促進計画につきましては、その対象がこれまでのハード事業に加えソフト事業にも拡充されたことから、地域住民の日常的な移動手段確保のための由利高原鉄道への運営支援や、生活環境の整備に向けた下水道の長寿命化計画の策定等に取り組むほか、将来の地域医療を支える医師確保のため、医師を目指す学生に奨学金を貸与し、卒業後一定期間地域医療に携わった場合に返納を免除する「医師確保奨学資金貸付事業」及び、研修医の地元定着を促進するための「医師研修資金貸付事業」を新たに実施して参ります。
 本市の基幹産業である農業につきましては、米余りや米の消費量減少により、生産目標数量の減少と米価の下落が続いており、今後は、「鳥海りんどう」や「秋田由利牛」など、米以外の戦略作物への転換を一層促進し、本市農業の振興を図りたいと考えております。
 また、政府が進めようとしているTPPへの参加については、加盟国間で貿易関税を撤廃するという内容であり、これが実施された場合、農業においては壊滅的な打撃を受け、食料自給率の低い日本が更なる自給率低下と輸入食品への依存を高めることになります。このため、国民的な合意形成や農業基盤を維持する具体的な対策がない中での参加については、明確に反対して参ります。
 次に、市と大学機関との連携についてであります。秋田県立大学とは、平成21年2月に連携協力協定を結ばせていただき、産業振興や観光、防災、まちづくり等様々な分野でご協力いただいておりますが、本年は、新たに国際教養大学と連携協定を結ぶ予定であります。今後は、市内小中学校児童生徒と国際教養大学学生との交流事業や、さらには同大学の環境研究センターと連携し、伝統芸能を活用した観光振興の推進や、農山村の活性化事業などを実施して参ります。また、これらの事業について大学と連携し、さらに充実して推進することと、国際感覚を身につけた人材育成を目的に、来年度は職員1名を同大学に派遣する予定であります。
 また、本年10月末には、いよいよ市民待望の文化交流館「カダーレ」が、オープンを迎えます。本施設は、充実した設備や多機能を有する文化ホールをはじめ、図書館、公民館、教育センター、さらに観光・物産コーナーなどからなる複合施設となっており、市民の文化・交流の拠点施設として、にぎわいの創出が図られ、市民活動や市民交流に資するよう、管理運営体制の整備と実施事業などの充実に努めて参ります。
 市の総合発展計画は、「公債費負担適正化計画」及び「財政計画素案」に沿った計画にするため平成20年度に事業計画の見直しを行っておりますが、その後の社会経済情勢等の変化に対応するため、平成23年度には、主要事業の見直しを行いたいと考えております。
 主な見直しの一点目としては、安全・安心な住民生活のため、大地震に備えた公共施設の耐震性の確保対策であります。市内の小・中学校については、該当する校舎・体育館等の耐震診断を終え、その結果を基に耐震補強工事等を進めておりますが、他の公共施設についても事務を一元化し、総合的な見地から耐震診断及び補強の優先順位・方向性などについて検討して参ります。
 昨年は、市庁舎、消防庁舎、勤労青少年ホーム、本荘体育館、善隣館、有鄰館の診断を行っておりますが、災害発生時にその拠点施設となる市庁舎や消防庁舎は、診断の中間報告においても耐震性が低いとのことから、その対策が急務となっております。このため、総合発展計画では平成26年度から建設予定となっている消防庁舎の建て替えについては、時期を前倒ししたいと考えております。また、市庁舎については、現庁舎の耐震補強を実施したいと考えておりますが、工事自体が大規模にならざるを得ないものと想定されますので、今後、そのスケジュール等について提案して参ります。
 見直しの二点目としては、旧国立療養所秋田病院跡地についてであります。平成17年に用地を取得して以来、具体的な実施計画がなく総合発展計画の主要事業にも登載されていないことから、これまでの防災、福祉、スポーツの三つのゾーン利用案を踏まえながら具体的利用計画の検討を行い、主要事業として位置づける方向で取り組んで参ります。
 これら主要事業の見直しは、市民の安全・安心な生活確保に向けて行うものであり、今後、公債費負担適正化計画や財源とも調整を図りつつ、具体的な検討を行い、内容がまとまり次第、議会にもお諮りしながら進めて参りたいと考えております。
 また、現在検証ダムとして位置づけられている鳥海ダムにつきましては、本年秋頃を目処に方向性が示される予定であることから、それまでが正念場と捉え、私自ら先頭に立って「本市にとっては、利水・治水の両面からダムが必要である」ことを強く国へ訴え、建設促進に邁進して参ります。
 それでは、平成23年度の予算案及び重点施策の概要について申し上げます。
 国では、「財政運営戦略」を踏まえ、国・地方共通の課題である財政健全化に向け、「新成長戦略」の推進により「強い経済」を実現し、経済成長による税収増を図るとともに、地方の行財政改革に積極的に取り組む姿勢を示しております。 
 また、地方においては経済の疲弊が深刻化しており、社会保障費の自然増など財政状況もきわめて厳しいことから、地方交付税本来の役割である財源調整機能と財源保証機能を保持し、地域主権改革に沿った財源の充実を図るため、総額5千億円の増額が確保されたところであります。

  こうした情勢を踏まえ、本市の新年度予算は市税の更なる落ち込みが予想される一方で、地方交付税に臨時財政対策債を加えた実質交付税で前年度比1.0%増を見込んだほか、公債費負担適正化計画を基本に、総合発展計画の主要事業に加え、地域雇用創出推進基金や定住自立圏創造基金を活用し、市の均衡ある発展と地域経済の活性化、住民の安全・安心の確保に向けた施策に重点をおいて編成したものであります。

                                                               

 次に、重点施策につきましては、「由利本荘市総合発展計画」における七つの施策の大綱ごとに申し上げます。

 
 第1は、「地域に開かれた住民自治のまちづくり」についてであります。
 定住自立圏構想については、昨年3月に策定しました「定住自立圏共生ビジョン」に基づき地域医療、農業・観光関連団体への財源支援を行うとともに、本市が実施する地域公共交通サービスの確保など各種事業に取り組んでいるところであります。
 平成23年度は、事業の継続拡充を進めるとともに、「公共施設予約システム導入事業」など新規事業にも取り組んで参ります。
 次に「地域協議会」についてでありますが、二期目を迎え、公募による方々にも参画いただきながら、地域の課題や、地域活性化のため精力的に活動していただいているところであります。
 また「地域づくり推進事業」につきましては、意欲あふれる市民団体が各地域で特色ある事業に取り組まれ、有効に活用していただいております。平成23年度については、広く事業を公募した結果、新たな事業への取り組みもみられ、なお一層の地域活性化を期待しているところであります。初年度は、8地域各300万円の枠で助成を行いましたが、本荘地域につきましては、地域からの要望や人口・活動団体等の規模などを勘案しまして、500万円に増額することとしたところであります。
 「ふるさと納税」につきましては、主に県外に在住している本市出身の企業経営者や、ふるさと会などを通じて寄付をお願いして参ったところでありますが、平成23年度は、この基金の一部を、これまで植栽したさくらの「樹木管理」に活用して参ります。
 
 次に、第2の「活力とにぎわいのあるまちづくり」について申し上げます。
 地域の基幹産業である農業の振興につきましては、県内一の広大な面積と、多様な立地条件や地域特性を活かしながら、戸別所得補償制度の本格導入を踏まえ、「大豆」「そば」を始め、畜産振興と連携した「飼料作物」など土地利用型農業の確立を目指した、収穫機械導入等の支援を拡充して参ります。
 水田農業の主体となる稲作は、需要が多い「土づくり実証米」により「由利本荘米」の一層のブランド確立を図るほか、畑作については既存の重点作物の生産拡大と併せて、「鳥海りんどう」「アスパラ」「タラの芽」等に代表される「地域品目」の育成・生産振興を図って参ります。
 次に、農村振興・集落支援につきましては、高齢者世帯の増加、地域産業の停滞、集落機能の低下等がもたらす農村集落の活力低下の課題解決に向け、「農村集落元気づくり事業」の拡充により、地域力の維持、強化を図るため、地域外の人材を活用した、集落支援員の増員や、新たに地域おこし協力隊員を設置し、地域の活性化への取り組み支援を強化して参ります。
 また、地域内で生産される農産物の付加価値化を図り、多様な農産加工品の地産地消を推進するため、グループ組織等による加工施設及び販売施設の改修や新設に係る経費に助成し、直売施設を活用した「農業6次産業化」支援に取り組んで参ります。
 基幹産業である農業を魅力ある産業として育むとともに、農村社会を元気な生活空間として創造していくための「道しるべ」として「食料・農業・農村基本条例」を制定し、平成23年度は、この条例に基づき「食料・農業・農村基本計画」を策定して参ります。
 次に、畜産振興につきましては、地域ブランドである「秋田由利牛」の振興に向けて、市と農協が主体となり出資する「ゆり高原ふれあい農場」の公社化を図り、「秋田由利牛」の飼育管理の実証と肥育農家への技術支援等、名実ともに「秋田由利牛」の生産拠点として新たな視点で振興方策に取り組んで参ります。
 また、平成24年度には「秋田県統合家畜市場」が本市に開設されることから、これを契機として地域畜産の振興方策の見直しを図るとともに、県と連携して、県有種雄牛の評価向上にも取り組みながら、秋田県畜産全体の底上げの先頭に立って貢献して参りたいと考えております。
 農業生産基盤の整備につきましては、ほ場整備事業の本格的調査として、本荘地域(柴野地区)、鳥海地域(平根地区)で実施いたします。
 また、県営ため池整備事業として、大内地域(もぐら沢)、由利地域(新堤)で事業を継続いたします。
 農村の環境保全と農業用施設の長寿命化のため、「農地・水・環境保全向上対策事業」による、共同活動に対する支援を継続するとともに、転作面積増加に伴う農地の排水強化のため、新規に「モミガラ補助暗渠事業」等に支援して参ります。
 森林・林業につきましては、「民有林造林促進事業」「木材自然乾燥施設事業」「森林整備地域活動支援交付金」「森林病害虫対策」等を通じて公益的な機能が持続的に発揮されるよう、適切な管理と利用等を支援して参ります。
 また、市有林についても、国・県の取り組みを見据え、「森林・林業再生プラン」等に基づいて着実に整備を進めるほか、林家の所得向上、活性化、新産業と雇用の創出を図るため、木質バイオマスの利活用調査を行って参ります。なお、新たな試みとして、市有林の管理業務の一部について外部委託を進めて参ります。
  水産業につきましては、安全な漁業活動のために漁港整備と漁港の維持管理に努めるとともに、水産資源の保全、確保のため「クルマエビ」などの種苗放流事業及び、内水面漁業の種苗放流に支援して参ります。
 商工業の振興につきましては、地域経済や地域産業の活性化を図るため、中小企業融資斡旋制度において保証料補助及び利子補給を行うほか、新たに中小企業の技術向上や経営革新を支援するため、豊富な経験や知識を有する「工業振興アドバイザー」の設置や、企業誘致や工場増設等に即応する「貸し工場制度」の創設、地域企業の海外受注を促進するための社員の語学研修への助成、建設業者の成長分野への参入や地域貢献に資する事業展開を促進するための支援を行って参ります。
 また、雇用情勢の改善を図るため、新規雇用奨励金の事業者への交付や長期IT研修、就業資格取得支援事業など、市の独自施策を実施して参ります。さらに、秋田県ふるさと雇用再生・緊急雇用創出臨時対策基金事業を積極的に活用して、57事業で218名規模の雇用を創出するなど、若年者を含む求職者の就業を積極的に支援して参ります。
 次に、観光振興についてでありますが、本市は国指定史跡「鳥海山」を中心とした豊かな自然や、年内にも国の重要無形民俗文化財に指定が見込まれる「本海獅子舞番楽」をはじめとする、歴史ある民俗文化など多様な観光資源を有しております。
 平成23年度は、これらの観光資源や、本年度作成した外国語版の観光ガイドブック及び観光協会のホームページを活用した情報発信を行うとともに、中国、韓国、台湾など海外からの観光ツアー客の誘致に努めて参ります。また、秋田県をはじめ、隣接するにかほ市、山形県とも連携を図りながら、環鳥海エリアの中で広域周遊型観光圏の形成に努めて参ります。
 観光資源の原点は地域にあることから、農・商・工・観が連携して活力ある地域づくりを推進するため、大学関係機関及び「地域おこし協力隊事業」の活用による地域活性化に努め、地域に埋もれている新たな観光資源や体験メニューを掘り起こすとともに、都市との交流や教育交流事業の推進などにより、体験滞在型観光の振興を図って参ります。
 
 次に、第3の「健やかさとやさしさあふれる健康福祉のまちづくり」について申し上げます。
  市民の健康づくりにつきましては、市民の健康づくり指針「健康由利本荘21計画」を実践して参ります。最優先の健康課題であります生活習慣病予防につきましては、特定健診・特定保健指導を実施するほか、各種がん検診等住民検診による疾病の早期発見と受診率の向上に努めて参ります。
  自殺予防対策につきましては、庁内自殺予防連絡会での対策の検討、声かけボランティアの養成や高齢者世帯の訪問事業等を実施するなど総合的な予防対策に取り組んで参ります。
 母子保健においては、少子化対策の子育て支援事業として、「特定不妊治療助成事業」と乳児を訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」を継続するほか、「子宮頸がんワクチン」「ヒブワクチン」「小児用肺炎球菌ワクチン」の接種対象者が無料で接種を受けられるよう助成して参ります。
 地域医療・救急医療につきましては、医師の不足・偏在が地域医療に深刻な影響を与えている現状にあることから、医師確保奨学資金貸付制度及び医師研修資金貸付制度により、医師の確保・定着に努めるほか、二次医療圏におけるがん診療や災害時の拠点病院として中核的な役割を担う由利組合総合病院の充実を支援して参ります。
  すべての子どもが、地域社会の中で安全・安心に育つことができる環境づくりのため、「由利本荘市子ども条例」を制定し、社会全体で子どもの成長を支援するまちづくりを推進して参ります。
 子ども手当につきましては、「平成23年度における子ども手当の支給等に関する法律」が成立した後に、速やかに対応して参るとともに、子育て支援金についても継続して実施し、子育て世帯を応援して参ります。
  また、民間保育園への改築補助事業として、平成23年度は内越保育園へ助成を行って参ります。
 子育て支援対策の一環として、保護者の経済的負担を軽減するための医療費の無料化につきましては、その対象を引き続き小学校3年生まで実施するとともに、入院医療費についても、中学生までを無料といたします。
 障がい者福祉につきましては、新たに平成24年度から始まる第3期障がい者福祉計画の策定準備に取りかかるとともに、障害者自立支援法に基づく障がい者福祉サービスは、その水準を維持し着実に推進して参ります。また、障がいを持つ方が地域において自立した日常生活及び社会生活を営むことができるよう、地域活動支援センターの活動を支援して参ります。
  災害時への備えとしましては、民生委員・児童委員の協力を得ながら、支援を要する高齢者及び障がい者等の要援護者台帳の整備を進めるとともに支援体制づくりを進めて参ります。
 高齢者福祉対策につきましては、高齢者の誰もが健康で生き生きと心豊かに生活を続けられるように、敬老会や長寿祝金等の生きがい支援、介護者教室や介護手当等の家族介護支援、転倒骨折・認知症予防教室等の介護予防支援、軽度生活援助や外出サービス、緊急通報システムの貸与等の生活支援、老人クラブへの助成等、介護予防・生活支援の充実に努めて参ります。
 また、高齢者が住み慣れた地域の中で安全・安心に暮らし続けられるように保健・医療・福祉・介護の関係機関の連携を図り、各種サービスを適切な支援につないで継続的に行っていくため、地域における関係者のネットワークを構築し、地域ケア体制の推進に努めて参ります。
 
 次に、第4の「恵まれた自然と安らぎのある環境共生のまちづくり」について申し上げます。
 生活環境対策につきましては、ごみの減量化に一層努めるとともに、ごみの適正処理を図るため、ごみ処理施設全般にわたる中長期的な整備の方向性を早期に定める必要があります。このため、様々な角度からの調査検討や、市民の皆さまからもご意見等を伺いながら、本市のごみ処理施設整備の方向性を定めて参ります。
 また、本市の環境施策の基本となる環境基本計画の策定に取り組むとともに、エコ対策推進につきましては、今年度策定するバイオマスタウン構想に基づき、再生可能エネルギーの利用促進による地球温暖化防止と、市民の環境意識高揚を図るため、エコフェスティバルを開催し、エコ活動の推進を積極的に展開して参ります。
 地域経済の活性化を目指して、今年度「住宅リフォーム資金助成事業」を創設いたしましたが、その事業効果に対しては、関係業界からも非常に高い評価を頂き、市民の期待にも応えることが出来たものと考えております。
 未だ回復の兆しが見えてこない経済情勢が続いており、今後も継続して地域経済に有効な施策を展開する必要があると判断し、平成23年度も引き続き事業を実施して参ります。なお、対象となるリフォーム工事につきましては、より利用しやすいように、これまでの50万円以上の工事から30万円以上の工事に対象範囲を拡大いたします。ご活用いただく市民や関係業界につきましては、今年度と同様に「秋田県住宅リフォーム緊急支援事業」と併せてご活用いただき、地域経済の活性化はもとより、居住環境の向上や雇用の維持につなげたいと考えております。
 由利地域前郷の市営住宅・滝沢館団地は、建設後38年が経過し老朽化も著しい状況にあります。当地域への定住促進を図るため、平成23年度から測量などの調査や住民説明会を行い、平成24年度から建て替えを実施したいと考えております。
 本荘中央地区土地区画整理事業につきましては、1号街区公園を整備するとともに、事業区域内の権利関係を確定させる換地処分に向けて、出来形確認測量及び換地計画作成を進めて参ります。
 下水道の整備につきましては、処理区域の拡大と雨水対策事業を実施して参ります。また、農業集落排水事業では、本荘地域の松ヶ崎第二地区と大内地域の中帳地区において、処理施設及び管路の整備を引き続き実施いたします。由利地域の東鮎川地区においては、機能強化事業を継続して実施するとともに、小菅野地区においても新規に機能強化事業に着手いたします。東由利地域の田代・黒渕地区においては、新規処理施設整備のための調査設計業務に着手いたします。
 また、簡易水道を含む上水道料金及び集排施設等を含む下水道料金については、地域ごとに異なっていた使用料を段階的に改定しながら統一化を進めるとともに、料金システムも全市統一に向けて統合を行い、収納事務の一元化を図って参ります。
 水道事業につきましては、「由利本荘市水道事業第1次施設整備計画」の5年目を迎え、平成22年度からの継続事業である由利原浄水場建設工事を着実に進めるほか、鳥海、本荘地域の老朽化した管路の耐震化を推進し、安全・安心な水道供給をめざして参ります。
 ガス事業につきましては、温暖化ガス削減が地球規模での課題となっている昨今、環境にやさしい地元由利原産のクリーンな天然ガスを、一人でも多くの市民に提供できるよう、都市ガスの普及に力を入れて参ります。他のエネルギーとの競合により非常に厳しい経営環境にありますが、安全確保と効率的事業運営に努めて参ります。
 防災対策につきましては、近年の異常気象に起因する大雨や大雪などの自然災害に迅速かつ的確に対応できるよう、部局間や防災関係機関との連携強化に一層努めて参ります。また、市民の安全・安心な暮らしを支えるためには、地域の連帯意識が最も大事であり、そのための自主防災組織の結成促進と活性化を図って参ります。
 消防の広域化と消防救急無線のデジタル化につきましては、にかほ市との協議会において、消防本部の位置や名称、広域消防運営計画などの検討を行い、広域化に向けて取り組んで参ります。また、はしご付き消防ポンプ自動車の更新や耐震性貯水槽の整備など、消防施設や装備の一層の充実強化を図って参ります。
 
 次に、第5の「豊かな心と文化を育むまちづくり」について申し上げます。
 学校教育につきましては、「人間性豊かで進取の気性に富む、たくましい子どもの育成」を目標に掲げ、市内6,400名余りの児童生徒の「豊かな心と感性の醸成」と「確かな学力の形成」に努めて参ります。特に、平成23年度は、小学校における新学習指導要領の完全実施の年となり、外国語活動等、新たな時代のニーズに応じた教育活動の充実に努めて参ります。また、「ホットヒート科学の心」推進事業の充実により、自己実現を目指し、高い志をもって学び続ける人間の育成を図るため、大学や高校と連携した学びの場の設定や、科学的な探究心の向上を図って参ります。
 教育環境の整備につきましては、この4月に東由利小学校が開校となるのをはじめ、鳥海統合小学校は、平成25年4月の開校に向けて、いよいよ建設工事に着手し、岩城松ヶ崎統合小学校は平成26年4月の開校に向けて、平成23年度は実施設計を行います。
 文化財につきましては、日本海側で最大級かつ最古の「菖蒲崎貝塚」のこれまでの調査について、集大成した報告書を作成するとともに、にかほ市との共同事業である国指定史跡「鳥海山」の保存管理計画策定事業を、昨年度に引き続いて進めて参ります。
 また、鳥海統合小学校建設に伴い、縄文遺跡の「提鍋遺跡」の発掘調査を実施いたします。
 さらに、先に国の重要無形民俗文化財指定の答申がなされた「本海獅子舞番楽」の公演や、民俗芸能保存団体に対する支援、定住自立圏共生ビジョン推進事業である「由利本荘市民俗芸能大会」「民俗芸能講演会」などを開催し、市民の貴重な文化資産である民俗芸能の保存・継承に努めて参ります。
 芸術文化の振興につきましては、子どもたちの生きる力や感動する心を養うため、劇団四季による「こころの劇場」や「芸術鑑賞教室」、市民の創作活動の発表の場としての「美術展」やセミナー開催など、市民の創作意欲や豊かな文化に触れる機会の創出と、芸術活動の活性化に努めて参ります。
 生涯学習・社会教育の推進につきましては、昨年度からスタートした「第2次生涯学習推進・社会教育中期計画」の具現化を目指し、地域に根ざした特色ある事業を尊重しながら、読み聞かせボランティア交流事業や放課後子ども教室推進事業など、一体化事業の推進を図るとともに、市民と行政との協働による豊かな地域づくりに努めて参ります。
 また、文化交流館完成に伴う文化会館、図書館、公民館の機能移転を効率的に進めるとともに、中央図書館、中央公民館としての位置付けを確立し、新たな活動拠点において交流と賑わいの創出に向けて機能の充実と事業推進に努めて参ります。
  スポーツの振興につきましては、本荘由利総合運動公園「水林球場」の改修事業に着手し、グラウンドの拡張やスタンドの全面改修、県内の野球場では初めての全面人工芝舗装とするなど、他に誇れる特徴のある野球場として整備を進めて参ります。
 また、「ボートのまち由利本荘市」として「子吉川レガッタ」などで市民が利用する、アクアパルのナックルフォアを年次計画で更新するほか、サッカーの「ブラウブリッツ秋田」、バスケットボールの「秋田ノーザンハピネッツ」のプロスポーツ選手を招いての、交流会やスポーツ教室を開催し、競技力の向上を図るとともに、体育施設の維持管理に努め、市民がスポーツに親しむことができる環境づくりに努めて参ります。
  「全国高等学校総合体育大会」の開催につきましては、秋田県高校体育連盟や競技団体などの関係諸団体と連携を密にし、準備を進めているところであり、大会の成功に向け万全を期して参ります。
 旧鮎川小学校利活用につきましては、廃校舎をコミュニティ交流施設として活用を図るとともに、平成23年度に「国登録申請」を目指しているところであります。申請にあたっては、校舎の改装や付随する老朽建物の解体等について、文化庁との協議を踏まえながら、基本計画及び地形測量などを実施して参ります。
 
 次に、第6の「心ふれあう情報と交流のまちづくり」について申し上げます。
 市内の各地域を結ぶ道路網の整備は、市民生活の向上や地域経済の活性化を図るきわめて重要な施策であり、引き続き、国や県に対し国道・県道の改良促進を要請するとともに、日本海沿岸東北自動車道の仁賀保以南の早期完成についても、関係市町及び関係団体と連携を図りながら要望して参ります。
 また、国の動向を注視しながら財源確保に努め、由利橋上部工の施工、市道の改良整備、維持補修、道路・河川災害等へ対応して参ります。
 冬季交通の確保に当たっては、「市道路除雪計画」に基づき、地域の実情に応じた除排雪業務に努めて参ります。
 ケーブルテレビ事業につきましては、市民各位からご理解を賜り施設整備が完了し、平成22年度から市全域でサービスを提供できるようになっております。このため、各地域の話題を満遍なく取り上げ、市民の要望にお応えしながら、「市民のテレビ局」として身近で親しまれるよう自主制作番組の充実を図るとともに、地上アナログ放送終了後も現在お使いのアナログテレビで視聴できるよう、平成27年3月まで、デジタル放送をアナログ放送に変換して、提供して参ります。
 男女共同参画社会の形成の促進につきましては、平成23年度から5年間の計画でスタートする「第二次由利本荘市男女共同参画計画」を推進しながら、男女が一人の人間として対等なパートナーシップを築ける社会の実現を目指して参ります。
 また、国内各都市との交流事業につきましては、引き続き継続して参りますが、いわき市との親子都市交流が、本年は25周年を迎えることから、記念式典をいわき市で行う予定であります。また、国際交流では、ハンガリー共和国と中華人民共和国を中心に交流を実施して参りますが、中国無錫市との友好交流が10周年を迎えることから、無錫市との記念セレモニーを本市で開催する予定であります。
 
 最後に、第7の「行政改革による健全なまちづくり」について申し上げます。
 現在、平成22年度から平成26年度までの5カ年を実施期間とした「第二次行政改革大綱」に基づき、全庁一体となって行財政改革に取り組んでいるところであります。初年度となる平成22年度は、私が本部長として新たな体制で「行政改革推進本部」を立ち上げるとともに、部長及び総合支所長で構成する「行政改革推進検討委員会」を四半期ごとに開催し、改革を全庁的に実施するための体制づくりを構築しながら、実施計画の着実な推進に努めて参りました。
 2年目となる平成23年度も、地方自治の基本原則である「最少の経費で最大の効果」が発揮できる、効率的な行財政運営の確立を図るため、大綱に定めた改革課題について、一層強力に取り組んで参ります。
 また、市の行政改革や定員管理につきましては、合併協議に従い実施して来ておりますが、市民のニーズに迅速・的確に対応していくためには、日常業務における職員個々の事務処理能力の向上が不可欠と考えており、昨年実施いたしました業務改善研修の理念と手法を全庁に拡大するため、平成23年度は班長クラスの職員を対象として研修を予定しております。
 この業務改善研修は、職員相互がそれぞれの業務内容を理解し、連携し合う態勢の確立、ひいては組織の連携強化につながるものと考えており、今後、効率的で質の高い執行体制の整備のため、研修とあわせ、庁内に「業務改善実行委員会」を設置し、組織としてもその浸透について取り組んで参ります。
  さらには、事務の不適切処理事案の反省に立ち、総務部内における危機管理課と行政改革推進課との連携を強め、行政査察への対応強化や組織としての危機管理意識を充実させるとともに、機能的な組織体制の整備と均衡ある発展のために総合支所の機能に配慮しながら、適材適所の人事に配意して参ります。
  また、出張所・公民館の運営の見なおしにつきましては、本荘地域における施設を対象として現在検討中であり、早い時期に、その案をお示ししたいと考えておりますが、基本的な姿勢といたしましては、施設そのものは廃止しないものとし、その機能について、公民館とのあり方と合わせ見なおしていく方針であります。
 総合発展計画見直しの主な事業としている、公共施設の耐震性の確保につきましては、引き続き平成23年度事業として「鳥海総合支所」「鶴舞会館」「南内越コミュニティ体育館」「矢島福祉会館」「高城コミュニティセンター」「岩城就業改善センター」「岩谷体育館」の7施設の耐震診断を行い、その結果を受けて今後の各施設の維持管理計画に反映させ、災害時における市民の安全・安心確保に努めて参りたいと考えております。
 
 地方自治体を取り巻く行財政運営は、一層厳しさを増しており、社会経済や環境変化への対応も求められておりますが、私は、行動する市長として自ら市民の先頭に立って全身全霊を傾け、由利本荘市の未来を切り拓いて参る所存であります。
 以上、平成23年度の市政運営にあたり、私が進めて参ります施政の概要を申し上げましたが、議員各位をはじめ、市民の皆さまのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。